見出し画像

感動って、何かね(KOGADOの冒険ワークショップ vol.20 理念に絡む難しい話のように見えて)

いきなり固そう

北川:
 うちの会社の企業理念って知ってる?

編集長:
 感動を届ける?

北川:
 そうそう。私たちの「表現」する創作物を通して、全世界の人たちに「感動」を提供する。

編集長:
 そうでした。

北川:
 他の企業さんのも見てみようか。

編集長:
 海外の企業はあまり理念を設定しないんですかね。ウィザーズ社を調べてみたんですけど、見当たらなかった

北川:

任天堂はこれからも「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神を大切にし、時代に合わせて自らを柔軟に変化させながら、当社の強みを活かしたユニークな娯楽を提案することによって企業価値の向上に努めていきます。

任天堂公式サイト

 任天堂さんの社長メッセージでは、「独創」という言葉が協調されてるね。

編集長:
 なるほど

北川:
 うちだけじゃなく、タイプの違う事業をやってる会社は、一連の言葉にまとめるのは難しいね。

編集長:
 最近GERAというラジオをよく聞いているので、運営会社さんを調べてみました。
「プロシューマー・ハピネス」だそうです。

北川:
 へえー。プロシューマって言葉がなかなか新しいねw(と思ったのですが、言葉自体はかなり古いもののようです)

編集長:

情報社会の経済活動にとって重要な役割を果たす人々を「プロシューマー」と呼ぶことにしました。

株式会社ファンコミュニケーションズ 公式サイト

 ということは、消費も生産もする、経済の中心にいる人にフォーカスしているんですかね?
 となると、当社や任天堂さんとは違いますね。任天堂さんはあくまでも提供する側だし、当社は、ユーザーとクリエイターのどちらもが豊かになる、その結果当社も豊かになる、みたいな感じだし、あれ、みんなちょっとずつ違うか。なかなか面白い。

北川:
 感動提供か・・・うーん。広いな。

そういえば、見ました。

編集長:
 そういえばこの前社内で、感動を見ました。

北川:
 お、なになに

編集長:
 社内のイラストレーターさんが描いた絵が大きくボードに印刷されたものが当社に届いて、それを見た新人のイラストレーターさんが、すごい………!!!!!!!!って言葉を失っていた。

北川:
 へえ、感動してたのか。

編集長:
 結構おっきなサンプルだったので、描いたご本人も持って帰るか、会社に飾るか悩んでおられて、

北川:
 ふむ

編集長:
 新人さんにせっかくなら頂いたら?って提案したら、いいんですか……?って恐る恐る確認してて。

北川:
 どうなったの?

編集長:
 絵を担当したイラストレーターさんも、もちろんどうぞ!ということで、新人さんは自分のデスクのど真ん中に飾ってました(笑)

北川:
 へえー、てかおれも欲しい!

編集長:
 元の絵がいいのはもちろん、印刷も彩色がすごい綺麗で、もちろん私も欲しかったですけど、新人さんがファンだと言っていたので、譲りました。

北川:
 なるほど。「感動をしている人を見ました」と。

編集長:
 そうそう

北川:
 すごく感動したんだろうね。本人にしかわからないけど、きっと。

前なのか、上なのか

北川:
 しかし感動ってなんなんだろうね。なんで人によって違うんだろうね。

編集長:
 経験が違うからじゃないですか?

北川:
 経験?

編集長:
 例えばイラストでいうと、制作の大変さとか、想像もつかないような出来栄えとかに感動するんじゃないですかね。

北川:
 んー、絵で言うと、絵に触れている人の方が、より感動できやすくなるんだろうかね。「こんなの描けない」とか「見たこともない」とか。

編集長:
 ……ということは、たくさんのコンテンツを見過ぎたら、ちょっとやそっとじゃ感動しなくなる?

北川:
 想像したうえで、「その上」である必要があるんだろうか。
 しかしさ、未開の地、いままでCGをみたことないところで生まれ育った人が(そんな人いないと思うけど)、氏の絵をみたら、なんか感動しそうな気がするんだよな。「うおーなんだこれ、すごい!」って。

編集長:
 そもそも、現代の子供からするとドット絵は新鮮で最先端らしいですよ

北川:
 白木澤さん(元工画堂のグラフィッカーさん、PD1など数多くの作品で参加)のドットはマジですごかったよ!なんでここにこんな色が置いてあるんだ?という打ち方をしてた。

編集長:
 色彩感覚なんですかね?それって

北川:
 いやわからないんだよね
 今思うと、ちくちく打ってた後ろ姿をみれてたってのは、俺にとっては宝かもしれないな。
 あと、百瀬さんも昔はドット打ってたよ。

北川:
 感動、難しいね。
 何故見たこともないものに感動するんだろうね。

編集長:
 想像を超えないと感動はないんじゃないですか?

北川:
 ドット絵が想像を超えてる?

編集長:
 見たことない場所に色があったら想像を超えてません?

北川:
 そうだね。

編集長:
 自分じゃこのロジックはないな!すげえ!!って。こんな少しの要素で表現ができるのか、とか。つまり「すげえ!」が子供のドット絵に対する感想じゃないですか?

北川:
 感動=すげえ!!なのか?

編集長:
 ちがうのかな……?

北川:
 そう言いかえられそうだね、でも泣ける映画を見て「ああー感動したわー」ってのは、ちょっとすげえではなさそうだけど、こんな物語を作るなんてすげえ、ではなさそうだよねw そんなメタ視点じゃないよねきっと。

編集長:
 圧倒、なのかな?喜怒哀楽すべてに適合するなら。

北川:
 圧倒ね。ありそうだね。 でも圧倒も、何かを上回る感あるもんね。

編集長:
 難しいな(笑)

北川:
 なんか、最近「共感」ばかり考えてるんだけどさ。共感と感動は隣にいそうだよね。

編集長:
 そうですかね。共感と感動がベン図でかぶるところはなさそう、と個人的には思うけどどうなんだろう。

北川:
 んー。

編集長:
 ……。

北川:
 終わらなそうなので、ここで放り投げて終わりにしようw

編集長:
 また来週


ということで、また、来週。

※「KOGADOの冒険ワークショップ」では、レポーターでもある求道者(浪人改め)北川にやってもらいたいことを募集しています。
 もちろん「読んでるよ」とか「私はこう思ったよ」とかの感想なども大喜び。
 コメント欄、またはTwitterメンション、DM、またはユーザーサポートメールまでお寄せください。お待ちしてます。

頂いたサポートのおかげで、明日も工画堂文庫を開店できます。