7-お題

2017年を振り返ってみる。

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問がないときは、フリーテーマで書いています。

12月24日です。2017年も残り1週間となりました。今年の出来事をふりかえっておきましょう。あわせて来年やりたいことなども書いておきます。

博士課程

大学院では、2人の博士を出せたことがよかったです。

博士論文の作成については、なんといっても本人の研究に対する集中力に依存します。この数年間で博士論文を書こうという人は、自分の生活における優先順位を(少なくとも心理的には)変えなくてはならないでしょう。いつでも意識を自分の研究に結びつけることを習慣化する必要があります。常に、論文を読んでいるか、実験・調査をしているか、データ分析をしているか、原稿を書いているかの状態に身を置いておくことです。たまにやるのでは生産性が上がりませんし、足踏み状態のままです。

つまり、博士課程(そして修士課程)で学ぶべきことは、第一に「自己制御のスキル」にほかならないということです。それは社会人であろうが、フルタイムの学生であろうが変わらないのです。優先順位を自分で決めてそれを実行できる人だけが完遂できるでしょう。

授業

授業は、通学生では「インストラクショナルデザイン」と「生涯学習と成人教育学」、eスクールではそれに加えて「スタディスキル」と「データリテラシーI, II」を担当しています。これはここ数年変わっていません。授業内容はテキストが書籍化された(*)ので、それに依拠しています。ただ、授業のやり方には少しずつ新しいことを導入しています。それについては追って公開していきたいと思います。

(*) 授業で使っているテキストはこちらです。
* 「インストラクショナルデザイン」と「生涯学習と成人教育学」
 →『上手な教え方の教科書 ~ 入門インストラクショナルデザイン』(技術評論社, 2015)
* 「スタディスキル」
 →『18歳からの「大人の学び」基礎講座』(北大路書房, 2016)
* 「データリテラシーI, II」
 →『身につく 入門統計学』(技術評論社, 2016) 『統計学がわかる』(技術評論社, 2007) 『統計学がわかる【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社, 2008)

ゼミ

ゼミについてはあまり変わりはありませんが、人数拡大の時期は過ぎ去り、これからは落ち着いてゼミを進めていきたいと思っています。

一方で、長年愛用してきたサイボウズLiveのサービスが2019年4月で終了するとのアナウンスがありました。とりわけゼミの運営ではこのサービスに全面的に頼ってきましたので、これはショックなお知らせでした。私としては有料化で継続して欲しいのですが、それもかなわないというのであれば、後継のシステムを探さなくてはなりません。現時点では「Google Classroom」がそれに近いかなという感触を得ています。グループウエアはたくさんありますが、ビジネス的な画面やチャットベースだと少しそぐわないのです。

ちはる塾おとな学部

ちはる塾おとな学部を開始しました。これは、社会人のための「何かを探求できる場所」を目指しています。「人生100年」時代を目の前にして、これから生涯教育/生涯学習にスポットがあたっていくと思います。その場所として、大学が提供するリカレント教育やエクステンションセンターの公開授業など多様なものが考えられます。

ここでは、SPOC(Small Private Online Courses)と呼ばれるオンライン教育の方法と公開研究会の組み合わせをイメージしています。その特徴は、少人数(Small)で個別に(Private)着実に進めるオンラインコースというところにあります。

3ヶ月で1シーズンの内容を進めていくという形式です。1期生の第1シーズンが終わり、公開研究会も開催できました。現在、1期生は第2シーズンに入り、2期生がスタートしたところです。3期生は2018年4月に募集する予定です。

note

2016年12月からnoteに文章を書くようになりました。noteの課金システムに支えられながら、1年間続けて書くことができました。フォロアーも現時点で1600人を超え、増え続けています。noteの立ち上げまもなくから勢いのある進展までリアルタイムでお付き合いできてよかったです。引き続きご愛読いただければうれしいです。

本の出版

今年は本を2冊だせました。小学館新書からの『幸せな劣等感』と、隔月刊誌『コドモエ』での連載を本にまとめた『アドラー式「しない」子育て』です。

来年もいくつか本のアイデアを考えているところです。たとえば「いちばんやさしい卒論・レポートの書き方」、「楽しいおとなの研究」、「使えるインストラクショナルデザイン」といったようなテーマです。実現できるかどうかはわかりませんが、とりあえず書いていこうというスタンスです。「はじめはそっとはじめる」で。

オンライン教育と対面教育

来年に進めていきたいことは、オンライン教育と対面教育とその組み合わせです。オンライン教育では、「いつでもMOOC」と「深めるSPOC」の両輪を進めていきます。対面教育では、「グループワークを取り入れた大規模な研修」と「少人数の個人指導に近い研修」の両輪で進めていきたいと考えています。

お題や質問を送るには、以下のどれかの方法でお送りください。
 ・下のコメント欄に書き込む。
 ・一番下の「クリエイターへのお問合せ」からメッセージを送る。
 ・メール( kogo@waseda.jp )で送る。タイトルに【お題拝借】と入れてください。
日曜日の【お題拝借】コーナーで取り上げさせていただきます。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。