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「アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~」感想

行ってきました。1月20日夜、見てきました。
鑑賞直後に書いた感想文をそのまま貼ります。
勢いのままに書いているので支離滅裂ですが、その気持ちを残したいので、そのままアップします。

1:やっと自分を許すことができた

アイカツ10thを見てきました
ガチ視聴1時間後の怪文書です。咀嚼してからじっくり書いてもいいけど、これ今のうちに書き残しておかなきゃな、っていうことで書きます。

やっと自分のことを許すことができました。
許す、という表現が適切なのかわからないんですが、やっと自分で自分を肯定できたというか、自分の奥底にある、どうしようもない部分を、すくって手にとって、「頑張ったね」とつぶやけるような、といいますか。
自分がアイカツをリアルタイム視聴していた時期が社会人1年目の本当に本当にしんどい時期だったこともあって、アイカツには並々ならぬ思い入れと巨大感情があるのですが、その時期の自分をようやっと肯定できた……、肯定なのかな、許せるかな?そういう気持ちにしてくれる映画でした。

物語の軸はいちごちゃんたちの卒業ライブ。
スターライト学園を卒業するにあたって、記念のライブを行うというのが映画の主なストーリーです。
ですがそれはあくまで物語のストーリーであって、真に伝えたかったことはきっと他にあると思うのです。それは多分「今を積み重ねた先に、きっと未来がある」ということなのかなと、そう受け取りました。

「頑張ったらきっと夢はかなうよ!」なんて言葉はチープではありながらも、特に少年少女向けアニメではよく語られます。
友情努力勝利でもあり、まあアイカツでも繰り返し描写されていたことでもありますが、それを劇場版では強烈な説得力を以て殴りかかってきました。
劇場版の物語は3部構成で作られて、その構成が説得力を非常に非常に高めているんですね。

前編はいちごたちが卒業を前に「どんな自分になろう」と考えます。
いちごとあかりのユニット「コスモス」の結成、あおいと蘭が卒業後の進路を決めるなどなど。そこからいちごが「卒業ライブをやろう!」と決め、準備に向けて走り出す、という展開です。プラネットとの同時上映で流れた部分と同じかな?
その卒業ライブは最後の20分くらい?でしっかり描かれます。バキバキの3DCGで構成されたさすがのライブ。チュチュ・バレリーナのアレが更にパワーアップしてボッコボコに迫ってくる感じです。そして最終破壊兵器ソレイユな。最高だ。

じゃあ中盤で何を書いたかって……。
マジで「卒業後の彼女たち」が描かれていました。卒業して3年半、22歳だったかな?
いちごと蘭が同居して、そこにかえでとユリカとらいちが来て鍋パーティwith飲酒です。卒業して、大人になって、更に高みで頑張る描写を入れてきました。マジかよ、でした。
前編から中編の移り変わりは唐突でした。「ライブやるぞー!おー!」で始まったから、「お、これはみんなでアイカツ!アイカツ!の流れかな?」なんて思っていたのに、突然静かなピアノをバックに、まるで走馬灯のように、それまでの日々がスッ、スッと静止画で流れていったんですよ。「え?え?え?」でしたよ。
いきなり卒業したし、いきなりあおいさんお見送りの飛行機だし、残されたいちごと蘭の空港だし、「え?え?え?」ですよ。「この映画、どうなるの?」でしたもん。

で、蘭ちゃんさんが赤いスポーツカーを運転ですよ。
「あー、役者になりたかったって言ってたし、無事に映画に出られたのかな、良かったな」とか見てたら、バックミラーにえびポンのストラップついてて、「あれ、これ蘭のマイカー?」ってなって、劇場入りして、「おはようございます」って、え、これガチ大人編開幕!?って。
そこでは相変わらずストイックな蘭さん。舞台の稽古で真剣な表情をして、蜷川幸雄さんがモデルであろう監督(何川監督)からビシビシ指導を受けている姿が。スパイシーアゲハのミューズを目指して頑張っていた姿が重なりますね。そして察する。「あ、これ大人になった彼女たちの物語なんだ」と。
あおい姐さんは留学先で必死に卒論と格闘中。いちごもソロアイドルとしてツアーの準備中。後輩アイドルに憧れの目を向けられたり、スタッフさんと対等にお話ししたり、ああもう立派なアイドルなんだな、と。でもツアーの演出で悩んでいる様子。パイプ椅子を前後ろ逆にして、背もたれに突っ伏して「むー」な表情です。

そう、卒業後も努力の日々は続いているんです。アイドルは大変な道。でも頑張っている。
いちご&蘭の家での鍋パでは、泥酔したユリカ様が「大人なんだから!大人には色々あるのよ!」とらいち19歳にくだを巻く描写もありました。
そう、大人って大変です。未来に進みだした彼女たち。スターライト学園のトップクラスのアイドルとして活躍し、卒業後はアイドルとして、夢を叶えたかのように見えた彼女たち。でも、その先はバラ色の人生ではなく、より大変で、より厳しい世界です。
当たり前ではありますが、そこにいたら気が付かないもの。大学合格はゴールではない。内定はゴールではない。夢の先ではまた競争と努力の日々がある。社会人になった今ならよく分かります。
そして彼女たちはアイドル。アイドルの世界はより厳しいでしょう。ユリカ様もアイドルとして活躍していて、その日々を充実してるようですが、苦労もあるのでしょう。だから酔っ払いたくなるんでしょう。大人になった今だからよく分かります。

でも、心に決めた目標があるから、頑張れる。
鍋パーティの後、いちごと蘭はそれぞれの部屋でそれぞれの仕事で悩み、深夜に共用スペースで鉢合わせ。息抜きに蘭のカクテルを飲みながら、「ここまでこれたんだから」とつぶやきます。
これまでの日々があったから、ここまでこれたんだと、2人……、いや3人で確かめるように。そして別れた彼女たちが一人で聞く曲は……。

で、卒業ライブの描写に戻っていく、というわけです。
彼女たち聞いていた曲は、映画の主題歌「My STARWAY」。ソレイユの新曲であり、卒業にあたって花音さんに作詞作曲してもらった楽曲でもあります。
「時を超えてきっと会えるその日まで がんばる約束」「まだ知らないどんな夢が待っていても この道の先ならきっと大丈夫」という歌詞に込められた、「大丈夫だよ!」という強い気持ちは、3人の誓いでもあり、その道の先で苦しくなった時に、その誓いを思い出すための歌でもありました。

アイカツは楽曲と物語のリンクが強烈と評価されており、特に「カレンダーガール」はその象徴たる楽曲です。イントロの「ドゥーン」を聞くだけで涙腺がぶっ壊れるアイカツファンも少なくなく、もちろんカレンダーガール以外にも、それぞれのファンがそれぞれにそういう曲を持っていると思われます。私にも色々あります。
今回の映画主題歌「MY STARWAY」はその最たるものであり、カレンダーガールに匹敵する……、いやそれ以上かもしれません。アイカツが積み重ねた、いちごやあおい、蘭やそれぞれのアイドルたちが積み重ねた、そしてライブのいちごの言葉を借りるのであれば、「君が」、積み重ねた10年という日々が、ギュッと、ギューッと凝縮された、「きっと大丈夫」というメッセージが込められた曲でした。映画のオープニングとして聞く時と、全てを終え、ソレイユのステージパフォーマンスとして聞く時で、こうも解釈が深まる曲が、これまでにありましたでしょうか。いや、ない。

だって、「きっと大丈夫」だって、「この道の先ならきっと大丈夫」だって、22歳のいちごたちが、その姿を見せてくれているから、これほどまでの説得力に満ちた歌詞はありません。
蘭は堂々と舞台で演じ、いちごはライブパフォーマンスを見事に成功させ、あおいは大学を卒業しています。あおいの通う大学は、「ロサンゼルスの大学」ですから、モデルは世界ランク14位くらいのUCLAじゃないのかなって。東京大学より上です。すげえよあおい姐さん。

もちろんその道の先は決して楽ではありません。でもそこで、「MY STARWAY」のBメロが響きます。
「そっと振り返る私を遠くで見守っていてね」という歌詞は、未来の自分から過去の自分へのメッセージであり、「苦しいことがあるかもしれないけれど、頑張った過去の自分がいたから大丈夫」という、決意と誓いとも捉えられます。大舞台を控えた蘭、ライブの演出で迷ういちご、そして卒論の追い込みにあるあおい。彼女たちが苦しい時、頑張りたい時に聞く曲は、この「MY STARWAY」でした。
過去から未来へつながるバトン。アイカツが体現するそのものでもあります。Aメロでは「昨日の続きみたいに手を振ったさり気なさで 今は誰も気づかないの トクベツになっていく予感」と、今が未来へとつながる歌詞もあります。まさにアイカツ。SHINING LINE*ですよ。

だから大丈夫なんです。どんな未来でも、どんな道の先でも、大丈夫なんです。
大丈夫だよって、彼女たちが、10年間大好きであり続けたいちごやあおいが、蘭が、アイドルたちが、そう伝えてくれるんだから、私たちは大丈夫なんです。

大丈夫なんです。

2:「生きていける」をありがとう

アイカツをリアルタイム視聴していた日々は、社会人1年目。正直苦しいことのほうが多く、いやもう本当に苦しい時期でした。
アイカツ布教記事から引用すると、

夢だった仕事につけたけれど、現実は想像以上に厳しかった。仕事はダメダメ、地方の赴任地にひとりぼっち。長時間労働。人間関係。メンタルはぶっ壊れ、持病も色々再発して悪化して、人生のどん底のどん底にいた。自殺半歩手前だったし、本当に危なかった瞬間は両手では数え切れない。今なおフラッシュバックすることも多い。人生で一番つらい日々だった。

なんて書いています。詳しくはこちらの「5」を見てね
映画を見た1月20日近辺は本当につらさのピークにあった日で、ちょうど鬱病が限界を超えて倒れ、半ば強制的に求職を命じられ、赴任地の雪国から東京駅へと戻っていった日でした。

それから7年が経ちました。
職場が変わり、少しずつ立ち直り、打ち込み趣味が見つかり、友人ができ、今の妻と出会い、結婚し……。本当に多くの出会いと支えに恵まれ、不器用ながら生きることができるようになりました。
それでも根っこの根っこ……、夢半ばというか夢の第一歩で挫折し、力尽きてしまった自分が心のなかにいて、引きずるというか、恥じるというか、そんな気持ちが全くなかったとは言えません。コンプレックスのような、トラウマのような、腫れ物というか……。

つらかった1年目の日々でギリギリで保ってくれたのがアイカツでした。
アイカツとともに何とか頑張り、最終的にはダメだったけれど、踏みとどまることができた、真っ黒なあの日々。
今回の映画と「MY STARWAY」の「そっと振り返る私を遠くで見守っていてね」などの歌詞を通して、その日々がようやっと報われたというか、自分で自分のことを肯定できたというか、認めてくれたというか、なんか、救われたなあって。
やっと「頑張って生きていけるかもな」って、自分が自分に言えるような、なんかそんな気持ちです。うまく言葉にできないんですけど、救われた?認めてあげられた?なのかな?
だから「ありがとう」なんです。これから頑張って生きていこう、って気持ちになれました。まあどう頑張って生きていけばいいのかわからないんですけど、なんだろうね、ちょっと背筋を伸ばして歩いてみるとか、歩幅を少し広げて歩いてみたいなとか……。89話でちまきちゃんがユリカ様に伝えられたアレですよ、きっと。私が一番好きな回です。

3:氷の森の中で

そしてもう一つ、エンディングテーマの「氷の森」。
いちごたちはアイドルとして、これからもどこかで一生懸命、アイカツに打ち込んでいくのでしょう。
でも、「アイカツ!」は終わる。楽しい時間は終わる。氷の森になる。
私達は先に行く。だからあなたも、進まなきゃダメでしょう。そういうメッセージでした。

森は木漏れ日に包まれて温かく、いつまでも過ごしていたい幸せな場所。
でも、凍る。時が止まる。これは終わりであり、でも、温かな場所で過ごした思い出は消えない。
だから未来へ。「きっと大丈夫」な「この道の先」へ、踏み出さなければならないのです。
不安かもしれないけれど、大丈夫だよって、いちごちゃんたちに伝えられたんだから。

何はともあれ、アイカツと出会えて、アイカツを好きになって本当に良かったと、心のそこから思える映画でした。
ありがとう。本当にありがとう。ありがとうの生まれる光です。ありがとう、アイカツ。
先に進もう。未来へ向かって、歩いていこう。今を積み重ねて、未来へ。

アイカツのオタクは非常に重い怪文書を書くといいますが、まあ仕方ないよ、だって重いんだもん……。
いやでもほんっとうに良かった。頑張って言語化したけど、正直「っっっっっっっぁ!」ですよ。
鑑賞前は心臓バクバクで何が来るんだろうって本当に緊張してて、どうなるんだどうなるんだでしたが、過去10年分の巨大感情で思いっきり殴られましたね。
涙は出ませんでした。出る暇もなく浄化されたみたいです。いちごちゃんの「MY STARWAY」前のメッセージで思い出したかのように泣きました。「君が!」っていう二人称がぶっ刺さりましたね。それで救われたなあって。
その後の「氷の森」で、「あ、終わりなんだな」って改めて突きつけられて、でもそれは悲しみとかネガティブな感情ではなく、「終わるけれど、私達は未来へ向かって歩く勇気をもらっているから、きっと大丈夫だよね」って、なんかそんな気持ち。

きっとみんなに、いちごちゃんから、あかりから、アイドルたちから、バトンが渡されたのかも。
だから大丈夫。大丈夫なんです。「大丈夫」って言えるのが、不思議で嬉しいです。

なのかな。そうだよね。
たどたどしい駄文散文失礼しました。映画を見た直後の熱量を閉じ込めておきます。


以上!
間に画像挟んだりなんてことはしないよ!勢いのまま読んでください。

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