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子育ては いつまでたっても一年生

子供たちは、春に進級、進学をした。
三年生の次男は、学校大好き勉強は大嫌い、という模範的な小学生。長男は中学に入学して、悶々としながら学校に通っている。
僕は子育て歴12年だけど、毎年新しい事の連続。喜んだり、悩んだり、怒ったり、悩んだりの繰り返し…。子育てに関しては、いつまでたっても黄色い帽子の一年生だ。

長男は、昔からとってもマイペース。テキパキと動くのが苦手というか嫌いみたい。トイレに行ったら10分かかるのはざら。戻ってくると「出なかったぁ」とニッコリ。
ボ~っとすることが大好きだ。

靴脱いでボ~
脱衣所でボ~
ご飯食べ終わってボ~

小さいうちはそれも可愛く見えたけど、大きくなるにつれちょっと心配になってくる。

(学校でうまくできてるかな?)

実際、小学一、二年生の給食は昼休みになっても一人残って食べていることが多く苦労したみたいだ。
「今日、給食でおかわりできたよ」と長男が嬉しそうに言ってくれた日は、それだけで妻も僕も嬉しかった。

長男が通った小学校は1学年1クラスの小さい学校。縦の繋がりが強いアットホームな校風だ。お友達にも恵まれ無事に卒業。春から徒歩30分の少し遠い中学校に通いだした。
同じ小学校出身は2人だけ。入学最初の一週間は緊張しまくり。
毎朝、「胃が痛い」とサラリーマンのようなセリフを言いながら身支度していた。長男は心配事があるとすぐ胃が痛くなってしまう。

そんな長男も段々学校に慣れ、少ないけどお友達もできた。胃痛に悩まされることもなくなった。入りたい部活も決まって一安心。毎日通えて良かったね、と4月の最終日に妻と小さな乾杯をした。

GW明け初日、5/7の夕方。会社で眠気と戦っていると妻からLINEが来た。

-今日、入部届を出したら断られたらしいよ
-(えっ?)
-締め切り4/26だったみたい
-(ええぇ~⁉)

目が覚めた。
中学生なんだから本人の自主性を尊重しようと入学前に妻と決めた。教材費などお金に関する事は「ちゃんと先生に出した?」と確認したが、さすがに入部届の締切まで把握してなかった。

というか、それくらいちゃんと出すだろ!? 
中学生なら!?

いまさら愚痴ってもしょうがないけど、心の中で呟いてしまう。妻からの最後のLINEは、「帰ったら何か言ってあげて」。
難しいボールを渡された。

帰り道、なんて言おうかずっと考えたけど、当たり前の事をキチンと伝えるしかないと思った。ただいま、といつものように二階に上がると長男が宿題をしている。終わるのを待って話しかけた。

- 残念だったね
- うん…

色々話した


- 明日もう一度だけ先生と話してごらんよ
- うん


長男は、引っ込み思案で交渉が大の苦手。
心配はつのるばかりだけど、ここは本人が頑張るしかない。

次の日の朝。
まだ着慣れぬ制服を着て、学校指定の真っ白い靴を履く長男に妻と同時に声をかける。

= しっかりね!
- うんっ


学校に行く後ろ姿がなんだかたくましく見えて、入部が認められるという淡い期待を持ってしまう。
その日の夕方。いつもより早く仕事が終わり電車に乗っていると再び妻からLINEが来た。
「やっぱり、部活ダメだったみたい。今回は残念だったけど、次からは失敗しないように気を付けよう、と言われたらしい。」
先生の正論にぐうの音も出ない。

駅から家への帰り道。頭の中は押し問答でいっぱいだ。

提出期限を確認しとけば良かったのか?
でも、それじゃ自主性が育たないし…
そもそも小学校の時におっとり癖を直すべきだった?
マイペースは、あの子の長所でもあるし…

いくら考えても答えは出ないし、だれも教えてくれない。
仕事は経験を積んだ分だけスキルが上がるけど、子育てはそうはいかない。いつも新しい悩みに直面する。いつまでも、学ぶことだらけの一年生だ。

家に着いたら、なんて声をかけようか…

僕の胃がチクっと痛む。
やっぱり親子は似るんだなぁ(苦笑い)。

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