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囂

ゴウ。「頁」は神に祈りを捧ぐ祭司の姿であり、その四方を祝詞がはいった箱を表す「口」で囲った文字。祭司の聲が囂々と響く様。

過日、弟子のギリシア人が日本における神代文字を識りたいというから、スからはじめた。神声というが、無音でありながら喉をあたかもあるべき声の形にして、軀の裡に声を響きわたすことが言靈の第一歩である。全宇宙でも稀な日本語母音ウオアエイのまえには、声の空たるスが睡る。日本語はすごいのだ。

八卦がよい。この言の葉、実は日本人なら一度は聞いたことがある台詞だ。否、そんな言葉は聞いたことないと反論される方も少なくないだろうが、否々、ぜったいに聞いている。実はこれ、行司が「はっきょよい」と言っているものである。相撲はスポーツではない。そして逆に五輪にこそ八卦が必要なのだ。