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建設系(社会基盤学科・都市工学科・建築学科)3学科対談【前編】

6/10に駒場生向けに、工学部建設系3学科(社会基盤学科・都市工学科・建築学科)で対談・先輩への相談会を開催しました。こちらは、対談パートを一部編集し、前編・後編に分けて記事に起こしたものです。
前編では、各学科の1日や、学科での活動の様子を写真を交えてご紹介します。(後編はこちら

福谷(全体司会)建設系3学科は扱う領域が似ていて、私たち自身もお互いのことをよく知りません。本日の企画は駒場生向けに、対談と「先輩と話す会」の2部構成で、3学科の共通点・相違点を明らかにしていこう、というものです。それでは、対談の司会の俵くん、お願いします。

俵(司会)建築学科4年の俵健太郎です。各学科の1日を見て、写真などを使って思い出を振り返っていこうと思います。進学後も、お互いの学科が何をやっているのかわかってないので、実際どうなの、というところを話していこうと思います。今日は社会基盤・都市工・建築の共通点・相違点が丸わかりということで、各学科、B3・B4から1人ずつ、合計6名に来てもらいました。

<自己紹介>

増永(社基)社会基盤学科Bコース3年の増永裕太です。よろしくお願いします。僕の興味は、主に経営・マネジメントです。好きな社会基盤はスペイン・セゴビアにある古代ローマ時代の水道橋です。

山田(社基)社会基盤学科4年の山田春佳です。水圏グループの河川研究室にいます。好きな社会基盤は、四国にあるアーチがとても綺麗なダムです。よろしくお願いします。

尾方(都市環境)都市工学科都市環境工学コース3年の尾方瑛です。好きな河川は加古川。演習で水質の解析を行なっていたので、思い入れのある川です。

山田(都市計画)都市計画コースから、都市情報安全システム研究室、主に防災を研究しています、4年の山田拓実です。まちづくりに関わっているので、富山県魚津市が好きです。よろしくお願いします。

木島(建築)建築学科3年の木島凪沙と申します。好きな設計は安藤忠雄設計の光の教会です。よろしくお願いします。

藤堂(建築)建築学科4年の藤堂雅也です。千葉研という、意匠系研究室です。中川エリカさんの、ヨコハマアパートメントが好きです。よろしくお願いします。

<各学科の1日・活動紹介!>

俵(司会)それでは対談に入りたいと思います。皆さんがどんな生活を送っているかということで、1日のスケジュールと、今まで活動してきた写真を用いてお話ししてもらえたらと思います。まず社会基盤学科の1日について、増永くんお願いします。

社会基盤

増永(社基)これは火曜日の1日です。月曜と木曜は座学授業のため完全オンラインですが、火曜は4・5限で演習があるので、対面授業が行われています。
水曜日は基礎プロジェクト2・3・4があります。2はコンクリートとマネジメント、3は地盤と橋梁、4は河川と海岸の演習です。
特に2の入札が盛り上がります。このように、コンクリートをグループごとに練りまして、架空の工事を発注するスリリングな演習になっています。
また、社基は学科の仲が良いことでも有名です。

当日用スライド (1)

俵(司会)学科仲が良いということで、その点、山田さんいかがでしょうか。

山田(社基)旅をするのが好きな人が多く、コロナが流行る前にみんなで福島に行きました。ダム巡りやドライブもよく行きます。

俵(司会)非常に仲がいい学科という印象を受けました。では都市計画コースの1日について、山田くんお願いします。

山田(都市計画)全ての授業はオンラインになるんですけど、グループの議論が必要なものは、一部対面を取り入れています。ここでは本郷に行った日を取り上げています。

都市計画

1限はまちづくり論で、都市工の中でもソフト面に重きを置いた授業です。コミュニティをベースに都市について考えていきます。2限は教養学部の授業です。都市工は必修が演習しかないので、他学部や他学科の履修がしやすいというのが大きな特徴です。
今日一番お話ししたいのが、3限と4限にある演習の授業です。大変ではあるんですが、都市の計画や設計を通じて、交通、住宅、デザインなど、講義で学んだ都市に関する断片的な知識をつなげることができます。
5限に関しては、都市工学輪講と書いていますが、研究室単位で行われるゼミのようなものです。実際に研究室に配属されるのは4年生になってからですが、研究室でやっているプロジェクトに関わったり、授業とは違う形で先生と関わったり、議論したりできる場です。

当日用スライド

この図が、演習で作った都市空間構造図というものです。実際に計画をつくる上で大事になる図です。都市のどのような場所にどのような機能を強化させるのかだったり、どういうふうに移動を促進させるのかだったりを考えています。

当日用スライド (1)

上の写真が、都市工に入って一番最初にやる設計演習の模型です。設計演習は、小さな地区を対象として住宅を建てるという演習です。

俵(司会)スケールが大小様々ですね!次は、都市環境工学コースの尾方くん、お願いします。

尾方(都市環境)都市環境工学コースの1日を紹介します。3Sでは実験が木曜日と金曜日の午後にあって、そこだけ対面で、それ以外はオンラインの授業となっています。

都市環境

これは木曜日の1日です。
午前中は講義があります。都市工学科の中でも、計画系の講義と環境系の講義に分かれていています。都市環境工学コースの人で計画系の授業をとってる人も多いです。
午後に3-5限で実験があります。3Sで基本的な環境指標の測定方法を勉強して、3Aでより実践的な実験をするという流れになります。理系の人は、前期課程の化学実験をやったと思いますが、それと比べると、水質の解析などの環境に特化したものをやっていくというイメージです。
今年は感染症対策として、班ごとに隔週で実験を行ったり、実験の時間を前後で分けて入れ替わりでやったりしています。時間割上では5限までとなっていますが、17時くらいに終わることも多く、実験があるからといって長い時間拘束されるわけではないです。

都市環境工学コースでは実験の他に火曜日の3・4限で演習の授業があります。パソコンを使った解析やグループワークなどをオンラインでやっています。

当日用スライド (3)

この図は、1ヶ月前に河川の汚濁負荷の解析をやったものです。対象とした河川流域の土地利用区分を表す図で、利用区分ごとにどういう物質が河川に流れやすいかという解析を行いました。

俵(司会)こういう地図が自分で作れるのは楽しいですよね。最後は建築学科の1日ということで、木島さんお願いします。

当日用スライド

木島(建築)これは3年生のS1タームの木曜日の授業の紹介です。建築学科の3年生のS1タームでは、月・木が対面授業日で、それ以外の曜日の授業は全てオンラインです。
この日は、午後に建築設計製図という、いわゆる設計課題の授業がありました。設計課題とは、設定された敷地に設定された機能を持つ建物を設計して、最終的に、講評会で模型やプレゼンボードというものを使ってみんなにプレゼンするという授業です。普段は製図室で作業をしています。ここでは劇場を設計しました。2年のAセメスターから、インテリア、住宅、劇場とだんだんスケールアップして、徐々に大きなものを設計するようになっていきます。毎回すごく楽しくやっています。以前は製図室が常時開放されていて一人一つ机がもらえましたが、今はコロナの影響でそうはいかなくなっていて、製図室も授業外の時間は使えなくなっていました。
S2タームからは授業時間外でも製図室を使えるようになるらしいので、楽しみにしています。

俵(司会)1日の内容が充実していて、すごい後輩だなと思いました。藤堂さん、これらの写真についてはどうですか。

当日用スライド (1)

藤堂(建築)左の写真は、さっき説明があった設計製図の課題で作ったものを元に、学外のコンペ(作品展)に出展したものです。このように模型を作って自分の設計をプレゼンするのが設計演習になります。
右の写真は、今年の五月祭に向けて、4年の有志で設計制作していたパビリオンのモックアップです。ここでは、デザインコンペの企画から、構造解析、コンクリを自分で打つなど、全部を自分たちで体験しました。

俵(司会)ありがとうございます。模型がすごく大きくて、びっくりしました。

<学科を一言で表すと?>

俵(司会)ここまではみなさんの1日のスケジュールを見ながら、学科の思い出の写真などを振り返ってもらいました。ここからは、それらを総括して、<学科を一言で表すと?>ということで、みなさん「どんな学科ですが?」と聞かれたら何と説明するか、一言ずつもらっていきたいと思います。
では、まず社会基盤学科の山田さんお願いします。

当日用スライド (1)

山田(社基)みなさん想像している通り、社会基盤学科は橋などの大きな土木を対象とします。しかしそれだけではなく、もっと全体的に「景観」「まち」「交通」さらには国際的な視点から考えたりなど、まちづくりに関連することならなんでもできる学科です。実際に設計することもできる学科なので、自分の住んでいるまち、知らないまちを、「こうした方が良い!」と自らの意志によってアレンジできるところが社会基盤学科の特徴かな、と思います。

俵(司会)なるほど。作れるものが多様なのが特徴ですね。
では、続いて都市計画コースの山田くんお願いします。

当日用スライド

山田(都市計画)最初は漠然と、「自分の好きなまちに関わってまちづくりできるかな」というふうに思っていましたが、実際に都市工でいろいろなことをやって、(詳しくは後半のBRできいてくれればと思いますが)都市に対してデザイン、計画、コミュニティ、防災、緑、住宅などなど、本当にたくさんの視点から学べました。「自分の生活に直結していることが感じられた」ということをスライドに書きましたが、都市というのは様々な要素からできていて、その都市に対して、様々な側面からアプローチできて、今よりも一層視野を広げられる、そんな学科です。

俵(司会)ありがとうございます。続いて、環境コース、尾方くんいかがでしょうか?

当日用スライド (4)

尾方(都市環境)自分は進振りの時は、漠然と環境問題を勉強したくてこのコースを志望しました。実際に入ってみると、「環境問題」ときいてパッと思いつく、地球温暖化と言ったテーマももちろん扱いますが、それだけではなく、水質、大気、上下水道、海・湖の水質、公害とか、生活に直結するような、より身近で、日常に大切な環境もよく扱っているな、という印象を受けました。「環境」と一言で言っても、かなり幅広い分野を取り扱っている学科だな、というふうに思っています。

俵(司会)「環境」というと難しい言葉ですが、具体化されていて非常に分かりやすかったです。
最後に、建築学科の藤堂さん、お願いします。

当日用スライド (3)

藤堂(建築)スライドには、「建築設計を通じて人と社会を考える学科」と書きましたが、僕は元々、空間演出とか、微視的なデザインとか、そういうことに興味があって、建築学科ならそれらができるのではないかと思って志望しました。入ってみると、もちろん意匠とか空間配置も重視されますが、それらと同じくらい、構造、設備、歴史など、建築や人にまつわることも、いろいろな視点から勉強できると感じました。単なる空間とか形、デザインではなく、その先にある人とか社会のことをよく考えている学科だと思います。

俵(司会)確かに。僕も建築学科ですが、まさにその通りだと思います。

対談は、後編に続きます。後編では互いの学科への質問大会と視聴者の皆さんからの質問の回答を紹介します!

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