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子連れ美術館 【円空大賞展】@岐阜県美術館

コロナ関連のニュースに埋め尽くされている今日この頃。皆さまいかがお過ごしでしょうか。私実はこの度第二・三子を授かり、現在絶賛つわり中です。そう、第ニ・三子。二番目か三番目かがあやふやなわけではありません。なんとなんとの双子でございます。あーびっくり。まさかの双子…。人生って本当に予測がつきません。

とまあ妊娠の話はこのnoteの主旨とずれるのでこの辺にしておきまして、つわりの間隙をついて先日久々に行けた子連れ美術館をリポートします。

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今回訪れたのは、岐阜県美術館。改修のため一年間休館していましたが、2019年11月3日にリニューアルオープンしています。

現在開催中の展示は『第10回 円空大賞展』。公式サイトによれば円空大賞とは、修行僧として全国を行脚しながら生涯に12万体もの神仏像を彫り続けた円空の独創性や慈愛の精神を注目すべき本県の個性と捉え、土着の伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造している芸術家を「円空大賞」として顕彰しているもの、だそう。2016年には、中谷芙二子さんの「霧の彫刻」が大賞を受賞しています。あれも面白かったな。

今回の目的は奈良在住の彫刻家、安藤榮作さんの作品。実は以前勤めていたギャラリーで個展を開いていただいたことがあり、それ以来真っ直ぐで情熱に溢れたそのお人柄に惹かれ続けているアーティストさんです。

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安藤榮作さんのインスタレーション。斧一本で丸太から刻み出された、力強い造形が魅力です。

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福島第一原発のドローイングを背景に、円空さんの不動明王も鎮座ましましています。

安藤さんは震災時、福島第一原発から約30km、海岸から15mという場所にお住まいになっていました。ご自身と奥様、二人のお子様は無事でしたが自宅は跡形もなく流され、一人で留守番をしていた飼い犬のユイを失くされ、そして原発の爆発に追われ、取るものもとりあえず車で避難されたそうです。震災後、様々な想いを抱えながら製作活動を続けられ、2017年には平櫛田中賞を受賞されています。

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展示空間で、静かに横たわるヒトガタ。津波で流された人たちのようにも見える。でも不思議と怖くはない。たまに、腕を伸ばしている人もいたりして、ひとつひとつ全部違う。

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美術館ではベビーカーに乗るのが楽しみの娘も、ここでは自ら「おりる」と宣言し、空間を堪能していました。(展示室内では手つなぎが必要です)「みんな、ねんねしてるね」「こけこっこーだね(鳳凰のこと)」など発言していました。

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安藤さんの怒りと憤り祈りと鎮魂、そして祈りが、作品に昇華されている。そして、どっしりと立つ円空仏がそれを静かに受け止めている…。様々な想いが渦巻き、けれども全体には陽のエネルギーが放たれている。素晴らしい空間でした。

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今回、ヒトガタを彫るワークショップにも申し込んであったのですが、政府の自粛要請で敢え無く中止。政府の対応についても大いに大いに思うところありですが、それもこのnoteの主旨とずれるので割愛。楽しみにしていたアーティストトークもなくなり、本当に残念でした。

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他の受賞者の作品も見ごたえあります。こちらは、池田学さんの絵画作品。細かい〜!

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白いところは全て紙の色で、ホワイトは使っていないそうです。

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同時開催の「カラー・マジック展」も堪能し、鑑賞時間は約1時間程度。子連れにはちょうどいい規模で。そして、岐阜県美術館は外でのびのび遊べるのも子連れにおすすめのポイントです。

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誰もいない芝生でごーろごろ。公園は結構人混みになってるこのご時世。美術館のお庭、子どもを遊ばせるにも穴場です! 美術館でも、外なら走り回っても大丈夫。

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NHKでも「混雑していない美術館での鑑賞は感染のリスクが低い」と言ってました。だから美術館は簡単に休館しないでー!(もちろん、疑わしい症状のある方は自宅で安静にしていてくださいね)

岐阜県美術館の円空大賞展は、2020年3月8日までです。最後までお読みくださりありがとうございました。


追記。安藤さんは、クレヨンハウスから「あくしゅだ」という絵本も出されています。

こちらも素晴らしいので、大人も子どもも、ぜひ。あと、こちらのエッセイ集も。素晴らしいエピソードがぼんぼん出てきます。

このお店の在庫は、残り2冊とのことです。私も読み返そうと思います。


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