海の見える街でお香をてづくりするーgallery nagu さんでワークショップー
こんにちは、京都より200年の系譜をもつ香木・香道具店 「麻布 香雅堂」 代表の山田悠介と申します。「オープン・フェア・スロー」をキーワードにお香の世界に関わっています。
感染症の状況が落ち着いて来たり(油断は禁物ですね)、こどもたちが少しずつ大きくなってきたり(下の子が4歳に)と、時間と体力に余裕が出てきた今日この頃…いままであまりできていなかったイベント等を徐々に再開しようと思ってわくわくしています。
今回のnoteでは、スティックタイプのお香をてづくりすることのおもしろさや、工場の機械で生産するときとの違いを、2021年12月におこなうワークショップを例にしながらご紹介させていただきます。
※香雅堂のお香は基本的に淡路島の工場にてつくられています。その様子をまとめたnoteもよろしければご覧ください。
前提/ワークショップでつくるもの
12月のワークショップは、gallery naguさんでおこなわれる写真展「静物画」の為に香雅堂が製作したお香を、工場で生産したときと「全く同じレシピであえててづくりする」というものです。
このお香、海をイメージした香料だったり、台湾をイメージしたスパイス感が感じられつつも、全体的な印象としては静謐な雰囲気をもつとても特別なお香です…!天然素材100%です。
てづくりのおもしろさ①/お香がなにでできているかわかる
そもそもお香が何でできているかって意識することはあまりないのではないでしょうか?
通常、スティックタイプのお香は白檀や沈香といった香木を中心に、1~10種類程度のさまざまな香料がブレンドされてつくられています。ワークショップのはじめには、それらの原形をそれぞれ見て・触って・香りを嗅いでいきます。
てづくりのおもしろさ②/おなじレシピなのにちがう香りになる
それぞれの香料をレシピにしたがってブレンドして、水を加えて、こねこねして、スティック状にしていく工程は、童心に帰るというか粘土あそびをしているのに近く…心おちつく時間がながれます。
無心に作業をすること20分くらい、できあがった約10本のお香は長かったり短かったり、細いところと太いところがまざっていたりと、なかなか愛らしいフォルムになることが多いです。
その個性的な見た目ももちろんおもしろさのひとつではあるのですが、なんといっても興味深いのは、工場で生産した製品と同じレシピで作っているにも関わらず、焚いてみると感じる香りがかなりちがった印象となることなんです。
といいますのも、各香料たちの混ざり具合が不均一なので、あらわれる香りもまちまちになるのです。今回で言えば、沈香のやさしくも重厚な甘さが前面にでてきたかと思えば、貝香の海を感じさせるパウダリーな香りがとつぜんバーン!とでてきたりします。また、太い部分の香りは強くなりますし、細い部分は弱くなるので、全体的に「ゆらぎ」がとても強くなります。
ちなみに、製品としてのお香はそういった「ゆらぎ」を極力小さくすることを目標としています。10本あるお香のどれを選んでも、そして、そのうちの1本のどこを焚いても、ディレクターの意図したかおりを常に感じられることが大事という価値観でつくられているということです。
つまり、手づくりと機械での生産のどちらにもおもしろみがあるのです。イベントにご参加いただいた方にはそのどちらもお渡ししますので、それぞれの違いを比べてみていただけるとまた楽しいと思います。
※つくったお香は会場で一旦おあずかりして、1~2日かけて乾燥させます。その後、郵便・宅配便などでお客様のご自宅にお届けします。
おわりに&イベント情報
いかがでしたでしょうか。お香をてづくりすることのおもしろみを少しでもみなさんにお伝えできていれば幸いです。
そしてもし「やってみたい!」と思われた方は、よろしければ以下 リンク先なかほどのWorkshop vol.2 | お香作りの「参加する」ボタンよりお申込みくださいませ。
また、当日は13時~14時に静物画のお香にまつわるゆるっとトークイベントをgallery nagu オーナーの松本さんと行います(無料です)。インスタライブでも配信予定ですので、もしよろしければこちらもどうぞ!
会場のgallery naguさんは三浦半島のさきっぽという、はじっこ好きのわたしとしてはとても心惹かれるロケーションにあります。まだ実際に行ったことはないのですが、海がちかくとても気持ちのよいところのようです!まだ今年 海を見ていない方、この機会におでかけしてみてはいかがでしょうか?
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