婚姻中共同親権を打ち破る共同親権制
びっくりな審判例がシェアされてて判例研究する
仮処分案件は、独特のハードルの高さがある
早速議事録を読んでワクワク
水野委員の指摘がよくわかる
共同親権と共同親権制
このよく似ているけど、まったく異質なものを意識して区別することが大切だと気づく・・・が、およそ無理難題であることも改めて実感する
ゆえに、よく迷う
略して、共同親権と呼んでもいいけど、それは、共同親権制のそれで、単独親権制ではないという意味であることを心がけていく必要がある
戦後の民法改正で、まさに、水野委員がいうように、余りきちんと考えずに機会的に男女平等にしただけ、という表徴が婚姻中共同親権である
夫婦は互いに親権を共同行使する関係にある共同親権者、だ
しかし、実際は、共同親権と呼ぶだけのものであって、特に、なにかを保障するというものでもなく、夫婦である以上、情愛関係があって、ふたりでうまいことするでしょう、と丸投げするだけ
水野委員もいうように、当事者の実力任せ、そのとおりなのである
実力を掌握している側からしたら、そりゃ都合がいい
そういう意味で、婚姻中共同親権、それ自体の拡充を求めるというのもある意味自然な感情かもしれない・・・が共同親権制法改正においては、それを是としない
共同親権(共同親権制)が、共同親権(婚姻中共同親権)を否定するという展開にたどり着くことになる
ある種の自滅を内包しているからこそ、乱れる
共同親権運動が一筋縄でいかないのは、そういうところにある
決して、個々の当事者の人格的な問題ではないというわけだ
単独親権制の罠そのもの
単独親権制は、婚姻と共同親権を紐づけ、子育て世代を、分断する
婚姻中の父母にだけを共同親権とすることで、一見、何か付与したかのような印象づけだけをして、価値があるものかのように思わせ、そのために、この特権の拡充に興味を持たせたり(別姓婚の法律婚化運動とか)、一方で、共同親権を享受しない、離婚当事者や未婚、事実婚関係者については、自己責任という扱いで、問題を取り上げない
離婚しなければよかったのに、と切り替えされていく
分断があることで、一層管理者にとって都合がいい
管理しやすいために分断する
共同親権も、似て非なるものがあるゆえに、求めるものの違いが分断を招く
婚姻中共同親権は、単独親権制のもの
これにこだわるものと
共同親権制を求めるもの
いずれも、共同親権と呼びながら、目指すものが違っていたりする
反対意見を述べる側からしても、敵を見誤りかねないことになる
実力任せになってしまうのは、単独親権制における婚姻中共同親権がまさしくそれである
そこに抵抗していく気持は、逆によくわかる
批判されている共同親権が、導入を求めるそれと違うという現象も起こる
噛み合わないやりとりが展開されてしまうのもそこにある
全ては、水野委員のいうように、戦後のドタバタで、いいかげんに作られた、というように、婚姻中共同親権と呼ぶものを用意したといっても、しょせん、単独親権制にすぎなかったわけで
これを単に拡充しようというなら、そりゃ、実力任せを放任するものとして、忌避すべきが当然である
諸外国が、子どもの権利条約批准後に単純に拡充すればよかった、とは状況が大きく違うわけである
それゆえに、何十年と遅れている始末である
これは、共同親権制の必要を求める立場からも悩ましい
婚姻中共同親権へのこだわりにこそ関心があって、それを守りたい、という依頼を受けても、申し訳ないが、お断りするしかない
共同親権弁護士として、子の最善の利益を実現する養育環境を整備するにあたっては、前提として、個人の尊厳を徹底することにある
それがしやすい、全体的な仕組みを求める活動も応援する一方、個別のケース毎でも、成し遂げたいのは、まさに、それである
個人の尊厳を守るということ自体は、今の憲法の要請でもあることから、単独親権制下であっても両立しうる
ただ、仕掛けがいっぱいなので、罠に気をつけなければならないところが、ハードモードなわけだ
共同親権制か単独親権制か、ともあれ、父がいて母がいて子が生まれるという自然の摂理そのものは変わらないわけだし、乳飲み子があんよをはじめ、育っていく子育ての過程は同じだ
大切に健やかに育てていく
実は、そう大きな差があるわけではない
多くの大人に愛される環境を守っていく
あくまでも、愛されて健やかに、のびのびと、個性を尊重されながら・・・
あなたらしく育てばいいんだよ
そのために役立つ制度が望ましい
あなたらしく、の、その土台には、父がいて、母がいて、両方のサポートに支えられてこそ、チャレンジもしやすかったりする
何らかの事情でハンディキャップのあることもあるかもしれなくても、そのときも同じ
あなたらしく育てばいいんだよ
そういう育ちを応援する子育てを応援したい
共同親権制も、子育て応援である
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