遊び

学ぶだけでは不十分。何を学ぶべきかということを検討することを学ばなければならない。

2017年2月25日

(土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています)

「週末研究者」というカタチ

「博士を増やす施策は間違いだった」の記事を引用したのをきっかけに、muto先生から、「週末研究者」のアイデアをいただいた。

学部からストレートに大学院に来るのではなく、すでに働いている人が、何年か休んで、大学院で学び、再び仕事に戻るようなパターン。あるいは、仕事を辞めずに、週末に研究を続けるパターン。このような人たちが増えれば、日本は文化的に豊かになれる、と。

さらには、常勤の人が中心になって、週末研究者やボランティア研究者に手伝ってもらって共同研究をする。

うん。こういう姿が生涯教育(あるいは生涯研究と呼んでもいい)の新しい形なのじゃないだろうか。

(以上、2011年12月14日のブログより)

最近強く感じるのだが、研究することはおもしろい。なぜおもしろいかというと、研究することで「自分の生きている世界の新しい見方」ができるようになるからだ。

もちろん何か自分の好きなことを学ぶこともおもしろいし、楽しい。生涯学習や生涯教育という言葉は「学ぶことの楽しさ」という点を強調する。その楽しさはやはり「世界の新しい見方」ができることによる。

研究することはその「世界の新しい見方」が妥当であるかどうかを検討することだ。「世界の新しい見方」がすべて妥当であるという保証はない。だから、新興宗教や自己実現セミナーや資格商法に引っかかる人がいるわけだ。

これらの商売は、「本人が納得する限り」という条件で認められているわけだけれども、「本人の納得する能力」そのものが弱ければどうしようもない。全体として見れば、検討能力の弱い人をだましてカモにしているという商売の構図になる。

だから学ぶだけでは不十分なのだ。何を学ぶべきかということを検討することを学ばなければならない。それを学ぶ方法が「研究する」ということなのだ。すべてのことをゼロから疑い、それをデータによって検証していく。そのプロセスはただ学ぶこと以上におもしろいものになるだろう。

そのひとつの形として「週末研究者」をとらえたい。

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