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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い…
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#西部編第二部

170 英雄の左腕だった男

 ウェルジアも二人から遅れてその足音に気付く。 (こんなに接近していたのに気配がない?) …

169 対ホワイトグリベア

 越冬中のグリベアは外気温が一定以上になると目を覚まして過ごすようになる。フェリオン領内…

163 存在しないはずの奥義

「まだまだ、ここから上げられるみたいだな?」 「ふん、余力を残そうとでもしてみろ、俺がお…

161 駆け引きと狙い

「これは、想定外が過ぎるね」  スカーレットが強者である事はなんとなく分かっていたが流石…

160 実力以上の差

「それではまず、交流模擬戦の第一戦目を行います。両者広場中央へ」  遠征宿舎の広場を囲む…

159 剣が導きし運命

「では、東部学園都市のエナリア会長の提案による交流会をこれより行います。内容としては模擬…

158 遠征先にて

 遠征で生徒達に与えられている任務の進行は滞りなく進んでいた。  各地域の最終地点となる場所に向かう前、任務内容は別で異なるが、途中にある拠点で東西の生徒共に同じ場所に滞在するという期間が最後にある。    そこでは必要外の接触は控えねばならないという暗黙のルールがあるものの、今年に関しては東西学園都市による模擬戦、イウェストが行われなかったことで例年の遠征の時期には必ずあったはずの殺伐とした空気が存在していない。  遠征は元々の予定ではイウェストの後の時期に毎回行われてい

156 ビビフの残り香

「さて、と。お待たせ。さぁ、召し上がれ!」  食堂のテーブルの上にドンっと勢いよく置かれ…

155 ささやかなる興味

 ウェルジアは食堂へと今日も足を運ぶ。  心なしかその足取りが軽い。  彼にとって食堂と…

152 突拍子もない話とこれから

 話を進める中、ドラゴがこれまでのことを全く話を理解していないかのように首を傾げる。 「…

151 会議室のヒボン先輩

「みんな、ありがとう! 僕の呼びかけにこうして集まってくれて」  ヒボンが一同に会したメ…

148 穏やかな放課後

 とある日の授業終わりの校舎裏。  いつものこの場所でウェルジアが神妙な顔をしたままで文…

147 清廉潔白すぎた野心

 学園祭が終わり程なくして、九剣騎士として王都から視察に来ていたヴェルゴとクーリャは学園…

146 極致への一歩

「クーリャ。すまんが事のついでにもう一つだけ頼みがある。いいかい?」  ひとしきり笑い終えた後、プーラートンは目配せをするとクーリャは既に気付いており確認を取る。 「はい、もう一人いる気配が関係しているのでしょうか?」 「ふふ、流石に気付いていたようだね。ご明察だ、出といで」  プーラートンに名を呼ばれ、神妙な面持ちで出てきたのは西部学園都市の生徒会長ティルスだった。 「九剣騎士クーリャ・アイスドール様、隠れて一部始終を見ていたことをまずは心よりお詫び申し上げます」