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孤独と心 #18(そのゴミは誰のゴミ)

ごく僅かな優しい反応に身を委ねると
一時は気分がいい。
広い世界の中で
ひとりではないと思える。

でもすぐに
それでいいのかという問いが
頭をもたげて
せっかくの和くて温かい空気を
掴んでは別の場所へ放り去る。

思考はまたクリアに
そこにある譲れない心を冷静に育て始める。

外に目をやれば物言わぬ缶の群
缶の数が増えるほど
人の心が離れていくようで
でも自分の心は成長していく。

孤独であることはやはり少し寂しい気もするが
孤独という立ち位置から観える世界に
追究する美と生があるのなら
覚悟した上のその孤独を選ぶしかない。

それをやめてしまうことは
おそらく
迎合するということなのだろう。

芸術に迎合はいらない。

孤独であれ
孤独であれ

それは愛を知らないということではない。
他者を尊重しないということではない。

知った上でそれでも選ぶ孤独
人を信じて 明日を信じて
それ以上に自分を信じて強い心で選ぶ孤独。

そこまで考えを廻らせたところで
どんなものかなと
外の缶に目をやる。

物言わぬ缶の群

当の本人も
そんなこと微塵も
思っていないかもな。

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