2歳の子育てに必要なことはコレ一択
1.うちの子、手が出てしまうんです
2歳のお子さんがいる、現役お母さんから、こんな相談をいただきました。
「(子どもが)怒るったときに手が出ることがある。それって自然なこと?」
結論から言うと自然なことです。
どうして手が出るの?
「言葉が出てこないから。」
以上です!
イヤだった、やめてほしい、そうじゃない・・・!
いまの気持ちにピッタリ合う言葉が見当たらない。
そんな行き場のない感情を「手」「足」「口(噛みつき)」で表現しています。
大人でもありませんか?
ムシャクシャして物に当たりたいとき。
ソレです。
じゃあ、手が出るのは仕方がないことだから放っておいてもいいのか?
それは、違いますよね。
…というか、親(大人)として放っておけないですよね。
※ここでいう「手が出る」は、仲間との意味あるぶつかり合いやケンカとは別のものとして考えています。
それでは、放っておけない親(大人)はどうしたら良いのか?
2.「手が出てしまったとき」どうしたらいいの?
例えば…
ぬいぐるみで遊んでいたAちゃん。一瞬目を離した隙に、後からやってきたBちゃんにとられてしまった。(Bちゃんは、Aちゃんが使っていたことを知らなかった)
泣いて取り返そうとするAちゃん。
突然、取られそうになって抵抗するBちゃん。
“あるある”すぎる光景。
こんなときに、やりがちな声がけが…
「みんなのおもちゃだから一緒に使おうね」
「じゅんばんに使ったら?」
(ぬいぐるみ一緒に使うってどうやんねん!)
(わたしは「いま」使いたいんやー!)
必要な声がけは…
「いやだったね」「ぬいぐるみ使いたかったね」「突然とられてビックリしたね」
と、子どもの気持ちを「受け止める」こと。
そして、落ち着いたところで…(根気強く受け止め続ければ必ず落ち着く!)
「じゃあ、かしてって聞いてみる?」
「他のぬいぐるみ探してみる?」
と切り返していく。(子どもに次の手立てを提案する)
これを「受け止めて、切り返す」と言います。
2歳児(イヤイヤ期)の保育・子育てで必要なことと聞かれたら…
応えはコレ一択です!
大人でもあると思うのですが、仕事から帰ってきてヘトヘト。疲れているときに…
「働かないと食べていけないだから仕方ないじゃん」「じゃあ、仕事休んだら?」って言われるよりも…
まずは「お疲れ様」「大変だったね」「疲れるよね」と声をかけてもらいたくないですか?
わたしはそう。
ポイントは、心の中では思ってなくても、言葉では受け止めてあげること!笑。
毎回心から共感するのは難しい。
そりゃあ、見ていて…「そんなに泣かなくても〜」「そりゃあ、とられて当然だよ〜」と思うことも多々あるけど…言葉では「イヤだったね」と受け止めることがポイント。
3.「受け止めて、切り返す」から生まれるもの
「かしてって聞いてみる?」
「他のぬいぐるみ探してみる?」
と大人が切り返した言葉を子どもはしっかり積み重ねていくので、そのうちに大人が切り返さなくても…
自分で「かして?」って聞いてみたり、他のおもちゃを探すっていう行動ができるようになっていく。
特別支援学校の教諭の川上康則さんの記事の一部抜粋
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「言葉より先に手が出てしまう子」の行動を見ていると、行動のレパートリーが極端に少ないことに気づかされます。自分が思い通りにいかない状況に置かれたとき、今までとっていた行動ではうまくいかないということに気づき、行動を修正し、再度挑戦するということがなかなかできません。自己を客観的に見つめなおす力、行動を自ら修正する力、再挑戦する力は、いろいろな行動レパートリーを「手持ちのカード」として持っているからこそ発揮できるのですが、「言葉よりも先に手を出す」という強力なカード1枚が支配的なために、それらの力がなかなか発揮されずにとどまっている状態なのだと、考え直すことが必要です。
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前回のぬいぐるみの例でいう、行動レパートリーは…
①「かして」って聞いてみる
②他のおもちゃを探す
③もっと魅力的なおもちゃを持っていって交換してもらう
④相手が使い終えた瞬間を見計らって使う
などなど。
大人・保育士が受け止めて・切り返すことで子どもの「手持ちのカード」が増えていくのだと思います。
さいごにもう一度。
2歳児(イヤイヤ期)の子育て・保育に必要なものはコレ一択。
「受け止めて・切り返す」
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