NeWork™のリニューアルで本当に必要だった、たった1つの視点
こんにちは、KOELの武田です。
KOELではUXデザイナーとして、クラウドやAI、MVNOサービスなどNTT Comの様々なプロダクトのUXデザインに関わってきました。直近では、NeWorkというサービスのUXデザイン、プロダクトマネジメントに携わっています。
NeWorkは、昨年8月にローンチした、オフィスの仲間とすぐに繋がれる、仮想的なスペースを活用したビデオコミュニケーションツールです。
社内のアプリケーションサービス部というところが主管となってプロダクト開発を進めていますが、KOELもコンセプトデザインから始まり、デザイン領域で深く関わっています。
このNeWork、先月半ばに大幅なリニューアルを行いました。
(リニューアルすることになった理由はNeWorkのnoteで詳しくお話しししているのでそちらをご覧ください!)
今回は、リニューアルに際してデザインチームが行った、コンセプトをまとめることについてお話ししたいと思います。
想いは同じ!はずだったけれど…
今回のリニューアルには大きく二つの目的がありました
・β版における使いづらい部分を改善して、より良い体験を作る
・これからの展開のための礎を作る
今回お話しするのは、特に前者の部分です。
リニューアルを決断したのは、NeWorkとしてプロジェクトメンバーも増えてきたタイミングでした。NTT Comだけでなく外部のパートナー企業の方々にも参画いただき、メンバーがさらに多様になった時期です。
βローンチのタイミングでできなかったことや、使ってくださっている方々からのさまざまなフィードバックにどう応えていくかなど、やりたいこともいろんな方向に積み上がっていました。βローンチは日付が明確に決まっている一方、開発だけでなくどういった運用体制が必要なのかなど検討せねばならないことも多く、現場は混迷していました。このタイミングでの実装を諦めた機能もありました。
あれもやりたい、これもやりたい、ここはこういう風にしたい、いや、あのユースケースを考えるとこうするべきだ…
今振り返れば、NeWorkを自分たちで使ったり、ユーザーからフィードバックをいただく中でチームメンバーそれぞれに「自分の考えるNeWork」ができているような状態でした。このままでは各々が良いと思った提案が、実はチームとして目指すべきものとは少しずつズレたものになってしまって、全体として何か微妙なものが出来上がってしまいかねない。その結果、誰も魅力を感じないサービスになってしまうのでは…?
これまでを振り返る
そこで「何がNeWorkらしさだったのか」を改めてプロジェクトメンバーで言語化する取り組みをデザインチームを中心に実施しました。
昨年夏に今のβ版を作った時の検討メモから、これまでいただいたフィードバック、それに対するメンバーのSlackでの反応などNeWorkにまつわるあらゆる情報をMiro上にまとめていきました。
一例を挙げると、話ができる部屋のようなコンポーネントのことをバブルと呼んでいます。これは「水滴と水滴がくっつくような、偶発的な繋がりを引き出したい」という想いでデザインされています。UIデザイン全体も有機的であることを一つのキーコンセプトとしていますが、こういったデザインコンセプトに関わる重要な解釈も、β版のスピード感の中では記録ができていなかったのです。
余談ですが、NeWorkはプロジェクト発足当初からフルリモートで開発を行ってきたので、検討のコミュニケーションはほぼすべて何らかの形で残っている、というのは良かったポイントです。
(プロジェクト全員で会いたいね、と話してもうすぐ1年…)
次に、その再構築した内容を踏まえて、今後どのような将来像を目指すのか/そのために何が必要なのかを考えるワークショップを行いました。
ワークショップの中では、まず今後起こりうる未来について考え、それによってNeWorkへどのようなインパクトが生じるのかを出し合いました。次にその影響を踏まえ、「NeWorkがどうなっていくべきか」をそれぞれ書き出し、共有しました。結果、未来に向けた大きな方向性を見つけ、メンバー全員で合意することができました。
このワークショップを通じて、それぞれが持っていた「自分の考えるNeWork」を「私たちが目指すNeWork」に昇華できたと思っています。取り組んでくれたメンバーからも、「全員でこういう機会を持つことができてとても良かった!」「自分たちが何をしたかったのか、改めて思い出せたような気持ち」など、とてもポジティブな反応がありました。
最終的にこれらの内容を、Notionにコンセプトドキュメントとしてまとめました。普段から業務で使っているNotionに情報を置くことで、職種に依らずメンバー全員が迷った時に参照できることが大切と考えたからです。
余談ですが、NeWorkがどういった未来を目指しているのかについてはNeWorkの公式noteで今後お伝えしていく予定ですので、KOEL公式note共々ぜひフォローをお願いいたします。
みんなで同じ方向を目指せるということ
コンセプトドキュメント完成後は、合言葉のようにメンバーが判断の軸として使えるようになり、一気にリニューアルの方向性が固まっていきました。
最終的には、いかにもビジネス!なきっちり感はほどほどに、楽しさや気軽さを感じられるようリニューアル方針の舵を切りました。鮮やかなカラーや細かなアニメーション、バブルの配置、入退時の効果音などにもその方針が反映されています。
リニューアルに対する私たちの想いとその詳細はぜひNeWork公式noteをご覧ください。
NeWorkチームはこれまでも「気軽に話しかけられる」コンセプトを大切に機能や施策を各々が考えてきましたが、今回改めてドキュメント化し展開できたことで、メンバー一人ひとりが共通に目指す方向を口癖のように話し、施策や方針にもより反映されるようになったのがとても印象深いです。
コンセプトを皆が握れていると思っていたNeWorkプロジェクトでしたが、コンセプトが存在していることと、それをチーム全員で共有できているということはイコールではありませんでした。皆でそれを共有することが本当に重要なことだったのです。
NeWorkが私たちの想像以上に反響をいただき、多様な使い方をしていただいたからこそ、リニューアルの方針やその捉え方も人それぞれだった、とも言えるのかもしれません。
だからこそ今回、これまでの検討をまとめて改めてコンセプトドキュメントという形でまとめ、各メンバーがなんとなく持っていた「こうあるべき」具体的に言葉や絵にする機会が作れたことは大きな価値がありました。
リニューアルの内容は裏側の仕組み含め多岐に及んでいますが、特にユーザーの皆様が触れるUIの全面刷新は、難しい決断でした。が、その難しい決断を支えたのは、考えてきたことを言語化し、改めてコンセプトドキュメントとしてチームで共有できたことが大きかったと考えています。
この度無事リニューアルが完了したNeWorkですが、「気軽に話しかけられる」の実現のためにまだまだやりたいことはたくさんあります。今回作ったコンセプトドキュメントをしっかり育てていきながら、リニューアル後の様々な数値やお使いいただいてるみなさまのフィードバックに向き合い、これからも良いコミュニケーションを作るお手伝いができれば嬉しいです。
KOEL note
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