近藤 学 税理士/会員制ソフトウエアダウンロードサービス運営
大学生の時に実家の経理を手伝いパソコンの会計ソフトを使ってから35年間、様々な会計ソフトを使い、ITバブル時にはドコモのimodeを使ったクラウド会計的なものを開発したり、会計ソフトメーカーにご意見番として助言してきました。 そんな会計ソフトの生き字引が、独自の視点で会計ソフトについて語ります。
2024年夏に刊行予定の本 全10章から第4章の士業のビジネスモデルの部分を、抜粋し、若干加筆しています。
速読とは、遺跡を発掘する作業のようなものだと思う 著者としての経験から、200ページのビジネス書の中で、著者が本当に書きたいことは10ページくらいだと思う 10ページの本は出版できないので、色々な関連する項目や、エピソードを加えながら200ページの本にする。 残りの190ページはその10ページのためにあると言っても過言でない。 速読とは、その10ページを探すためにあるのだと思う。 まえがきから1章2章と順に一字一句精読することは著者としては嬉しいが、本当に著者が書き
会計ソフトを選ぶ基準 最近、独立直後の方の相談に乗る機会がよくあります。 税理士が開業するに当たって会計ソフトと税務ソフトは必須なのですが、それを選ぶ基準として 勤務時代と同じシステムを使う コスパの良いものを選ぶ 先輩の意見を参考にして選ぶ 戦略的に選ぶ などが挙げられます。 4.の戦略的に選ぶ人以外は、どれを選んだところで一緒だと考えているのではないかと思います。 独立時の会計ソフト選びでその後の運命は変わる しかし、独立の時に選ぶ会計ソフトによって、そ
日本には中小企業向けの会計ソフトは、メジャーなものだけで20種類以上存在します。他国に比べて異常な状態です。なぜこんなことになっていて、クラウド会計登場によっても、簡単には構図が崩れない原因について考察してみます。 会計ソフトの分類を「クラウド会計」対「それ以外」という対立構造ではなく、「科目コード必須型(鎖国系)」対「科目コード不要型(グローバル系)」という構造で考えないと日本における会計ソフトの異常な乱立状態を説明することは出来ません。 私が考える会計ソフトの分類は大
昭和の時代、税理士事務所は工場だった 昭和の時代、私の記憶にある税理士事務所は、駐輪場にスーパーカブや自転車が並び、職員が顧問先を回って資料を回収し試算表を納品するというスタイルでした。 まだパソコンが世の中に普及する前、税理士事務所では、顧問先企業の振替伝票を、ベテランキーパンチャーがものすごい勢いでオフコンに入力していました。税理士事務所の前を通るとバチバチとキーボードをたたく音が響いていました。 高度成長期の名残のある規格大量生産の時代、税理士事務所はまさに工
専門特化型モデル ブルーオーシャン 高単価 圧倒的な供給不足 バランス型モデルの業種特化が、再現性を重視した業種特化であるのに対し、専門特化型モデルは、国際税務、資産税、事業承継、組織再編税制など高度な知識やスキルが必要な業務を専門に扱うモデルです。競合が少なくブルーオーシャンで戦え、高収益になります。 ブルーオーシャンにいることの2つの強みは、高単価を提示できることです。需要と供給のバランスで供給が圧倒的に少ないため高価格になります。お金を生み出すユニットである「プラ
今年の夏頃出す、ウェルスダイナミクスとビジネスモデルの本の全10章から第4章のビジネスモデルの部分を抜粋加筆してチラ見せしています。 バランス型モデル 小成功者 小成功者としての理想像 今回、約40名の税理士にインタビューしたところ、現状で、一番多かったのがこのバランス型モデルです。将来的にもバランス型モデルが良いという人が多い結果になりました。 フリーランス型から始まり、顧客対応のできるスタッフを雇用することで複数の「プラクティス」を持つことで「ビジネス」レベルの事
今年の夏頃出す、ウェルスダイナミクスとビジネスモデルの本の全10章から第4章のビジネスモデルの部分を抜粋加筆してチラ見せしています。 複数ビネスの組み合わせで年商1億円 先に述べたように、フリーランス型モデルは、ひとつのプラクティスしか持たず、自分のキャパが事業のキャパとなるため、年間売上2000万円から3000万円が上限となります。 ひとり社長型モデルは、雇用はしませんが、士業本業のプラクティス以外に、複数の事業を組み合わせます。合せ技で「ビジネス」レベルの事業体とな
①フリーランス型モデル 自由人 ひとつ目のビジネスモデルは、フリーランス型で自由人と名付けました。 雇わない雇われない働き方です。 独立開業すると普通はこの段階から始まります。プラクティス(専門職実務)をひとつだけ持つ事業体です。顧客対応や公的書類作成というプラクティス以外に、見込み客の創造・営業とクロージング・総務・経理を、自分ひとりかパートタイマーや外注を雇って行います。 メリット 最大の、メリットは、自由であること。全ての決定権を持ち、人目を気にすることなく好き
税理士のビジネスモデル戦略 2024年夏に、ウェルスダイナミクス(起業家の才能診断と視座の分析)とビジネスモデルについての本を出版します。この本では、起業家の神様マイケル・E・ガーバー氏の考え方も多く紹介しています。 全10章の本ですが、第4章のビジネスモデルについての箇所を先行して紹介していきます。 この章は2019年にnoteに書いた記事がもとになっています。 https://note.com/koganeman/n/n16bee15b9052 この記事が、好評
現在私は、こがねむしクラブという会を運営して約220名の会員さん(ほとんどが税理士)に、資金繰り表や損益予実などのツールをサブスクリプションで提供しています。https://koganemushi.jp/lp/ もともとプログラミングができなかった私が、今ではVBAで作ったプログラムを量産しています。 そのスタート地点を忘れていたのですが、Facebookの「あの日の思い出をふりかえってみよう」に以下のような投稿が上がってきました。 これ以前は、マインドマップのトニー・
15年くらいまえに、面白いと思って取り組み始めたことが、今ほぼ当たり前になっているので、5年から10年位先のことを妄想してみました。 15年前にやりはじめたこと・記帳代行→名南経営の上海入力センターへ依頼 ・顧客とのやりとり→Mykomon ・会計クラウド化→オリコンタービレのフロンティア21と発展会計 ・リモートデスクトップで顧客のPC操作(経営革新計画取得) 10年前にやりはじめたこと・スタッフのテレワーク化 ・Dropboxで顧客とデータ共有 ・Adobe
私が1987年頃、最初に使った会計ソフトはNEC PC9800用のザ・パソコン会計(PCA会計)でした。 実家の経理の手伝いをしていた頃、ミロク経理(MJSの前身)の500万円くらいする会計オフコンがありました。その後ミロク経理が倒産しNECの98でPCA会計を使い始めたところその使いやすさに驚愕しました。値段はオフコンの数十分の1なのにはるかに使いやすい、そこから私はパソコン会計フリークになりました。 twitterでたまに過去の会計ソフトの歴史に触れると面白いと
前回コロナ後の税理士事務所業務で記帳代行の復権と予測しました、今回は、細部に突っ込んで税理士事務所の会計業務のビジネスモデルを分析することによりその根拠を示すことを試みました。 1・古の記帳代行の時代 私が最近行っている記帳代行の流れはつぎの4つの要素に分解することができます。この後、この4つの要素を用いて考察してゆきます。 従来の人力による記帳代行はキーパンチャーが①から④まで全ての作業を行っていたことになります。 従来の人力による記帳代行の流れ いにしえのJD
I. 自計化がオワコンになる? 私がこの業界に入って30年近くなります。 それより10年ほど前は、まだパソコンが普及しておらず、高価な会計専用機でベテランのおばちゃんキーパンチャーが、バチバチと音を立てて、凄まじい速度で会計入力するというのが税理士事務所のビジネスモデルでした。 その後自計化と顧客訪問というTKCモデルが業界のスタンダードになってゆきました。 そのTKCモデルが3つの要因で今崩れつつあります。 1.Google検索とSNSの普及 2.freeeとM
税理士とテレワークについて思うこと 2008年秋に、京都市内にあった事務所を閉じました。その時3人いたスタッフのうちふたりは請負契約で在宅勤務になってもらいました。それが2016年まで約8年間続きました。 私は京都市内からも大阪市内からも40分の自宅から徒歩1分のところにある学習塾が入っていた一軒家を事務所にしました。 そこに至った経緯については、「税理士事務所敗戦記」に赤裸々に書いています。 https://note.com/koganeman/n/ne84cb51d
いつかブーメランのように自分に帰ってくるんじゃないかと思い、今年は、「毒を吐かない、disらない」ことを目標にやっていこうと思います。 正月早々、オグ・マンディーノの世界最高の商人を読み、ドラマ3年A組の菅田将暉を見てその思いを強くしました。 さて、今回は業界で話題のRPAについて、税理士とソフト開発者の視点で毒を吐かないように考察してみたいと思います。 結論からいうとRPAの将来性は高いと思います。実は、RPAという言葉が普及する以前から、「会計ソフトから法人税