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キャリア入社組対談「わたしたちから見たKOEL」前編 | KOELの人々 #3

こんにちは、KOELの桑原です。
私たちの組織の中で、どんな職種の人がどのように働くかをお伝えするシリーズ「KOELの人々」。
今回はその特別編として、これまでに記事を執筆いただいたデザインリサーチャーの山本さんとUIデザイナーの宇都宮さんによる、キャリア入社組から見たKOELやNTTComをテーマとした対談をお届けします。

同じプロジェクトチームで働いたこともある、このふたりの視点から見えてくる立体としてのKOELはどのような姿をしているのでしょうか? ふたりの目を借りて覗いてみましょう。

crosstalk_202010アートボード 1

4職種がコラボレーションするKOELだからこそできるアプローチ

山本さん(以下「山本」) お互い8月に入社して2ヶ月経ちましたね。最近どうですか、お仕事は?

宇都宮さん(以下「宇都宮」) なかなか密度が高い毎日ですね。思っていたのの3倍速くらいで(笑)、いろいろな分野のことをやるのもあって忙しいです。山本さんはいかがですか?

山本 僕は3つのプロジェクトに参加していますが、リサーチなので初速はそこまで速くなく、じわじわという感じです。
ただ、プロジェクトの分野のことだったり、NTTComの中のことだったり、デスクリサーチが結構大変だなと思っていますね。

宇都宮 そうですよね。1からのリサーチですもんね。

山本 プロジェクトはKOELの中だけで回っているのではなく、複数の部署にまたがっているので、その部署のミッションや部署間の関係性なども把握しつつ、リサーチの計画を立てたりするのは難しさがありますね。想定はしていたので恙無くやれてはいます。

宇都宮 SmartEducationのプロジェクトで山本さんとはご一緒していて、私はそこで初めてインタビューの体験をしたのですが、ユーザーさんの生の声を聞くのっていいな!と思いました。これまでも自分で生の声を得る努力はしていたのですが、それがオフィシャルでできるのはありがたいですね。

山本 インタビューを経ることでやはりその後に違いはありましたか?

宇都宮 違いました。ユーザーの声を元にすることで、自信を持って進められ、アウトプットの内容がブレなくなりますね。

山本 チームメンバーとのやりとりを見ていても、楽しそうにやってらっしゃるなと思っていました。

宇都宮 楽しかったですね!自分はアウトプットの制作で複数の候補ができた時に3つくらいまでは絞れるのですが、その後決めきれないことが多いんです。でもそこでメンバーの廣瀬さんが、どれがユーザーにとって最適な案かをスピーディーかつ論理的に決断してくれて、とても良いコラボレーションで進められました。

山本 自分たちのチームなのに言うと手前味噌だけど、SmartEducation担当の4人はリーダーの阿部さんがうまく見てくれていることもあって良いバランスなんだろうな、と思います。
僕は発想する際にあまり決め付けないように考える癖があって、ありうる幅を踏まえつつ阿部さんに話をすると、彼はその幅の中から現実的な進め方を検討した上で選定して引っ張っていってくれる。やりやすいですね。

宇都宮 偶然にも良い4人が揃ったのか…

山本 もしくは僕が思うには、スペシャリティを持った4職種がKOELにいるからかな、と。リサーチャーだけだと絞り込み方が難しかったりするんじゃないかなと思う。UIデザイナーだけだと物を作るところにフォーカスしてしまってその後の幅が出しづらいのかなとも思うのだけど、宇都宮さん的にはどう?

宇都宮 まさにそうだと思いますね。例えば、文章にしてもその語尾まで、ユーザーの特性やパーソナリティに立ち戻って検討を深めるとかは、他の職種の方がいるからこそできることかなと感じます。

山本 他にも、リサーチの時は対象者の方から情報をもらうので、何かgiveできるものがないと行きづらかったりするんです。でもその段階でデザイナーの方が制作してくれた仮のプロトタイプがあると行きやすい。それが今回のプロジェクトではうまくできているなと思いますね。

宇都宮 私も逆に、リサーチをしっかりしてくださっているから、こういう人のためにこういうものが欲しい、と言うのが揃っていてアウトプットしやすいです!

山本 ちょうどそのデザインリサーチャーとUIデザイナーとの関わり方について、今朝KOELの他のデザインリサーチャーと話してたんです。どういった情報があるとUIデザイナーが動きやすいのか、僕らはデザイナーに何を求めればいいのか… 他のチームの真似をするより、KOELらしい関わり方の型ができると良いよね、と。これから人も増えていくので。

デザインリサーチャー・山本 健吾の紹介記事

特徴を捉えてデフォルメするデザインリサーチャー

宇都宮 これまでリサーチャーとして歩まれてきた中で、何か影響を受けた方とかっていらっしゃいますか?

山本 デザイナーとかリサーチャーではないのですが、子供の頃から好きだったのは鳥山明さんですね。

宇都宮 あ、ドラゴンボールとかの作者の方ですね。

山本 そうです。漫画が好きと言うのもあるのですが、この方のすごいところは写実的に描くのではなく特徴的に捉えて描くところだと思っているんです。なんでこんなに描けるんだろう?とずっと思っていて、好きだった。それで、リサーチャーを始めた頃に、「デザインリサーチにはデフォルメしていくような観点も結構あるよ」と先輩に言われたことがあって。

宇都宮 デフォルメ、ですか。似顔絵的な?

山本 まさにそうです。「対象物を見て、そのまま写真のように持ってくるのではなく、特徴や本質的な部分をすくい取って、他の人にもわかる形で表現する。デッサンするのではなく似顔絵を描く、みたいなのに近いんだよ」と。その時に、あ、鳥山明の絵もそんな感じだったなと思ったりしたんです。

宇都宮 昔からの「好き」と仕事が線でつながった瞬間ですね。

山本 あともう一人、世界的なビジネスデザイナーの濱口秀司さんにも影響を受けましたね。好きと言うよりは、衝撃を受けたというか…

宇都宮 衝撃?

山本 以前の会社で新規事業提案とかをやっている時に、濱口さんのいろんな記事を見ていて、感覚的にやるようなことも言葉で表現できるんだ!と驚いたんです。センスとかタイミングとかではなく、とてもロジカルかつ戦略的にビジネスを作っていく。その頃ちょうどデザイン思考という言葉も流行り始めている頃だったのですが、それとは別のアプローチで、同じようなことを再現性高く実行していっていて、衝撃でしたね。

人生を豊かに楽しんでクリエイトするUIデザイナー

山本 宇都宮さんは誰か影響を受けたデザイナーとかいます?

宇都宮 私はリサ・ラーソンというイラストレーターが好きですね。イラストや彫刻作品で有名な方で。

山本 なるほど、SmartEducationの制作物で宇都宮さんが書かれたものにもテイストが似ている気がする。

宇都宮 そういう緩い感じのイラストが好きなんです。でも、それだけではなく、彼女の考え方みたいなところも好きで。

山本 考え方っていうと?

宇都宮 クリエイティブに関わる職業って、時間に制限が無くて、仕事と生活のバランスをとるのが結構難しい、という一面もあるかなと思うのですが…

山本 うーん、確かに…

宇都宮 でも彼女は「朝疲れてたら午後にできたらそれでいいのよ」みたいなことを言っちゃう人で(笑) 旦那さんと3人の子供との生活とも両立しながら80才になった今もイラストを現役で描き続けていて。自分の生活も楽しみつつ、デザインも楽しみつつ、っていう生き方に憧れるんです。

山本 元々建築をやっていたというお話が記事にも書かれてましたが、それはどんなきっかけだったんでしょう?

UIデザイナー・宇都宮 里梨子の紹介記事

宇都宮 小さい頃から間取りを見るのが好きで、ずっと眺めては自分だったらこう変えるのにな〜みたいなことを考えて遊んでいたんです。それである時、めちゃベタなんですけど、ル・コルビュジエのアパートの図面が雑誌に載っていて、それに感銘を受けて。素敵な建物を設計できるようになりたい!と思って、建築の学部に入りました。

山本 かなり長い間建築に興味を持ち続けていらしたわけですね。それでその後にUIデザイナーに転向されたのはどんな理由でだったんですか?

宇都宮 だんだん、建築の設計図面を書くよりも素材とか技術的なところに興味が出てきて… 例えばアルミで作った家のアルミばっかりに興味がいっちゃったり。で、それをわかりやすく伝える、インフォグラフィックスの延長であるサイエンスグラフィックスで技術を伝える方に惹かれていって、気づいたらデザインに。

山本 何かの作品とか誰かの影響で、というわけではなく?

宇都宮 そうですね。自発的なものがメインで…でも一つトリガーになったこととしては、いつも先生に設計図面を見せると「君の描く木は良いねえ!」って言われていて(笑) 設計した家とかではなく、その横に描いている木を褒められる、っていう(笑)

山本 ちょっとわかるかも。僕も同じようなことを言われたことがあって。元々僕はソフトウェアエンジニアだったのですが、デザインやリサーチの方に移っていったきっかけのひとつが、その時の上司にプレゼン資料を持っていった時に「内容云々の前に、君の資料のデザインはわかりやすくていいよね」「読み手のこと考えて書いているよね」と言われたことで。物の先にはちゃんと人がいて、ちゃんとそれを考えているということがわかる人がいるんだ、と思えたのが大きかったかも。

宇都宮 自分では無意識のうちにそこにこだわりを入れていたのもあるかもしれないですね。

山本 自分が気にしていなかったものを気にさせられた、みたいな感じもありますね。リサーチの時やプロトタイプをユーザーに当てる時にも、その辺りは影響を受けている部分があるかもしれないなと思いました。

自分とは異なる職種へのリスペクトが生むチームワーク

宇都宮 そういったバックグラウンドがあるからこそできることも結構ありませんか?

山本 僕はエンジニアを経験したことで自分はあまり向いていないなと感じたりもしたので、自分ができなかったことをやっているエンジニアの人たちへのリスペクトは強いかもしれないですね。

宇都宮 経験したからこそ持てる尊敬でしょうか。

山本 信頼感とも言えるかもしれないですね。僕の中でのリサーチの根元が、リサーチの対象者にも喜んで欲しいし、エンジニアも楽しんで欲しい、というどっちもあって。というのも、リサーチをしていくことでエンジニアの人がこれまで気づかなかったことを見つける手助けができていると思うんです。それが見つかるとエンジニアの人って、自分の技術を生かす方向が決まることで作りたいモードになったりする。

宇都宮 確かにそのモード、ありますね。

山本 それで作ったものをユーザーに持っていってテストをすると、ユーザーもこんなの作ってくれたの?と喜んでくれたり、フィードバックをくれて、それをまたエンジニアに渡すと、楽しそうにあれこれ考えて作ってくれる。その両方のサイクルがあるのが楽しいんです。エンジニアに対する信頼感があるが故に、ポジティブな意味での無茶振りができるというか。

宇都宮 私も、分野が違う人とかってどれだけ理解してその人の仕事を尊敬してうまくコラボしていくか、そういうリスペクトや信頼関係がお互いに気付けるのが重要かなと思っているので、すごく分かります。

山本 そういった意味で、KOELには安心して任せられる人がたくさんいるので心強いですね。

宇都宮 本当にそう思います。専門の方がたくさんいるので、自分の得意なところに安心して取り組めますよね。

山本 しかもはみ出しても怒られないし(笑) なんでもやっていいよってところもある。もちろんやれるかどうかは個人のスキルにもよるけれど、ここだけ!と縛られないのはいいなと思います。

宇都宮 以前、KOELのクリエイティブ・アドバイザーである石川 俊祐さんの記事を読んだ時に、いま山本さんがまさにおっしゃったようなことが書かれていましたね。得意不得意があるからそこをコラボで補っていって、一人ではできないような大きなことを作っていく、というような。Comの信条にある「共に高める」だったり、KOELのValueの「動かす」にも通ずるところだと思うのですが、そういった思想はKOELメンバーにも浸透している気がします。

山本 チームとしてもちゃんとデザインする、というのを意識されているんだろうなと感じますよね。

(下記、後編に続く)


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