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エコラリアって?ーそれもコミュニケーションの特徴の一つ

この記事は1,957文字あります。個人差はありますが、3分〜4分でお読みいただけます。

先日、Twitterで下記の投稿をしました。思っていたよりも関心を寄せて頂いたので、テキストでも少し残しておきたいと思います。

独語(独り言)は誰にでもある?

自閉症スペクトラムの中には、独り言が目立つ方々がいます。
周囲からは「静かにするためにどんな工夫をしたらいいか?」と聞かれることの多いテーマの一つです。

こうした独り言は、「でも、誰にでも多少はあるのでは?」と聞かれることもあります。確かに、それはその通りです。でも、自閉症スペクトラムの方々の場合には、その程度や頻度が目立っていたり、一見するとその場には関係のない内容だったりすることがあります。

対応を考える前に、まずは「独り言」としてよく知られる、「エコラリア」ということについて整理してみましょう。

エコラリアって?

エコラリアというのは聞きなれない言葉だと思います。
エコラリアとは自閉症スペクトラムのコミュニケーションの特徴の一つ(もちろん、全員にあるわけではありません)で、オウム返しのように「相手の言葉をそのまま繰り返すこと」を意味します。

これには、すぐに繰り返す「即時性のエコラリア」というものと、過去に見聞きしたこと(CMやアニメ、周囲の人が言っていたフレーズ)を繰り返す「遅延性のエコラリア」というものがあります。以下の図のようなイメージです。

エコラリアにもさまざまな意味がある

こうしたエコラリアには、言葉をただ反復をしているようにコミュニケーションの意味を持たないものもあれば、中にはコミュニケーションの意味を持つものもあります。コミュニケーションの意味を持つとはどのような場面でしょうか。

例えば、以下のような意味や意思表示として用いられる場合があります。

ですから、どのような場面で出やすいかをまずは観察をしていくことが大切です。そして、こうしたエコラリアのような独り言は、
・最初から独り言はない
・いずれ言わなくなる
・コンディションのバロメーターになる
など、その方によってもさまざまです。

大事なことは、以下のようなことを知っておくことかもしれません。

  • 同じ独り言でも状況によってその意味は違うことを知っておくこと

  • 不安に耐えたり、切り替えのために用いられていることもある

  • どのような場面で目立つのか/目立たないのか、それぞれの状況でどんな違いがあるのかを整理すること

  • その上で対処を考えてみる

まとめ

今回は、「エコラリア」をテーマに書いてみました。
音声では、また少し違う視点で解説しておりますので、宜しければ音声もお聴きいただけますと、より理解が深まると思います。

佐々木康栄

いくつか宣伝

今回は視覚支援をテーマに書きました。視覚支援もわかりやすい環境設定の一つですが、そうしたことをテーマに、代表を務めているTEACCH研究会東北支部にて、6月18日(日)にお話をさせて頂きます。

TEACCHプログラム研究会東北支部

TEACCHプログラム研究会ではこれからご一緒いただける会員の方々を募集しています(東北在住の有無は問いません)。東北支部会員の皆さんには、これまで会員限定コラムや動画を配信しています。支部としては、一般的な研修の機会だけを提供するのではなく、会員の皆さんにとって有益となるようなものを提供させて頂いたり、コミュニティとしてより繋がりができ、そこに価値を作っていきたいと思っています。現在の会員特典としては下記になっていますが、今後より充実させていきたいと考えています。

【会員特典】
・研修費の割引
・会報誌の閲覧 ・指定する研修参加への助成(最大50%、上限2万円) ・限定コラムの配信(無料)
・限定動画の配信(無料)
・オンライン座談会(無料)

【今後追加する特典】
・新たに支部会員との対談動画を配信していく(会員のみ視聴可能。無料)。→内容としては、会員の皆さんの中にはさまざまな立場の方がおり、それを活かした取り組みをしていきたいと思っています。例えば、偏食含めた食事における工夫、心理検査を活用するための工夫、発達障害と司法など、それぞれの専門家の方々と佐々木とで対談をし(45分〜60分程度)、それをお届けしたいと企画しています。5月は、「偏食含めた食事における工夫」ということで調理師の方とお話ししたいと思います。  

このコンテンツでは、普段の研修会とは違った、よりニッチなこともテーマとして扱っていきたいと思いますし、会員の皆さんからもご質問をお受けしたいと思います。ぜひご一緒しませんか?

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