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30代半ばで社会人留学をして感じたこと

僕は35歳でイギリスの大学院に留学した。一般的に30代半ばでの留学は遅い。普通は20代、遅くとも30代前半が主流。だから大学院進学を決断する時は、かなり悩んだ。

なんせ大学院を選んだら警察官を辞めなければならなかったから。さらに大学院を卒業できたとしても、その後に仕事に就けるかどうかの保証はなかった。

それでも留学を決意したのは、後悔したくなかったから。

留学した一年間は、本当に辛かった。英語力不足で授業についていくのに精一杯で、精神的にも参った。また、年齢が高いという理由でくやしい思いもした。

でも逆に35歳で留学したからこそのメリットもあったから、総合的には、留学という決断は正解だったと思っている。

大変だったこと

留学して一番辛かったことは、英語力不足で最初は全く授業についていけなかったこと。最初の数カ月は寝る暇もなく授業の予習復習をしていた。

そして年齢の問題。クラスメイトのほとんど20代。約半数が学部を卒業してそのままストレートで修士課程に入学していた。残りは社会人を経験した20代後半の生徒が多かった。

だから僕はクラスの中では浮いた存在で、みんなから「あのおじさんは生徒なのか先生なのか?」という目で最初は見られていたと思う。

英語力を上達させるためにサークルやイベントなどにも参加したことがある。でも参加している生徒は、20代前半の学部生が中心だったから、僕はいつも孤立していた。

そんな時は、「僕は積極的に人と関わることが苦手で内向的だから」という言い訳を自分じしんでしていたが、実際には年齢を気にして自分が壁を作ってしまっていただけだった。

周りは誰も年齢なんて気にしていなかったのに、自分で思い込んでせっかくの学習機会を逃してしまった、と今となって思う。

35歳で留学してよかったこと

これに対して、35歳で留学したからこそ感じたメリットもあった。それは、知り合う人が皆、素晴らしい人格を持った尊敬できる人だったということ。尊敬できる人に年齢は関係ないと改めて思った。

基本的に皆よりも一回り年上の僕と積極的に関わろうとする学生はいなかった。でも少数だけど僕に興味をもってくれる生徒がいた。彼らは、僕の内面や人間性を見てくれていた。この種の人は間違いなく人格者だった。

反対に僕から距離を置く人は、年齢や見た目など損得で人を判断する人が多かった。

何を言いたいかというと、僕と関わる人は少数だったが、そのほとんどが、人間性に優れた素敵な人達だったということ。留学を通して知り合えた人は少なかったが、皆かけがえのない友人と出会うことができた。

最後に

もし僕が20代で留学していたら、僕自身が未熟で人を外見や損得で判断していたから、真の友人はできなかったと思う。だって社会人を経験して30代を過ぎてようやく人の人間性の大切さや人との真の付き合い方がわかったから。

辛いことが多かった留学だけど、年齢に関係なく信頼できる友達を作ることができたことが一番の財産。だから、20代ではなくて、30代で留学する決断をして本当に良かったと思う。

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