日々のライフタスクでの決断の選択肢は自己理想に沿うように決める(ライフスタイル論#04)
2017年3月13日
(月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています)
前回は「ライフスタイル論」の3回目として次のことを書きました。
1. 自分の行動を決めるときに(無意識に)参照するライフスタイル辞書は、ストーリーによって記述されている。
2. そのストーリーには「自分がこのように行動すればうまくいくだろう」という目標が書かれていて、そのストーリーを実現したいと思っている(目的論)。
私たちは日々生きていく中で、多少なりとも決断しなくてはならないような課題に直面します。朝、顔を洗おうかどうかで悩んだり迷ったりする人はあまりいません。しかし、締切の迫っている仕事に手をつけるかどうかといった課題に直面したときには、多少なりとも決断することが必要です。
こうした課題を「ライフタスク(Life tasks)=人生の課題」と呼びます。「人生の課題」というと少し重すぎますので、「生きていく上での課題」という意味でライフタスクと呼びます。私たちは日々ライフタスクに直面し、そこでなんらかの決心をしてそのタスクを解決していこうとします。逆に言えば、これが私たちが生きていることを実感し、生きている意味を見出すということなのです。
さて、締切の迫っている仕事に手をつけるかどうかというライフタスクに直面したときに、自分がとる行動にはいくつかの選択肢があります。たとえば、「すぐに手をつける」とか「手をつけるのは先延ばしする」とか「その仕事のことは忘れる」といった選択肢です。こうした選択肢のどれを選ぶかは自分で決められます。それを決めるときに自分のライフスタイル辞書を参照します。そこには「どんな自分でありたいか」という「自己理想」が書いてあり、それに沿った選択肢を選ぶことになります。
図で示すとこんな感じです。
ここでライフタスクは四角で描いてあります。日々ライフタスクに直面するたびにライフスタイルを参照して、取りうる行動の選択範囲の中から決断して選んでいるというイメージです。「いや、いちいち決断なんてしていないですよ」と言う人もいるかもしれませんが、それは自分のライフスタイルが長年の成長過程で「意識できないほど自然なもの」として自分の身についているからです。その決断は自然に、そして瞬時になされます。そして長い目で見ると、その決断は自分が作り上げた自己理想に沿うようにされているはずです。
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