見出し画像

006 [教える技術] オンライン授業とオンライン研修の作り方とそのメリット

2021年10月時点で、新型コロナの感染状況も落ち着きを見せているこの頃です。徐々に対面での活動も復活してくるでしょう。それと並行して、オンライン授業やオンライン研修もまた新しい形態として定着するでしょう。全部対面に戻るというような逆戻りはしないと思います。この機会に、この一年半で一気に広がったオンライン授業やオンライン研修について振り返り、展望したいと思います。

■2020年3月の新型コロナ流行から始まった授業のオンライン化

2020年3月の時点で、新型コロナへの対策として、早稲田大学は授業開始を少なくとも2週間遅らせることを決めました。アメリカではオンライン授業に切り替える大学も出ています。日本では名古屋商科大学で、授業開始を遅らせることなく、学部・大学院ともにオンラインでの「双方向ライブ形式」で実施するとのことです。

なお、こうしたオンライン授業については、2001年から文科省が、大学・大学院における「メディア授業」として位置づけています。つまり、正規の授業です。メディア授業は、テレビ会議などによる「同時双方向型」とインターネット配信による「オンデマンド型」があります。

文科省資料「大学における多様なメディアを高度に利用した授業について」

こうしたメディア授業によって、通学制の学士課程では124単位中の60単位までが認められます。また、通学制の修士課程では30単位中のすべてが認められています。

今回のコロナ禍によって、学生が教室に集まる対面での授業がやりにくい状況になりました。この状況下で、素早くオンライン授業に切り替えることができるかどうかが大学にとってのチャレンジになりそうです。

対面授業のオンラインへの移行ということについて現実的に考えてみました。

・レクチャー中心の授業をオンライン化する

レクチャー中心の授業では、100人以上の受講生を持つ大規模クラスになることもしばしばです。この場合はリアルタイムでやるのは難しく、またその必要性も小さいので、レクチャーをビデオ収録したものを配信するという形になるでしょう。そのあとに、オンラインディスカッションと質疑応答の機会をもうけます(これはメディア授業として認定されるために必須です)。必要であれば小テストや小レポートなどの課題を出します。

ここから先は

5,600字

¥ 150

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。