【お題拝借】アドラー心理学を知ってどう変わったか/社会人への授業や講演をするときの喜び
2017年1月29日
(日曜日は皆さんからの質問にお答えしています)
今回は「お題」を2ついただいております。
私がアドラー心理学を知ったのは、野田俊作先生を通じてです。もし私が変わったとしたら、それはアドラー心理学によってというよりも、野田先生の影響だと思います。野田先生はアドラー心理学にとどまることなく、科学を含み、科学を超えたあらゆるものの見方について教えてくれました。それは当時、実験心理学の一学徒であった私の考え方を大きく広げてくれるものでした。
当時に比較すると現在は温厚になられていますが、野田先生の当時の過激さは、最近出版社を変えて復刊された次の本を読んでいただけると、その雰囲気が伝わるのではないかと思います。これらは当時は「トーキングセミナー」というタイトルで出版されていましたが、この本を読んで影響を受けた人はたくさんいると思います。
野田 俊作『性格は変えられる(アドラー心理学を語る1)』(創元社, 2017)
野田 俊作『グループと瞑想(アドラー心理学を語る2)』(創元社, 2017)
野田 俊作『劣等感と人間関係(アドラー心理学を語る3)』(創元社, 2017)
野田 俊作『勇気づけの方法(アドラー心理学を語る4)』(創元社, 2017)
若い大学生に教えるときも、社会人に教えるときも「教える喜び」は共通のものですが、その違いは明確にあります。
大学で教えることは私の仕事の大きな一部ですが、学生から見れば私は大学のごく一部にすぎません。早稲田大学人間科学部に入ってみたら、「たまたま」向後千春という教員がいたということです。その事実とは無関係に私は自分の授業に最大限の力を注ぎますが、事実はそうなのです。偶然の巡り合わせですね。そこに出会いのすばらしさがあります。
一方で、エクステンションセンターで教えたり、各地で講演会を開いたりするときは、最初から私を目当てにしてきてくれる人が多くなります。ですから、最初から学ぼうとする熱量が高いのです。教室や会場では、前の席から埋まっていくのがそれを象徴しています。そして授業や講演を終えて、毎回拍手をしていただけるのは私にとって最高の喜びです。それが次の活動へのエネルギーにつながっていきます。
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