![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141131002/rectangle_large_type_2_56fefea478a3f9fa7f3f9389b800134a.png?width=1200)
税理士の6つのビジネスモデル ①
税理士のビジネスモデル戦略
2024年夏に、ウェルスダイナミクス(起業家の才能診断と視座の分析)とビジネスモデルについての本を出版します。この本では、起業家の神様マイケル・E・ガーバー氏の考え方も多く紹介しています。
全10章の本ですが、第4章のビジネスモデルについての箇所を先行して紹介していきます。
この章は2019年にnoteに書いた記事がもとになっています。
https://note.com/koganeman/n/n16bee15b9052
この記事が、好評でしたのでいつか本にしたいと思いながら、ウェルスダイナミクスをきちんと勉強したことをきっかけにまとめ直しました。
2019年からは、コロナ禍によるテレワークの一般化、AIの進化などでビジネスモデルにおける環境も随分変わってきています。
この前の章までは、個人の才能を最大限に活かし、どうやって正しい選択と正しい努力をするのかについて書き、ここからは、個人の才能を活かすビジネスモデル戦略について考察します。「戦略」という言葉には様々な定義が存在しますが、ここでは「企業を成長させるための方向性」と定義します。
個人はドライバー、企業は自動車
企業はしばしば自動車にたとえられます。個人をドライバーに例えた場合、スピードを出したいのか、山道に強いのか、安全運転が心地よいのかを知ることが重要です。これらの個性を理解し、それに合った自動車を選ぶことが、企業レベルでの成功への鍵となります。例えば、安全運転を重視する人はフェラーリよりもファミリーカーを選ぶべきです。それによって、望む方向へより確実に進むことができるでしょう。
スタート地点は同じなのに結果に大きな差が出る理由
私が独立して開業した頃、同じく独立した仲間たちの進んだ道は様々です。中には巨大な税理士法人を築いた人もいれば、私のように従業員数を5人程度から縮小し、最終的には実質的に税理士業をやめてしまった人もいます。スタート地点は同じであり、税理士試験に合格したのも同時期なのに、何故こんなにも違いが出たのでしょうか?
自分はどんなドライバーでどこに向かいたいのか
その差は、初期段階で「自分はどんなドライバーで、どこに向かいたいのか?どの自動車に乗るべきか?」を決めていたかどうかにあると考えます。私は自分を知らず、何も決めずにどんな仕事でも受け、忙しくなると人を雇う、という繰り返しでした。
私は約30年前にカナダの会計事務所で働き、その後外資系事務所でも勤務しました。当時は英語力とPCスキルが高く、いわば特殊技能を持つドライバーでした。本来であれば特殊車両に乗り、未開の道を行くべきでしたが、普通のファミリーカーを選び、社員を乗せて渋滞する一般道を選んでしまいました。慣れない運転に疲れ果て、結果としてひとりに戻りました。
6つのビジネスモデル
ここでは、税理士事務所を例に、向かうべき方向と乗るべき自動車である、ビジネスモデルをタイプ分けしてみました。
個人事業の税理士事務所から全国規模の税理士法人まで、次の6種類のビジネスモデルに分類してみました。
このビジネスモデルは他の事業にも応用できると思います。
① フリーランス型モデル
② ひとり社長型モデル
③ バランス型モデル
④ 専門特化型モデル
⑤ 工場型モデル
⑥ エンタープライズ型モデル
3階層の事業体 「プラクティス」の数が売上を決める
それぞれのビジネスモデルについて説明する前に、事業体の成長過程に触れたいと思います。
私が翻訳したマイケル・E・ガーバー氏の著書『あなたの中の起業家を呼び起こせ!(エレファントパブリッシング刊)』の中で、企業の成長を
「プラクティス」
「ビジネス」
「エンタープライズ」
の3階層で説明しています。
「プラクティス」は、英語で、練習などの意味のほか、医業などの「専門職実務」のことを指します。士業の場合は、法律で定められた独占業務を含む顧客対応や公的書類作成業務が該当します。
「プラクティス」が集まったものが「ビジネス」です。営業・総務・経理などの人数は、事業規模に比例しませんが、プラクティスの数に正比例して事業規模は大きくなります。「プラクティス」の数が売上を決めます。
「ビジネス」が集まったものが「エンタープライズ」です。多拠点で事業を展開するような規模の大きな事業体です。M&Aなどで「ビジネス」の数を増やすことで「エンタープライズ」の売上は指数関数的に増大します。
![](https://assets.st-note.com/img/1716106489074-qJ97TKbbZb.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716106497518-t7hmCBssFC.jpg?width=1200)
つまりプラクティスとは、事業体の最小単位です。
このプラクティスの数をどう増やすのか、あるいはプラクティス単位の売上をどう増やすのかが、ビジネスモデル戦略になると考えています。
次回からは、それぞれのビジネスモデルについて説明していきます!
2024年初夏に出版予定!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?