来江宮ミタ

恋愛小説を書きます。 現在進行形の恋を見ながら書いているので、結末がどうなっていくのか…

来江宮ミタ

恋愛小説を書きます。 現在進行形の恋を見ながら書いているので、結末がどうなっていくのか分かりません。 私と一緒にこの小さな恋愛を見守ってください。

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恋愛小説

現在進行形の恋を間近で見ながらこの恋愛小説を書いています。 2人の恋愛は今にも崩れ去ってしまいそうですが、もちろん、それは2人だけの問題なので、私にはどうすることもできず、ただ見ていることしかできません。 それでも、もう少しだけ、あと、ほんのちょっとだけ、お互いが歩み寄れたら。素直な気持ちを口に出せたら。つまらない意地を張らずに、思っていることを口に出せたら、きっと何かが変わるんじゃないのかな。そんなふうに思うのは、これが自分の恋愛ではないからでしょうか。ただ、遠くから眺め

    • 恋愛小説

      現在進行形の恋について 終わりました。 彼女が彼の気持ちを受け止めきれなかった。 彼女は、多分、今だけを見つめていたかったんだと思う。 今の二人で一緒にいるのが楽しくて、先のことはどうなるか分からないけど、この延長線上に幸せな未来があるならいいなって。 でも、彼は、今よりもずっと先の未来を見つめていて、来年も再来年もその先もずっとずっとと。 その気持ちは嬉しいけれど、目に見えない未来に縛られていくようで、彼女は少し怖くなったんだと思う。 今、この瞬間を大切にしたい彼女と

      • 恋愛小説 宗介-4

        宗介-4    あれから、ずっとサーヤの姿を探している。隣のクラスの中や廊下の人混みにサーヤを見付けると嬉しい。サーヤは、いつも、決まった女の子と二人でいることが多くて、時々笑って、でも、大体は静かにその子の話を聞いている。  僕の視線には全く気づかなくて、サーヤは一度もこっちを見ない。廊下ですれ違ったとき、一度だけ目が合ったけど、サーヤの表情には何の感情もなかった。あの集会のときのサーヤの笑顔がもう一度見たくてたまらない。  本当は、インスタをフォローしたかったけど、サーヤ

        • 恋愛小説 彩綾-3

          彩綾-3  あの集会の後、結局またコロナが増えて、集会はまたリモートに戻った。隣のクラスに村上君はいたけれど、いつだって、騒がしい男の子達とキラキラした女の子達と一緒にいて、やっぱり私とは関係ない世界の人だった。    7月になって期末テストが近づくと、てっちゃんから連絡が来た。医学部を目指しているてっちゃんは、数学に強いから、テスト前は時々、勉強を教えてもらっている。  てっちゃんが、「今、スタバ」ってLINEをくれたら、私は、「行くよー」とか「今日はやめとく」とか短い返

        • 固定された記事

          恋愛小説 宗介-3

          宗介-3  教室へ戻ると、春香が寄ってくる。「ソースケー」、春香の喋り方は、いつもどこか間伸びしていて、あいつの宗介は、いつだってソースケーとしか聞こえない。それでも、そういう喋り方が可愛いと本気で思ってるんだろう。  実際、顔はそんなに悪くないとは思うし、バスケ部の先輩とかには受けがいい。僕は苦手なタイプだけど。でも、こっちが時々、ハルカと呼んで話し掛けると、途端にテンションが高くなるのが分かるから、もしかしたら、僕のことを好きなのかもしれない。  だったら、さっさと告っ

          恋愛小説 宗介-3

          恋愛小説 彩綾-2

          彩綾-2  集会が終わって教室に戻る途中に茉奈から話し掛けられた。  「さっき、宗介君と盛り上がってた?」ニヤニヤと意味あり気に聞いてくる茉奈に、教頭がね、やばかったねと私は適当にはぐらかす。それなー、ガチやばかったと茉奈が思い出し笑いを始めて、私もつられてまた笑い出す。  村上君は、バスケ部のキャプテンをしていて、隣のクラスの中心メンバーで、いわゆる陽キャで、でも、男子とも女子ともクラスみんなと仲良くて、いつも、みんなから宗介って声を掛けられている。  だから、クラスが違

          恋愛小説 彩綾-2

          恋愛小説 宗介-2

          宗介-2  初めは、誰だか全然分からなかった。  高校3年生になって、コロナ禍がやっと少しずつ落ち着いてきて、それまでリモートでやっていた全校集会が久しぶりに体育館であった時のことだった。  6月になって梅雨入りはしたはずなのに、その日はからっと晴れていて、体育館の中は全校生徒の熱気であふれていて、もう、ほとんどのみんなはマスクを外していた。  僕達は、入学してからずっとマスク生活だったから、高3のこの時期になって、初めて、ちゃんと顔が分かったみたいなやつらがたくさんいた。

          恋愛小説 宗介-2

          恋愛小説(彩綾-1)

          彩綾-1  その日は本当にいいお天気で、雲が一つもなくて、薄青い空がどこまでもどこまでも高く伸びていた。お日様はやけにぺかぺかと光っていて、馬鹿みたいに笑いたくなるような、そんな日だった。  体育館での退屈な集会の間、ほかの子は、みんな周りの子とくすくすとおしゃべりしていたのに、私は誰とも言葉を交わせなくて、時間が通り過ぎるのをただ黙ってじっと待っていた。  「見て」ふいに横から声を掛けられて、目をやった先には、首をかくかくと揺らしながら、居眠りしている教頭先生の姿があった

          恋愛小説(彩綾-1)

          恋愛小説 (宗介-1)

          宗介-1  人は、どうしていつも目の前にあるものをちゃんと大切にできないんだろう。どうしてわざわざ自分からぐちゃぐちゃに壊してしまいたくなってしまうんだろう。  ずっと笑っていてほしかったのに、いつだって、ちょっと意地悪な気持ちになって、君を困らせた。  少し困ったような、悲しそうな目をして笑う君を見て、本当はすぐに後悔していたのに、気が付かない振りをして逃げることで自分を守ってた。  いつだって不安だった。僕ばっかりが君のことを好きなだけで、君が何を考えているか全然分から

          恋愛小説 (宗介-1)