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「COLORFUL FE@THERS -Stella-」を聞いて

本記事は2020/1/20に発売されました『THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Stella-』を聞いた感想記事になります。
※また「THE IDOLM@STER SHINY COLORS」をある程度プレイ済みかつ本CDを視聴済みの方向けの記事になります。

はじめに

シャニマスも他のアイマスコンテンツよろしく、ソロ曲が来たらやばさが段違いだよね(担当でなくとも個々の話を長めに読んで、ある程度思うところが少なからずあるしその状態が他Pともある程度共有されている)と常々他のプロデューサーと話をしていました。そんな中で某病原体が流行り、ユニットCDの発売スケジュールが乱れ、ライブも自粛が相次ぎソロどころかコンテンツの存続が危ないんじゃないかと思っていました。
そんな中、去年の11月頭に開催された配信ライブである「MUSIC DAWN」トリの最新情報で高山Pがブチ上げてくれました。

高山P「ソロ曲を出します」
おか「こんな時勢に…?」
高山P「ノクチル含めた全員です」
おか「ありがとう…」
高山P「1月には最初のCDが出ます」
おか「はえーよ!!!!!!!!」

確かに欲しいとは言ったしノクチルも含めて全員はありがたいけど、早すぎる。もう少し心の準備をさせてくれ。シャニマスアイドルのソロ曲って良くも悪くも重そうなんだからさぁ…。
そんなこんなで悶々としながら試聴が続々とゲームに実装されあーだこーだ言う日も過ぎ、遂にCDが発売されましたおめでとうございますありがとうございます。

という訳で以下トラック順に聴いた感想を述べていきます。曲によって文章量に差があるかもなのはご容赦ください。

プラニスフィア ~planisphere~

歌:Team.Stella(真乃、あさひ、円香、恋鐘、智代子、甘奈、果穂)
作詞:松井洋平、作曲:ArmySlick・Giz'Mo(from Jam9)、編曲:山口朗彦

チーム曲枠です。ここの枠は他のCDとも共通した全体曲かと思っていたのですが、どうやらこのCD内のみのチーム曲のようです。今後も各チームのCDで新しい曲をもらえるのは嬉しいですね。

ファンファーレみを感じるわくわくする冒頭から全体曲として王道な曲調で聞いてて飽きが来ないのがすごいです。大サビの次のパートをあえて一文に留めて、冒頭のファンファーレをフェードアウトして余韻を残す流れなので、連続再生しても曲調が繋がっている感じがします。

歌詞なんですがまずはココですね。

星座盤を空に重ねあわすように
いま、夢に願いを重ねているんだ

チーム名のstellaは「星」を意味していて、曲名の「プラニスフィア」も「星座盤」みたいな意味があるので、この歌詞がとても特徴的です。
「星座盤」を使わないと「星座」が分かりづらいのと、何かしらの「願い」がないと自分の「夢」が分かりづらいのを対比しているようです。
大昔の人が星を繋げて「星座」として意味を持たせたように、自分の中の「願い」がないと「夢」は意味を持ってくれないと読み取り、すごくアイドルソングだなと。あとここの歌詞割り、前半が果穂で後半が智代子と解釈が一致していてすごく良い。まだ小学生の果穂は星座をそこまで知らないから星座盤は必要だし、友達から夢を託された智代子がここを歌ってくれるのがすごく良い。

また2番では同じ箇所の歌詞が以下のように変化しています。

星座盤に描かれてはいなくたって
いま、赤い糸で結び合わすんだ

「願い」という指標がなくても、他の人との縁や結びつきでも「夢」は明確になっていきます。一人一人は精一杯輝いている「星」ですが、「夢」という「星座」を見つけるには自分だけではなく、頼れる人や仲間がいてこそと感じました。

見つけて欲しい わたしたちのstella

作詞良いな~って思ったら松井さんでした。別アイマスコンテンツですが個人的に好きな曲である「Only One Second」や「FIND YOUR WIND!」も作詞してる松井さんでした。そりゃ良いわな。
P.S.「見つけてみたい ジブンだけのstory」の歌詞割りを甘奈にしてくれて…ありがとう…。

ありったけの輝きで

歌:櫻木真乃(関根瞳)
作詞:こだまさおり、作曲・編曲:羊

曲調がイルミネっぽい~~って思ったら作曲・編曲さんが全然知らない人だった。でもすごくイルミネぽいし真乃っぽい。

作詞はシャニマス最初の曲である「Spread the Wings!!」を作詞した方で、初期の作詞さん&コンテンツのセンターということからか、ゲームの題名でもある「輝き」が曲名にも歌詞にも存分に使われています。
歌詞の中の「ありったけ」「せいいっぱい」という表現が、どれくらい強い輝きかは分からないけど、今の自分が出せる全力、な姿が伝わってきてとてもシャニマスっぽさがあります。

それと歌詞が段々上向きになっていくのも良いですね。

ココロに灯るあたたかい道しるべ

夢見るチカラ自分から信じてみよう

夢見るチカラを真っ直ぐ信じてるよ

最初の「ココロに灯るあたたかい道しるべ」でおそらく灯織とめぐるの事が表現されていて、時系列的には「Catch the shiny tail」あたりでしょう。めちゃくちゃ良いイベントコミュなので開放できる人はしてください。
そこから「信じてみよう」「信じてるよ」と自分の中での気持ちが断定に近づいていくのが良い。アイマスのソロ1曲目として始まりに相応しい内容になっています。

星をめざして

歌:芹沢あさひ(田中有紀)
作詞:下地悠、作曲・編曲:三好啓太

1番と2番で曲のメロディが大分違うのがあさひっぽいですね。
全体的な曲調も普段のストレイとはガラッと変わりポップな「中学生、芹沢あさひ」としての曲に感じられました。

歌詞の内容も担当として端から端まで言いたいことはありますが、1点だけ特に言いたいのは以下の歌詞です。

「ねぇ 誰かの気持ちも 動かせる気がするよ」

「たくさんの誰かを 幸せにしたいなと思うから」

以前noteにてあさひを記事にした際に、要約すると「彼女は人間が好きだが、自身の天才性に着いてこれる人がいないので、気づけば一人になっている。でも彼女は寂しいと感じながらも前を向いて走ることしかできない」と書かせていただきました。
執筆時点ではまだGRAD個別コミュが無かったのでここまででしたが、GRADコミュのお蕎麦屋さん&プロデューサーとのやりとりで、人に対する思いやりや心という目に見えない難しい課題をあさひは経験しました。コミュの最後では完全に理解せずとも、プロデューサーを見てどういう行動が思いやりとして捉えられるのか、自分なりの思いやりを考えて行動するなど、大人の私も普段の行いを考えさせられるコミュになっていました。

そんなGRADでの経験を経て出たこのソロ曲の歌詞は、あさひ自身の「人が好き」で「自分から他人に向けての思い」を今の彼女が持っているもので歌ってくれたものだと考えています。
自分が前を向いて楽しみながら進み続ける過程や先で、誰かに届けられる気持ちがあるはずだと歌ってくれたので、とても泣きました。
【空と青とアイツ】のtrueENDコミュ名よろしく、目指すべき場所がちゃんと見つけられたのも感じました。

夢見鳥

歌:樋口円香(土屋李央)
作詞:秋浦智裕、作曲:家原正樹・Jam9、編曲:家原正樹

「アイドルを引退したらアコースティック1本で色んな場所で歌っている」概念が公式になってしまいました。土屋さんもギターを練習しているとかTwitterで言っていたので、ミリオンライブのジュリア(愛美さん)よろしくアコギを担いで歌う円香を是非ライブで見たいです。
あと曲名が円香のwing本選敗退コミュそのもので、変な声出ました。

音楽にそこまで詳しくないのですが、こういうゆったりした伴奏が抑え目な曲はより歌唱力が見られて(聞かれて)しまうかと思います。しかし土屋さんの声の所々ハスキーな感じと伸びが凄くて、聞いててとても心地良かったです。

歌詞の内容はwing編と幼馴染たちについてが全て詰まっています。
しかもソロ1曲目からwing編までの実質アンサーソングみたいになっているので、聞いてて円香の心の吐露を聞いてしまっているようで咀嚼するのにかなり時間がかかりました。ここまでのソロ曲もそうですが、ゲーム本編の話とほぼほぼ繋がった内容で殴ってくるのはずるいです。

何ができるの? この小さな羽で飛べるの?
わからない それでも 信じてみたい

信じる先が何処かは聞いた人によって解釈が色々だと思いますが、歌にのせてそう思えるぐらいの事を言ってくれたのがとても泣けます。

アポイント・シグナル

歌:月岡恋鐘(礒部花凜)
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:本田正樹(Dream Monster)

楽曲としては今回のアルバムで一番好きかもしれません。リズム感が好きで聞いててとても軽快で、元気になれます。個人的には英語やカタカナがひらがなに聞こえてしまうぐらいにほわっと聞こえる声質も働いているのかもしれません。
恋鐘でピアノが強めの曲イメージはありませんでしたが、明るく軽快な感じで弾けば確かにイメージぴったりでした。磯部さんピアノ弾きながら楽しそうに歌ってくれ…。

歌詞は終始「「「恋鐘!!!!」」」といった感じでとても前向きなものばかりで、聞いてて明るくなります。何か困難があってもこの曲を聴いていればなんでもできる気がします。

自身は特技、任せて!

また歌詞の中で今住んでいる街のことを好きになってくれてたり、目的地にたどり着くためにところどころ電車を乗り換えていたり、長崎から上京してきた背景と今いる場所に愛着があるのが感じられます。
その中でもサビの歌詞がとても好きです。

恋に決まった道なんてないよ
キミにたどり着いたら どんなルートもアンサー

上京してから色々と迷ったけれど283プロに来れた経験、一直線に伝える好意、諦めずに目的地にたどり着ければ何でも正解!な彼女の眩しい性格が表れています。本当にメンタルが強い。

チョコデート・サンデー

歌:園田智代子(白石晴香)
作詞:児玉雨子、作曲・編曲:中野領太

園田…ちゃんと…アイドルだよ…と後方腕組みするほどのアイドルソングらしいアイドルソング。作詞に3次元アイドル曲の大手の方を抜擢したのが非常に大きい。めちゃくちゃ可愛い。こんな同級生普通いない。

歌詞は智代子が今までアイドルとして形成してきたスイーツ関連の全てが詰め込まれていて、また話の流れは彼氏彼女の日曜日のデートの話ととてもストレートです。付き合いたてによくある一緒にいたい!かまって欲しい!な気持ちが全開で、これを聞いているシャニ世界の学生はみんな落ちるでしょ。

今日のデザート 食べたら終わっちゃうね
ふたりだけの週末 物足りないな

智代子のアイドルイメージからデザートはとても重要な要素なんですが、それを平らげてしまうとあなたとのデートが終わってしまうと惜しんでいる所が非常にうまいです。チョコが好き!デザートが好き!なキャラ付けはあるのですが、それでもあくまで「普通の女の子」として描かれているのが良いです。
あと音として意味のない「どぅいどぅいどぅ~」を言わせようと思いついたのは智代子みが増して天才です。

Sweet Memories

歌:大崎甘奈(黒木ほの香)
作詞:鈴木静那、作曲・編曲:h-wonder

アイマス世界で多分結婚式とかに使われています。ピアノ+バンドで柔らかな感じなのでそう感じるのかもしれません。自分や知人の結婚式に是非使わせていただきます。
ここまでの曲の中で一番概念度が高い内容の曲です。この曲を歌うまでに至る様々な出来事を噛み締めているような歌詞なので、ゲームをやればやるほど、甘奈を知れば知るほど聞き手が意味を理解して補完されていく感じだと思います。初見で聞いても良い感じの曲だなぁと感じるとは思いますが、既プレイだと作中のシーンが浮かぶので色々駄目です。私は駄目です。

それぞれに大切な意味があることを
そっとそっと あなたは教えてくれた

シャニPとの数々のコミュが浮かんで泣いてしまいました。
元々自己肯定感が弱い甘奈ですが、数々のシャニPとのやりとりや経験から自信が付いて、怖いものに立ち向かってゆけるようになった経緯を知っているので余計にやばいです。

別々の道をゆく その時が来ても
大切に育った時間は 背中を押してくれるから

(おそらく)甜花に向けての歌詞もちゃんと入っていました。しかもいつか訪れる日を想っての歌詞で、それを前向きに歌えている甘奈の成長に泣きました。もう一人の立派なアイドルなんだな…。

ハナマルバッジ

歌:小宮果穂(河野ひより)
作詞:古屋真、作曲:小久保祐希・YUU for YOU、編曲:YUU for YOU

曲調が明るくとても果穂。何というか技術的なことは分からないんですが、果穂みがあります。所々クラップしているような音も放クラ感があって繋がりを大事にしてくれていると感じます。ここまでの6曲もそうなんですが、キャラクターイメージを曲にできるってやっぱり作曲の人達すごいですね…。

作詞の大半は子供視点から見えている世界の景色について。
あらゆるものに意味や楽しさを見つけている様子は、多くの人が子供の頃に通った道で懐かしさを感じますが、果穂にとっては「今」世界が輝いて見えているのでしょう。傘を剣や盾に見立てているあるあるなど、私も昔は色んなものが輝いて見えていたことを思い出し、今はそういう発想が乏しくなっているなと感じ悲しくなる反面、この子の「今」がどうか長く続きますようにと願うばかりです。

長い長い 大人への階段って楽しい

しかし本人は大人になることで色んなものを見たり経験でき、それも含めて楽しいと歌っています。見方一つでもしかしたら大人も童心は持ち続けることが出来るのかもしれないと思わせ、元気を与えてくれます。
あと「アンブレラ・ブレード」の「ブレラ・ブレー」の発音で舌っ足らず感が増し、子供っぽさを感じさせているのは天才だと思いました。

おわりに

箇条書きぎみですがここまで読んでくださりありがとうございます。
冒頭にも書きましたが、シャニマスは他のアイマスコンテンツと違い担当以外でも個々のキャラの素性や内面をある程度知ってしまう構成になっているので、ソロ曲がどれもキャラを把握している分楽しめました。
まだCD1弾の時点で気が早いですが、こういう形式なら喜んでまた購入できそうなので、ソロ2週目、3週目をよろしくお願いしますランティスさん。

残りのソロCDシリーズについても、機会があれば同じような記事を発売後に書こうと思うので、よろしくお願いします。

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