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ベンチャー企業から転職して気づいた大企業の3つの誤解

こんにちは、KOELの和田歩波(@namimorinamiko)です。
スタートアップ、フリーランス、ITベンチャーを経て、2021年11月にNTTコミュニケーションズにUXデザイナーとして参画しました。

この記事では、私が転職するまで抱いていた大企業で働くことに対する誤解を中心に、これまで歩んできたキャリアとKOELに転職した理由をお伝えしたいと思います。

・大企業で働くなんて考えたこともない
・大企業からスタートアップは転職できるけどその逆は難しい

上記に心当たりのある方に、ぜひこの記事を読んでいただければと思います。参考になることが少しでもあれば嬉しいです。

大企業に入社する前、6年間のキャリア

大学生で就職活動を始めた時、大企業の営業職を志望していました。当時出会った面接官に「君に会社勤めは向いてないね」と言われ、自分は大きな組織には向いていないのかもしれないと真に受けたことを覚えています。会社に就職した先に自分のやりたいことがあるのだろうか、若いからこそ自分で事業をやってみようと思い立って、大学4年を目前に休学しました。

紆余曲折あり、たまたま知り合った起業家があたためていたアイデアに共感して、1人目の正社員になりました。FinTechという業界でその会社が注目されることもありましたが、事業を軌道に乗せることは難しく、私は1年余りで事業から離れることになりました。自分の無力さを痛感しました。

当時何ができるわけでもなかった私は、デザインを勉強しようと決意して、がむしゃらに勉強を始めました。知り合いの制作会社に「席だけ貸してください」とお願いし、少しずつお金をいただくようになり、やがてフリーランスとして働くようになりました。この頃、持てる時間全てをデザインに使っていたにもかかわらず、自分の出したクオリティに満足することはありませんでした。周りのデザイナーに相談しても、同じ仕事をしていないので実務に関する意見をもらうことは難しく、悶々としていました。このまま駆け出しのデザイナーが個人で活動を続けることに限界を感じ、他のデザイナーと一緒に働きたい、自分のスキルを磨きたいと思うようになりました。

休学から復帰して就職活動を経て、社員数80名ほどのITベンチャー企業の正社員になりました。やる気があれば何でもできる環境で、デザインはもちろん、コーディングやプランニングなど幅広い領域で挑戦することが当たり前になりました。会社で初めてスクラム開発に取り組む時、プロダクトオーナーになりました。チームで働くこと、目標を共にすることが楽しい、と心から思いました。

それから数年、お世話になったITベンチャーを離れて、社員数約6,000名のNTTコミュニケーションズに転職しました。

大企業に対する3つの誤解

ここからは、私が入社3ヶ月目で感じた、大企業で働くことに対する3つの誤解のお話をしたいと思います。

大企業は意思決定が遅い

「大企業病」と聞くと、意思決定の遅さを一番に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。意思決定する人に辿り着くまでのコミュニケーションに時間がかかり、結論が出た時にはすでに世間から遅れている。例えば、社員が新規事業を提案したとして、何ヶ月、何年と待たされて、やっと予算が承認された時には市場や社会のタイミングを逃してしまう。大企業ではそんなことが起こっているのではないかと思っていました。

NTTコミュニケーションズに入社してから、これまでの経験と比較しても、意思決定が遅いと感じたことはありません。

ベンチャー企業で働いていたとき、会社や事業の状況に合わせて取り組むことが頻繁に変わり、それに伴って所属するチームの名前も半年単位でどんどん変わる様子を目の当たりにしました。実は、KOELという組織ができるまでに、デザイン組織の名称も2回変わっています。デザインチームが社内になかったとき、役割を新たに設定したとき、その時々に合わせたミッションとチーム名とメンバー構成が考えられています。

私の肌感ですが、大企業は見据える時間軸が相対的に長いと感じています。フリーランスは今日明日、ベンチャーは数週間から数ヶ月先、NTTコミュニケーションズは数年から数十年先のことを見据える文化があるように感じました。見据える時間軸の長さが意思決定の早さに影響することがあり、それが大企業の印象となって残っているのかもしれません。

大企業は保守的で挑戦しない

リスクの検討に慎重になりすぎて、新しいことに挑戦できない文化があるのではないか。新しい技術や情報に懐疑的で、自ら進んで新しいことを学ぶ姿勢がある人は少ないのではないか。そんな風に思っていました。

入社してすぐ、それはまったくの誤解だったと気づきました。新しい技術や情報はslackを飛び交い、本の輪読会や社外のセミナーなど、至る所で積極的なインプットが行われています。大企業は社員が多いぶん、社外の関わりもとても多く、良質な情報が回りやすいのです。

KOELに所属する社員は年間に決まった金額の学習支援があり、各自が勉強したいことを勉強する仕組みが整っています。MIMIGURIが運営するCULTIBASEというメディアには、KOELメンバーの1/3が有料会員になっています。

また、Slackにはおすすめの本が流れる専用のチャンネルがあったり、共通の興味をもつメンバーで輪読会が自主開催されています。

イベント登壇やnote執筆などPR活動も大切にしており、発信しているからこそ良質な情報が集まるという好循環が生まれていると感じます。

ベンチャーから大企業に転職することは難しい

就活生の時、ベンチャーか大企業、どちらを志望するか悩んでいると、「新卒は大企業がおすすめ。ベンチャーは転職すれば良い。逆は難しいから」というアドバイスをいつもしてもらっていた記憶があります。

私もついこの前まで、そのアドバイスを信じていました。自分自身がベンチャーから大企業に転職することが決まった時、もしかしたら珍しいケースなのかもしれないと思いました。しかし入社してそれは誤解だったと気づきました。KOELは約過半数が中途採用ですが、そのうち大企業出身ではない人が役職問わずいることがわかりました。私以外にも、長い間フリーランスで活躍されていたUIデザイナーや、60名ほどの制作会社にいたUXデザイナーが在籍しています。

ベンチャーから大企業に転職することは難しいというのは先入観であり、前例は多くあると今は思っています。

なぜ今、KOELか

ベンチャー企業で働いていた私が、ネクストキャリアとしてKOELを選んだ理由は主に3つあります。

デザインする対象の幅を広げたいから

前職では自社プロダクト(ウェブサービス/スマホアプリ)に集中して向き合っており、デザイナーとして大切にしてきたことは「ユーザーインタビューから理想のUXを追求すること」「理想のUXを機能と仕様に落とし込むこと」「使いやすいUIを作ること」でした。この時にデザインしていた対象は、開発系のUI/UXと、PR系のビジュアルデザインでした。

KOELでは、6つの支援領域を掲げています。

この話を聞いたとき、私はデザインの対象を自分で狭めていたことに気づきました。

ビジョン策定や組織設計、人材育成など、デザイナーとしてできることは幅広くあり、私はデザインの対象をより広く、より深めたいと思いました。KOELはNTTコミュニケーションズのデザインCoE(研究・先導)組織であり、多様なデザインに関わるチャンスがあることが、今回転職した一番の決め手になりました。

仲間と一緒にクオリティを追求したいから

会社によりますが傾向として、スタートアップやベンチャーではデザイナーの人数が少なく、それぞれのデザイナーは個別で作業に取り組む機会が多いと思います。その結果、デザイナー同士でアウトプットをレビューしあう経験が少なくなりがちです。私もまさにそのような状況でした。

KOELは、組織横断のプロジェクト制をとっています。通常は2〜4名で1つのプロジェクトにアサインされることが多いです。メンバーの専門性はそれぞれ違うので多様な視点でデザインに取り掛かり、クオリティをよくしようと切磋琢磨しています。

デザインチェックも手厚く、中途半端なデザインは世に出せないスキームになっています。今の自分の限界を超えて高いクオリティを目指す過程の中では、ときに苦しいシーンもありますが、ともに高め合い、支え合う仲間がいるのでがんばろうと思える環境です。メキメキとデザインスキルが鍛えられていると思っています。

新しい環境で自分の可能性に挑戦したいから

これまでのキャリアを振り返ると、スタートアップやフリーランス、ベンチャーの社員など、自分の立場は目まぐるしく変化していましたが、自社開発のソフトウェアに向き合うという点は一貫していました。

KOELはITベンチャーで働いていた私にとって経験したことのない環境です。NTTコミュニケーションズの社員数は約6,000人で、KOELのデザイナーは、それぞれのスキルでNTTグループ内の多様な事業を支援しています。デザインスキルだけでなくコミュニケーションやプレゼンスキル、マネジメントスキルなど多様なスキルが求められます。これまでの自分の振る舞いが通用しないこともあり、右往左往する毎日です。

一方で、新しい環境にいくということは、新しい自分に出会えるということだと感じています。ここで、自分の可能性に挑戦したいと思います。

さいごに

ベンチャーから大企業へ転職する道は拓けています。この記事をきっかけに、ベンチャーで働く人にもKOELやNTTコミュニケーションズに興味を持っていただけると嬉しいです。


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