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「私のこと好きなんですか?」


以前働いていた職場で、私のこと結構好きなのかな?っていうお兄さんがいた。
そのお兄さんと私が好きだった人が仲良しでたまに飲みに行っていて、なぜか私もそこに呼ばれることがあった。

お兄さんは事務所に来ることは滅多にない現場の人だったけど、その分私が事務処理をやる感じで入社当時やり取りは多かった。
なんかの拍子にお兄さんの誕生日を知ったので、会社を辞めるまで毎年おめでとう連絡をしていたし、お兄さんも律儀に私の誕生日を覚えていてくれた。

ある時聞いてもいないのに、LINEを教えてくれた。
だからと言って個人的な話をする機会が増えた訳ではないけど、仕事の話題ついでにあの人は最近どうだみたいな話はよくしていた。
軽い愚痴なんかも聞いてもらっていたと思う。
年齢は9つ違ったけど、別にそんな年齢差は感じない人だった。


ある時笑ってしまったのが、おせっかいなおじさんが私たちをくっつけようと仕向けて来たことだ。
おじさんとお兄さんと私で飲みに行く計画を立てられて実際に行ったところ、お互いどう思っているのかと言われた。
私はなんとなく笑っていたし、お兄さんも同じような反応だった。
他にも女性の上司が結婚はお兄さんが良いと思う!!と私によく勧めてくれていた(笑)


お兄さんは自分でがんがん仕事を取りに行っている人で、いずれは独立するつもりだった。
私は事務として雇ってくださいよと半分冗談半分本気でお願いしていた。
お兄さんもいいよーという感じでいてくれた。



お兄さんは酔っぱらっていると電話をしてくる習性がある人みたいだった。
私は会ったことないけど、以前会社にいた歳の近い女性にも連絡することがあったみたい。
私も数回おそらく酔っぱらいの電話をもらったことがあった。

私がそろそろ仕事を辞めようと考えていた時、休日の夜に電話がかかってきた。
最初は普通の会話だったけど、なぜか次第に「結婚」についての話になった。
その時の私は結婚の予定は全くなく、そもそも相手もいなかった。
どんな言いまわしだったか覚えていないけど、(この人私のこと好きなのかな)と思う瞬間があった。
「私のこと好きなんですか?」と聞こうか迷ったけど、聞かなかった。
聞いたら今また違う人生だったかもしれないけど、そうしなくて良かったなと思う。

辞める少し前くらい、少し久々に仕事の件で電話をもらったことがあった。
「辞めるんでしょ?」と言われて「突然だけど結婚することにしました」という話を軽くした。
その時当たり前に「おめでとう」と喜んでくれると思ったのに、そんなに喜んでくれないんだなという印象だった。

会社を辞めた日、一応仲良くしてもらってたし、初めて私からLINE電話をした。
その時も、別に喜んでくれる訳でもなく「一緒に働いてくれるって言ってたのに」ということを言われて、少しゾクッとしてしまった。
私としては、その話をしたときは半分本気だったけど、いつになるかなんて実際わからなかったし、そこまで待つ義理もなかった。


普段はとても優しい方だったけど、性格とか何かしら問題があったから結婚してないんだろうなと思った。
以前ちらっと聞いたときは、彼女とは自然消滅でいつの間にか結婚してたと言っていた。



この人と結婚するのもアリかなと思った瞬間もあったけど、もともとタイプではなかったから動かなかった。
もし、あの時「私のこと好きなんですか?」と聞いていたらどうなったのかなと今でも思い返すことがある。

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