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ちはるのファーストコンタクト(2017年1〜3月)

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ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研…
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#アドラー心理学

台本ストーリーはどのように書かれているのか(ライフスタイル論#05)

2017年3月27日 月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回は「ライフスタイル論」の4回目として次のことを書きました。  1. 私たちは日々ライフタスクに直面するたびにライフスタイルを参照して、取りうる行動の選択範囲の中から決断して選んでいる。  2. その決断は自然に、そして瞬時になされるため意識されない。しかし長い目で見ると、それは自分が作り上げた自己理想に沿うようにされている。 さて、ライフスタイルとして書かれている台本ストーリーはどのように書か

日々のライフタスクでの決断の選択肢は自己理想に沿うように決める(ライフスタイル論#04)

2017年3月13日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の3回目として次のことを書きました。  1. 自分の行動を決めるときに(無意識に)参照するライフスタイル辞書は、ストーリーによって記述されている。  2. そのストーリーには「自分がこのように行動すればうまくいくだろう」という目標が書かれていて、そのストーリーを実現したいと思っている(目的論)。 私たちは日々生きていく中で、多少なりとも決断しなくてはならないような課題に直

ライフスタイルは物語=ストーリーとして頭の中に書かれている(ライフスタイル論#03)

2017年3月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の2回目として次のことを書きました。  1. ライフスタイルとは私たちの動き方(Movement)である。それは、(a)対人関係の作り方についての方略、(b)自己・他者・世界についてのスキーマ、(c)自分で作り出した自己理想の追求の仕方、を参照しながら決めていく。  2. それが書かれたものを「ライフスタイル辞書」と呼ぶとすれば、私たちはその辞書を意識することなく参照して日

自分のライフスタイル辞書によって感じ方、考え方、行動の仕方を決めている。(ライフスタイル論#02)

2017年2月27日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の1回目として次のことを書きました。  1. 性格やパーソナリティを捉える方法には、類型論と特性論がある。  2. 類型論の例として「ユングのタイプ論」、特性論の例として「ビッグ・ファイブ」が挙げられる。 こうした特性論的な性格の捉え方は現代心理学が取っている立場ですが、アドラーのライフスタイル論はこれとは一線を画しています。アドラーが考えたライフスタイルとは「その個人に

私たちは相手の性格を知りたいのです。なぜならそれが相手と付き合っていくために役に立つからです。(ライフスタイル論#01)

2017年2月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「自分の関心をコントロールすること」ということで勇気づけの方法について書きました。 今回から、これもアドラー心理学の中心的なアイデアである「ライフスタイル」について書いていきたいと思います。 現代は普通の会話で「性格」「パーソナリティ」「キャラ(キャラクター)」といった単語を使っています。まわりの人をその性格や行動パターンでタイプ分けすることは、昔から行われてきました。おそらく、そうすること

【お題拝借】パセージを受講されたことで変わられたことは何かありますか?/昨今のトランプ関連ニュースを聞いていると非常に複雑な想いです。

2017年2月5日 (日曜日は皆さんからの質問にお答えしています) 今回は「お題」を2ついただいております。 実際に全8回の「パセージ」(野田俊作先生が開発したアドラー心理学に基づく親教育プログラム)を2回受けたという体験は考えるきっかけになりましたね。ひとつはパセージを運営するリーダーによってそのグループの雰囲気や色合いが大きく違ってくること。もうひとつは、グループメンバー同士の相互作用がメンバー自身の成長に関わってくること。 もちろんパセージのプログラム内容そのも

自分の関心をコントロールすること。

2017年1月30日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「勇気づけの操作的定義」ということで書きました。 自分が相手に勇気づけをしようと意図しても、相手が勇気づけられるかどうかは、自分と相手の信頼関係次第です。「こう言えば勇気づけられますよ」というような魔法の言葉はありません。ですので、勇気づけという行為をこのように定義します。 「ある行為をして、その結果、相手が勇気を持てる状態になったとき、その行為を勇気づけと呼ぶ」 これを操作的定義と呼び

勇気づけの操作的定義

(月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 2017年1月23日 前回は「「勇気づけ」ってなんなんですか?」ということで書きました。 勇気づけ(Encouragement)はアドラー心理学のキーワードのひとつです。褒めたり叱ったりすることをやめて、勇気づけをするといいですよ、という主張をします。 そうすると「私は褒められて伸びる人です」とか「叱られて気づくこともあります」という反論を受けるので、こう答えます。 「いや、褒めてもいいですよ。相手が勇気づけられる

「勇気づけ」ってなんなんですか?

(月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 勇気づけ(Encouragement)はアドラー心理学のキーワードのひとつです。褒めたり叱ったりすることをやめて、勇気づけをするといいですよ、という主張をします。簡単に言えば、 「賞罰」によって他者をコントロールするのではなく、「勇気づけ」によって協力関係を作りましょう。 ということです。 このようにいうと、「いや、私は褒められるとすごくやる気が出るんです」とか「真剣に叱られて目が覚めたことがあります。その人に感謝し

マウンティング女子やマウンティング男子に声をかけてあげたくなる。

最近、「マウンティング女子」というのが流行っているらしい。「私の方が格が上」ということを、様々な方法で相手に知らせようとする行動だ。 「マウンティング女子の心理特徴6つと上手に付き合う対処法」という記事を読むと、マウンティングにはいろいろなパターンがあるらしい。こんな感じだ。 ・人にアドバイスをしたがるカウンセラー型 ・自分に自信たっぷりなプロデューサー型 ・「私って全然可愛くないし…」と言いつつ自慢する自虐型タイプ ・自分が会話の中心じゃないと気が済まないタイプ ・思っ

旅行をするのも、スポーツをするのも、ボランティアをするのも、すべて自分を知る機会です。

2017年1月9日 私たちが宿題として与えられている人生の課題は、仕事(Work task)、交友(Social task)、愛(Love task)の3つです。これを、アドラー心理学では、基本的ライフタスク(Basic life tasks)と呼んでいます。 これ以外のライフタスクとして「自己との調和」があげられます。これは自分自身とのつきあい方のタスクです。なぜ自分自身とのつきあい方を学ばなければならないかというと、私たちは自分のことをあまりよく理解していないからです

欠点よりも美徳を探す

「相手のできていないところではなく、できているところを探そう」 「相手の欠点ではなく、長所を見つけよう」 「相手の弱点ではなく、強みを探そう」 というようなワークはいろいろなところで行われているわけですが、わざわざこういうワークをしなければならないのは、「私たちは、どういうわけか、他人の欠点や弱点に敏感である」ということなのだと思います。 ですから「他人の長所や強みに敏感になる」という訓練をしなければならないわけですね。その訓練が実れば、相手を尊敬し、信頼し、協力関係を作

早期回想を自分で読み解けば、自分を勇気づける力になります。

先週の12月23日(金・祝)に産業カウンセラー協会神奈川支部で「アドラー心理学発展講座:早期回想と私的感覚」を6時間のプログラムとして開きました。このプログラムとしては、初公開でしたので、手探りするところもありましたが、受講生からは好評を得ました。 その翌日に、受講生の一人からメールが来ました。自分の早期回想を3つ書いてみて、講座のときにはよくわからなかったけれども、その夜、布団の中でぼんやり考えていたら、「ああ、そういうことだったのか」ということに気づいたのだそうです。

日本産業カウンセラー協会神奈川支部にて「アドラー心理学発展講座:早期回想と私的感覚」を開きました。

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