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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い…
運営しているクリエイター

#群像劇

159 剣が導きし運命

「では、東部学園都市のエナリア会長の提案による交流会をこれより行います。内容としては模擬…

157 学園外遠征

 西部学園都市ディナカメオスに九剣騎士が調査に来てからの後、不気味なほどにこれまで通りの…

155 ささやかなる興味

 ウェルジアは食堂へと今日も足を運ぶ。  心なしかその足取りが軽い。  彼にとって食堂と…

153 才能というもの

「ティルス会長」  ドアを開く音と共に小柄な人影が室内へと入ってくる。 「リヴォニア、お…

152 突拍子もない話とこれから

 話を進める中、ドラゴがこれまでのことを全く話を理解していないかのように首を傾げる。 「…

149 完成した試作品

 西部学園都市内にある商業区画の路地裏で細々と営まれている武具店「ラグナレグニ」その店内…

117 職務怠慢ではにゃい

「「ええええ、この人が九剣騎士の1人!?」」  メルティナとミレディアは二人して驚いていた。そもそも九剣騎士に会う機会など正規の騎士であっても、そうおいそれとある事ではないからだ。  本来であればこうして学園にくることも通常では稀な事で、今年の双校祭が如何に異色であるのかということが改めて分かる。 「あ、どもども~、八の剣リーリエちゃんだよぉん。学園の生徒さん達、おはっつおはっつ~」  手のひらが袖から出ていないだるだるの状態でふりふりと手を振る目の前の人物の行動。生徒

114 無数の傷跡

「生徒の諸君!!! 遂にこの日がやってきたァアアアア!!!!!」  司会の生徒の大きな声…

100 天才(天災)少女アイギス

 暗い室内で、男は一人手紙を読み返していた。  何度も、何度も。  カサリ、カサリと微か…

99 異質と異質

 日がゆっくりと落ちゆく頃、地面を踏み鳴らす静かな音に包まれる道を歩いていた。  ジャリ…

98 激情の連鎖

 工房として使用している部屋の一角が炎の熱によるものと明らかに異なる揺らめきを映しながら…

97 結実せざる誓い

「見事……あれが? 見事だって?」  シュレイドの表情が苦渋に曇る。悲壮感が漂う中、身体…

96 封じし剣身

 まんまるな身体が思った以上の速度で駆けていく。  メルティナもカレッツとは異なる方向で…

93 東部学園都市の変化

 西部学園都市ディナカメオスで起きたリオルグ事変、一人の教師が起こしたというその出来事は王都、そしてここ東部学園都市コスモシュトリカへも伝わっていた。  生徒達の中にも大きな不安が拡がり、次はここ東部でも起きるのではないか? などという噂も飛び交い始める。  単騎模擬戦闘訓練、通称オースリーで起きた学園の歴史上でも異例の出来事は現場を見ていない東部の生徒達の心をも侵食し始めていた。 「正直、助かりましたわ。このような物言いは不謹慎かもしれませんけれど」  生徒会室に集