【アドラー心理学の実践】#13 “感情”についての質疑応答
月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。10月4日(木)から始まった早稲田大学エクステンションセンター中野校での「アドラー心理学実践講座」(全8回)が終了しました。この連載では、この講座の内容をお伝えしています。講座に参加できなかった方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。
今回は、”感情” に関連した質疑を取り上げます。
[Q1] 行動や言動そのものが相手に認められないと、感情的になったりしますが、自らが抑制しないと気持ちが収まらないのではと思ってしまいます。どうしたら気持ちのコントロールができるようになりますか?
自分の行動や言動が相手に認められないということは、普通の人にとっては「あってはならない。なんとかしなければならない」事態です。ですので、怒り(人によっては悲しみ)を発動します。それはなんらかの対処行動が必要だからです。ですので、その感情は抑制する必要はありませんし、またその余裕もありません。感情が発動するのは速いので時間的な余裕もありませんし、またエネルギーも強いので精神的な余裕もありません。
ポイントは怒りや悲しみが発動されたあとにどうするかということです。対処行動が求められているので、どう対処したらいいかを考えます。考えることができるということは、もう時間的余裕と精神的余裕があるということを示しています。そうでなければまだ考えることはできないでしょう。その場合はもう少し待つ必要があります。いずれ感情の時間は過ぎ、考える時間がやってくるでしょう。
ある場合は、考える時間ができても考えずにすぐに対処行動を示してしまうこともあります。たとえば相手を罵るとか殴るとか、その場から飛び出すなどです。まあ、そういうこともあるでしょう。どうしても相手を(物理的にも心理的にも)傷つけてしまいそうであれば、その場を離れるのが一番いい方法でしょう。一度相手を傷つけてしまうと元に戻すのが大変ですので、それが一番いいのです。
[Q2] 怒らない人間には進歩はないのか? でもないのでは? 怒る感情を他の自分の必要な大切なことに努力する方が、ずっと得だと思う。 相手がそのように(期待を裏切っても)むしろその事を分析し、どうしてそのような対応 (考え)をしたのか分析することは面白い。
私もそう思います。そのように分析できるということはすでに怒り感情を鎮めた後ということですので、ゆっくりと考えて、その後の対応を決めていけばいいのです。
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