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『第二章*十日間のサバイバル生活』



 三月十二日の朝、私達は目的地を目指してあるきはじめた。
呑気に朝ご飯を作って食べていたら
潮が満ち、本来行くはずだった海沿をあるいていくルートは困難と判断した。
しかし立ち止まるわけにもいかず、仕方なくもう一つのルートがあるであろう、ジャングルへ突入。

見たこともない景色に
見たこともない植物。

ワクワクで足取りは軽く、
どんどん傾斜の酷くなる山道も、海の見える断崖絶壁の道も、ただただひたすらに進んだ。

とはいっても妊娠七ヶ月の私は荷物は持てず
旦那は先に私の荷物を持っていっては戻り、更に自分の荷物ももって進むという鬼のようなトレッキング。

平地も殆どない山頂、
そして終わりのないジャングル。

汲んできた湧き水も残り後少し。

「このまま日が暮れたらやばいね。。。」

暗くなるまでになんとかテントを張れる場所に辿り着いていたかった私達は、なんとか砂浜にでられるような道を手分けして探した。

奇跡的に海へ辿れそうな沢を見つけた。


「ここ降りていったら、絶対海に繋がってるよね!?!!」

直感を信じて沢をくだっていくと

やはり海!!

「「ヤッターーーー!!!!!!!!!!

うみだーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」」

ついに海を見つけた!!!


目の前に立ちはだかる
びっしりのアダンというとんでもなくトゲトゲの植物(アロエを巨大化したような、しかもそれが全てトゲトゲという!!)も雄叫びをあげながらなんとかクリアし笑、待望の美しい海。

そしてラッキーなことに、なんと丁度潮がひいているではないか。

ありがたく浜を歩いたり
浜がない所は 海に浸かったり

西表島の自然を堪能しながら
一先ず 水が汲めそうな場所と
今夜テントがはれそうな場所を探した。


テントがはれそうな場所が見つかったときには辺りは薄暗く、
旦那は山に湧き水を汲みに、
私は米を炊く準備をした。

みんなでテントを張り
今日の寝床も確保することができ一安心。



「麻美、からだは大丈夫?」

「大丈夫。
今日は疲れたね〜。」

とご飯を食べながら、

たわいもない話をしていると
旦那は何故か声をあげて子どものように大号泣。笑

乱麻はそんな父ちゃんに

「 イタイの ??? 」

と 不思議そうに
顔を覗き込んで聞いた。



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