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法制審議会 家族法制部会第3回議事録5質疑~棚村委員・原田委員

議事録読んでいくー第1グループのヒアリング(4人分)が終わったので、質疑

あ、その前に7月30日立川での共同親権研究会西東京Tクロストークのイベント告知

またもハイブリッドするか?なにせ、もう共同親権社会いつでもウェルカムなように、交代監護実践当事者のリアルトークを展開するので!ご期待☆

さて、議事録は?

 以上で4人の方々のお話を伺いました。この後は,これまでお話を頂いた方々のお話の内容につきまして,皆様から御質問を頂きたいと思います。
御質問される方は,まずお名前を言っていただいて,次に,どなたに対する質問であるかということを示していただきまして,その上で質問の内容に入っていただければと思います。どなたからでも結構ですので,お願いをいたします。



○棚村委員 

大変貴重なお話を頂きまして,本当にありがとうございました。早稲田大学の棚村です。貴重な御意見を頂きましたので,端的にお答えいただければと思いますが,お子さんのために今必要な制度,それから法の改正で,既に明石市の市長なんかはおっしゃってくださったと思うのですけれども,特にこういうものが必要ではないかというのをお聞きできればと思います。はっきりとおっしゃっていただけなかった方もいたと思いますので,短い時間でいいのですが,皆さんにお尋ねしたいと思います。
○大村部会長 それでは,各参考人から一言ずつお願いできればと思います。
 

○海野参考人 

 教育もそうなのですけれども,やはり子どもを横道にそらさせないためには,愛情というものが一番根本にあるのではないかと思います。同じ母子家庭で育っても,愛情をたっぷりに与えられたか,仕事が忙しくて子どもの面倒を見ている暇がないか,というような現状の中で,同じように子どもを育てるというのは少し難しい現状があるのです。やはり親の仕事,それで,ダブルワーク,トリプルワークしている人なんかは,子どもの面倒を見ている時間がないのですね,だから,そういう方が余裕が持てるような,やはり愛情を伝える時間をもう少し持てるような仕組みが何かないのかなというのは,常日頃考えているのです。結局ダブルワーク,トリプルワークしないと子どもを学校にも上げられないという現状がある今,この世の中で,やはり子どもはみんな全ての権利を持っていると思うのです。私たちが今回思うのは,全ての子どもが幸せにならないといけないというのを根本に思っておりますので,その基本が日本ではできていないのかなと。やはり金持ち優遇の世界になっているので,そこのところをもう少し,貧困世帯,母子家庭だけではなくて,低所得の方も今たくさんいらっしゃいますし,コロナで解雇になった男性もたくさんおります。そういう人たちが安心して子育てができる社会を作らなければいけないのではないかと思っております。そういうための法律が必要ではないかと心から思っております。よろしくお願いします。
○大村部会長 ありがとうございました。
 では,しばはし参考人,お願いいたします。


○しばはし参考人 

 子どものために何ができるかということに関してですと,子どもに直接何か支援を,もちろん大事なのですが,やはり家に戻ったときに親の顔色を見なくてはいけないような家庭の中でいると,結局子どもにサポートをしても,子どもってやはり親の言うことを聞いてしまったりというところになるので,先ほど御説明したとおり,やはり親の葛藤を下げる,親が争わないための制度というのが必要になってきます。
 具体的に何かというと,先ほど申し上げましたとおり,やはり見ていると調停や裁判で別居前よりも関係が悪化している方々ってたくさんいらっしゃるのですよね。皆さん,離婚をしたい,ないしは面会交流をしたい,いろいろな話合いができると思って調停に初めて臨むわけなのですが,実際,調停の場って取決めありきで,全然気持ちの面を何も聴いてくれない,わだかまりがあるまま,取決めがされてしまった,ますます葛藤が高くなって対立構造が深まる,そうすると決められた面会交流も実施されないというようなことに陥ってしまうので,是非とも調停ないしは離婚協議の場で,これ以上対立構造が深まらないための,それぞれの葛藤を下げるような気持ちの面でのサポートをしっかりした上で取決めをするという,そのフローが制度として行われていくこと,そして,当事者に向けても,離婚届を出しますと,相手と自分は縁を切れるものだと思われがちですけれども,やはり子どもにとってはお父さんとお母さんであるわけですから,もちろん子どもに暴力を振るうような方においては更生プログラムなども必要になってきますが,離婚しても,一人で育てるということだけではなく,二人で育てる選択肢を採っていけるような,その情報提供ないしは,情報だけではなく,知識だけではなく,具体的にどうすればいいのかという気持ちの面に踏み込んだ実践的な方法を知ってもらう機会というのをマストにすること,そこが大事だと考えます。
○大村部会長 ありがとうございました。
 泉参考人は先ほど御要望を頂きましたけれども,特にという点につきまして御発言をいただけますか。


○泉参考人 

端的に2点。1点は,協議離婚制度はもうやめてください。こんな荒っぽいものはありません。少なくとも子どもがいる場合に,子どものことを考えた新たな離婚制度の創設,これはもう絶対必要です。こんな協議離婚が9割を占めるなんて間違っています。
 もう1点,これは無責任な司法から責任ある司法への転換です。例えば調停で面会交流を決めたり,養育費を決めても,守られていません。こんな無責任な司法のまま放置していいわけがありません。司法関係者は大いに反省すべきです。履行確保をきちんと前提とした法制度の変更が必要だと思います。この2点です。
○大村部会長 ありがとうございました。
 それでは,小泉参考人,お願いいたします。


○小泉参考人

 私からも2点挙げさせていただきます。まず1点は,いわゆる親プログラムの拡充です。紛争が高まる前に情報提供をするということが趣旨なわけですけれども,もう少し具体的に申し上げますと,例えば自治体が中心となって,離婚届を取りに来られた方にそういった講座の案内をするとか,若しくはもう少し進んで,条例でそういった受講を義務付けるというようなことができれば,皆さんがある一定の知識を得た上で離婚協議に進めるということが一つ実現できるのかなと思います。
 もう一つは,離婚協議の選択肢の拡充という意味でのADRの認知度の向上です。ADRの仕事をずっと日々やっていく中で,やはり紛争性が高まらずに親族間の紛争を解決する手段としては非常に有用なものだと感じております。ただ,残念なことに,知らない方がたくさんおられますので,家裁という選択肢もあるし,弁護士に依頼するという選択肢もあると,もう一つ選択肢としてADRというものがありますということを周知していただくということをお願いできればと思います。
○大村部会長 ありがとうございました。
 ウェブ参加の方から挙手があるようですが,原田委員,石綿幹事の順番でお願いいたします。



○原田委員 

 弁護士の原田です。今日はどうもありがとうございました。しばはしさんにお伺いしたいのですけれども,お配りいただいたパンフレットの中に,共同養育をした場合のメリットしなかった場合のデメリットという記載があるのですけれども,逆に,通常これはした場合のメリット・デメリットしなかった場合のメリット・デメリットと書かれる場合が多いと思うのですけれども,その辺りについてのお考えを一つ伺いたいのと,それから,しばはしさんと泉さんになのですけれども,しばはしさんも先ほど,精神的DVとかの場合に,非常に相対的で平行線になるので,見極めが重要だとおっしゃっていたと思うのですけれども,見極めることはできると思われますか。それから,泉さんについても,DV事件については例外だと書かれていますけれども,これについて,どのように例外を区別というか,見極めるのかということについて御意見がありましたら,お願いしたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。二つ御質問いただきましたので,まず1問目についてしばはし参考人にお答えいただき,その後,2問目の方に移りたいと思います。よろしくお願いいたします。


○しばはし参考人 

 御質問ありがとうございます。恐らく,この緑のリーフレットのところに書いてある,共同養育のメリット,共同養育しないデメリットということの記載のことでいらっしゃるかと思うのですけれども。
 要するに,共同養育はメリットしかないということを伝えたいというところになっていきます。もちろん子どもに対して身体的なDVでしたり,そういったことを行っているような方は例外にはなりますが,そうではない場合,たとえお父さんやお母さんが怖いという思いをしていたとしても,どこか愛されたい,愛されていることを確かめに行きたいというような思いを秘めている子どもたちもよく話を聞く機会もあります。ですので,まず,共同養育の定義だと思うのですよね。皆さん,もしかしたら,すごく協力し合って,育児分担も毎週交代,共同監護みたいなことが前提であると難しい家庭があるというのも分かるのですけれども,共同養育イコール頻度といった定義付けよりは,私としては,親同士が争わずに,子どもが自由に行き来できるような環境を整えることこそ共同養育に大事なポイントだと考えていますので,そういった定義付けの上での共同養育という意味では,メリットしかないと考えております。
 二つ目の御質問について,私から続けてしまいますと,精神的なDV,相対的評価で非常に見極めが難しいというところになります。我々のところに相談に来られる方も,会わせたくない同居親,会いたい別居親の構図での御相談者って,理由がほぼその精神的DVなのです。浮気でしたり借金みたいな,明らかに相手側に黒があるような場合というのは,相手が謝ってくれるから,何か少し気が済むではないですけれども,人ってやはり嫌なことをされたときに謝ってほしいとか,直してほしいという気持ちが非常に強く,ですので,謝ってくれない,相手はモラハラだということを認めないみたいなところで,より会わせたくないみたいな感情になっていくケースが多い。こちらに来られる方はモラハラといわれている別居親の方々がたくさんいらっしゃるのですが,一緒くたに同じかというと,全然違いまして,中には,それも個人的な尺度になっていくのですが,できるだけ子どものために相手側の気持ちも尊重したいと,思いもある方もいらっしゃいます。一方で,全くその思いがなく,相手は連れ去った,自分は被害者だと言い切るような方もいらっしゃいます。とはいえ,子どもと関わっていく是非については,例えば攻撃的な別居親である場合には,支援団体の付添いを付けるなどして関わっていくという機会を作っていくことは大事だと考えています。そして,実際,本当に相対的という部分があるという意味では,そうですね,自分自身が,自分はモラハラではないということではなく,そう思われているところがどこだったのかというのを正していくという作業も必要になってきますし,更生をするということと並行して,きちんと子どもに対しては関わっていくことが大事だと考えています。
 一方で,同居親側に対しても,ずっと被害者意識があると,逆にモラハラといわれる別居側からずっと追われているという状態になってしまって,離婚してもずっと逃げ続けなければいけないというような人生になってしまうのも,非常に不幸になってきます。そこで,もちろんサポートなどを利用しながら,相手ときちんと向き合うといいますか,子どもに対して親同士として関わっていけるために,こちらの要望を伝えるですとか,そういったものを支援を通してきちんと意思を示していく,モラハラだから子どもを会わせない方がいいという単一的な方程式になるとは私は考えておりません
○大村部会長 ありがとうございました。
 それでは,DVの件につきまして,泉参考人からもお願いいたします。


○泉参考人 

大変大きな論点です。端的に3点ばかり。
 まず大前提として,日本の場合,子どもにも冷たいですが,DVに関してはもっと冷たい国です。お金を全然使っていません。例えば,自治体レベルのDVの相談員も二,三百万円の年収で働かされています。間違いです。明石市では正規職員化して一般行政職並みの給与にしましたけれども,そのお金は市がかぶっています。まず初めに,DV支援に対して今の予算の5倍ぐらいは付けるのが大前提だと思います。
 二つ目です。DVを考えるときに悩ましいのは,例えば明石市,児童相談所も設けましたが,児童虐待ケースもDVと関係しているのが大変多いです。悩ましいのは,いわゆるDV支援の立場に立つのか,子どもの虐待防止の子ども側に立つのかで,やはり緊張関係が生じます。大事なのは,やはりDVの加害者,被害者のみならず,もう一方当事者の子どもという立場に立ち,子どもの意思表明,子どもの利益を擁護する存在がポイントになってくるように私は思います。だから,単純にDVだから即こうとか,DVではないから大丈夫という話ではなくて,やはり子どもの立場に立った丁寧さが要るという趣旨です。
 3点目は,そういったことをするために諸外国の事例を研究して,日本なりのDVに特段の配慮を込めた離婚制度を作っていただきたい,これはお願いでございます。
○大村部会長 ありがとうございました。
 それでは,石綿幹事,赤石委員,落合委員,武田委員という順番でお願いいたします。

          

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