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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運… もっと読む
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#ヤチヨ編

Third memory Last

「おう! 男に二言はねぇ」    順番は、逆になってしまったけど、でも、サロスの本音が聞ける…

Third memory 18(Yachiyo)

「……ずりぃな。そんな顔をされて信じられない。なんて、俺が言えるわけじゃねぇか」    そ…

Third memory 17(Yachiyo)

「……る丘」 「んっ? ピスティ? お前、今なんてーー」 「星の、見える丘」  涙と共に、…

Third memory 15(Yachiyo)

「約束する時は指切り、するんだろ?」 「……うん」 「どうした?」    小さいころ、絶対に…

Third memory 14(Yachiyo)

「あー悪い悪い。ちょっと勢いで、な」  サロスはフィリアに向かって大きな声で返答する。 …

Third memory 13(Yachiyo)

「ヤチヨ!!!」    あぁ、本格的にあたしダメみたい……サロスの幻聴まで聞こえるなんて……

Third memory 12(Yachiyo)

「……よ」    久しぶりに見たサロスの顔は泣きはらしていて、笑えるくらい酷いものだった。でも……きっとあたしとフィリアもそれに負けないくらい酷いものだったと思う。  サロスがゆっくりと部屋に招き入れてくれて、それからあたし達はたくさんのことを話した。  話している間もサロスに、昔みたいな明るさはなかった、けど……今はそれでもよかった。  あたしにとってサロスはかけがえのない存在で、フィリアにもきっとそれは同じで……。  今は目の前にサロスがいる。今は、それだけで充分

Third memory 11(Yachiyo)

「サロス? 久しぶり元気?」    返事は当然返ってはこない……なんとなく、わかっていたこ…

Third memory 10(Yachiyo)

 そして、数週間後…… 「サロス、あたし、今日帰るね」 「……」 「その……元気、でね」 …

Third memory 07(Yachiyo)

「フィリア、どうしたのかな?」 「なー」 「何かあったのかな? もしかして病気とか!?……

Third memory 06(Yachiyo)

「青春、ね。あー、若いっていいわぁ……あたしにも、そんな頃があったわ~」    言いながら…

Third memory 05(Yachiyo)

「あたしたちも帰ろっか? ねっ、サロス」 「……なぁ、ヤチヨ。お前、なんであいつと仲良く…

Third memory 04(Yachiyo)

「ヤチヨちゃん、ちょっと手伝ってもらえるかい?」 「はーい! シスター」    シスターは…

Third memory 03(Yachiyo)

「ここはね、昔、たくさんの子供がいたのよ。だから、遠慮なく使って」 「えーっと……」 「そんなに緊張しないで、あたしはシスターと言うの。初めまして小さなお嬢さん」 「シスター、さん?」    シスターは、どこかアカネさんと似た雰囲気を持っていて、すごく優しい面持ちで声をかけてくれた。 「シスター! 早く食おうぜ!!」 「はいはい、ゴメンね。サロス、じゃあ、いただきましょうか」 「サロス、行儀悪いよ。まだ、いただきますをしてないんだから箸は置きなさい」    アカネさんがサロ