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保育や療育などの支援現場では、約束したからって解決するわけじゃない

この記事は1,845文字あります。個人差はありますが、3分〜4分でお読みいただけます。

今日はnoteの連続更新108日目です。


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今日のテーマは「約束したから解決するわけじゃない」です。どうぞお付き合いください。


子どもも困っているかも

昨日は、「早期療育は大事だけれども、目的をはき違えないで」みたいなことを書きました。今回もそれに関連するような内容です。

保育園、幼稚園だけでなく、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの療育現場からも「約束を守ってくれない。どうすれば約束を守ってくれるようになりますか?」とご質問をいただくことがあります。

例えば、どんなことですか?と質問をすると、
「時間になったら玩具を片付ける約束なのに、守りません」
「お友達の玩具を取らない約束なのに、いつも取っていきます」
「朝の会は立たないと言っても、いつも座っていません」
など色々教えてもらいます。

そして、「わがまま」とか「ご家庭でちゃんと教えてあげてください」みたいなことになったりすることもあります。

確かに、対応する大人たちも、自分たちが想定しているようにものごとが進まないのは困るだろうと思います。でも、同時に考えてみて欲しいのは「これって、もしかすると子どもも困っているんじゃないの?」ということです。そして、その困っていることの表現が上手じゃないのかもしれません。

そんなことを言われても、そんな風には思えないし、見えないかもしれませんが。だけど、ちょっと考えてみてください。

「絶対に20:30には子どもを寝かせなさい」とか言われても、我が家にはちょっと無理なんですね。仕事を定時で上がって、それから子どもの迎えに行って、自宅に戻るのが18:30。そこからご飯の準備、お風呂、洗濯、食事の片付け、宿題の確認、明日の子どもたちの準備…、いや物理的に無理なんです。やれる人もいるでしょうけれども、我が家には無理です。

でも、20:30就寝の約束を守れなくて、21:00に子どもたちの歯磨きをしているのは、ぼくや妻の責任なんでしょうか?

ぼくらだってできることならしたいけれども、この約束を課されるのは結構困るんですね。ですから、周りから見れば約束を守っていない親かもしれないけれども、ぼくらからすると、ぼくらも困っているんです。

というよりも、なんで20:30なんだとか、そりゃ17:00に帰宅して、そこで家族が全員揃っていたらできるよとか、そもその約束がおかしいとさえ思うわけです。

本当に「約束」になってる?

毎日20:30就寝は守れないけれども、21:30就寝にしてくれたら大体守れそうです。何が言いたいかというと、約束を守れない背景には理由もあるし、そもそもその約束自体が本当に妥当なのかということもあるんじゃないか?ということです。

話を戻します。
上述したような、子どもが約束を守れないという状況でも同じです。

「時間になったら玩具を片付ける約束なのに、守りません」
「お友達の玩具を取らない約束なのに、いつも取っていきます」
「朝の会は立たないと言っても、いつも座っていません」

これらは約束をしたから解決するものではないかもしれません。

そもそも、どうしてうまくいっていないのか、なぜこういう約束をしなければならない状況になっているのかを考えてみるのも大切です。

ちなみに、「約束」についてchatGPTに聞いてみるとこんな答えが返ってきました。

「約束」は、二つ以上の人や団体の間で、ある条件や合意に基づいて行われる、特定の行動や事柄に対する合意や誓約を指します。具体的には、互いに取り決めたことや、言葉を交わして確約したことが含まれます。

ここで大事なのは「合意」という表現です。
一方的に決められたものは「約束」ではなくて「指示」「命令」かもしれません。

約束がうまくいかないときこそ、本当にお互いに合意が取れていたんだろうか、お互いの状況のすり合わせができていたんだろうか、相手の状況にあった提案になっていただろうか、そんなことも考えてみたいものです。

補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!

佐々木康栄

災害時に役立つさまざまな情報

被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)


防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)


災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)


災害時の発達障害児・者支援エッセンス


#障害者を消さない (ヘラルボニー)


寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)

代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。


#能登の障害者に届け

能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。

この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。    

一緒に応援しませんか?


その他お知らせ

オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」


クラウドファンディング

▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。

そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。

ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。

皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。

一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?


セミナー情報

▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」

ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!



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