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プロジェクトの病態関連図

プロジェクトで見舞われる数々の問題

プロジェクトを進めていると実に多くの問題に見舞われます。

・目標はあるけど具体的なことや成功の定義があいまい。
・意思決定の基準がなく、優先順位を決められない。
・KPIが設定されたけど、とても達成しそうにない。
・誰も全体を把握していない。
・メンバー間の議論がかみ合わない。
・共通認識・共通言語がない。
・会議の着地点がわからないまま終わってしまう。
・議論が些末になったり、すぐに脱線してしまう。
・必要な作業をすべて洗い出せているか不安。
・メンバーが自分で考えて行動してくれない。
・関係部署が非協力的。
・部門間の業務の連携がうまくいっていない。
・お互いに何をどう考えているのかわからない。
・追加作業、仕様変更・修正が相次ぐ。
・上司やクライアントからやり直しを度々求められる。

これらの問題は単独で発生し、存在しているわけでなく、相互に関連し合っています。また、ある問題は結果でもあり別の問題の原因でもあります。
「全体を把握していない」から、「議論が些末」になります。
「全体を把握していない」のに加え、「成功の定義があいまい」で「共通認識」もないので、「部門間の連携」がうまくいかなくなります。ある問題が別の問題の症状を重く(強化)してしまうこともあります。
こうした問題が積み重なって、遅延、品質不足、予算超過といったプロジェクトの死に至ります。

問題を「病」に見立て、症候群にまとめる

プロジェクトの問題は多岐に渡ります。それらを一つずつ詳細に分析し解決策を講じるのには時間がかかってしまいます。そこで、プロジェクトの問題を「病(やまい)」に見立て、似た症状のものを分類し、いくつかの「症候群」にまとめてみました。(※症候群とは、一つの共通の原因から、いろいろな症状や兆候、それも互いに関係のなさそうなものが、さまざまな組み合わせで起こってくることをいいます)

冒頭に書いた問題を、下記の症候群にまとめました。リンク先にそれぞれの問題の詳しい解説と、予防のためのお勧め書籍を紹介しています。

プロジェクトの各種問題症候群

あいまい・多義性症候群

俯瞰不全症候群

情報コスト高症候群

プロジェクトマネジメント経験不足

抱え込み症候群

中央集権症候群

アパルトヘイト症候群

縦割り・分業症候群

コミュニケーション不全症候群

フォロワーシップ不全症候群

後天性蛇足・転変症候群

プロジェクトの病態関連図

そして、これらの症候群の関係性を可視化した病態関連図をつくりました。

プロジェクトの病態関連図

病態関連図とは、その病気が発生する原因やその病気が現れてくる症状を図にしたもので、医療の世界で使われている表現形式です。今回作成した図は症候群でまとめているので、問題症候群マップと呼ぶときもあります。

あいまい・多義性症候群は、アパルトヘイト症候群の原因になり、俯瞰不全症候群と情報コスト高症候群は相互に原因となり影響を与え合います。
情報コスト高症候群はコミュニケーション不全症候群の原因になり、コミュニケーション不全症候群は縦割り・分業症候群の原因になります。
アパルトヘイト症候群は「分断」の意味のもと、縦割り・分業症候群、コミュニケーション不全症候群、フォロワーシップ不全症候群を包含しています。
プロジェクトマネジメント経験不足は抱え込み症候群の原因になり、抱え込み症候群は中央集権症候群と表裏の関係にあります。
中央集権症候群はフォロワーシップ不全症候群の原因となります。
ほとんどの症候群は後天性蛇足・転変症候群の原因になり、後天性蛇足・転変症候群はプロジェクトの死の直接的な原因になります。

問題の処方箋

問題の原因がわかれば対処お手立てを講じることができます。処方箋としての書籍や研修、ワークショップは世の中にひろく出回っており、上述の症候群のリンク先でも予防のためのお勧め書籍を紹介しました。また、私個人も処方箋をいくつか持っています。

もし、みなさんのプロジェクトがうまく進んでいない原因に、「あいまい・多義性症候群」「俯瞰不全症候群」など上述の問題症候群があれば、ぜひ一度下記のWebサイトにお立ち寄りください。こちらでは、問いかけ・対話を通じて、あいまいさを削減し、プロジェクトの見通しを立て、全体像を可視化するための「カウンセリング」を提供しています。


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未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。