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転ぶものに幸あれ

海外/四年制大学文系/マーケティング・プロモーション志望

人生どう転ぶかわからない。当たり前だが、それを面接日に気付かされるとは思わなかった。携帯を頼りになんとかホテルに辿り着いた私は、疲労困憊でありながらも緊張で中々寝付けなかった。案の定、寝坊をして大慌てでホテルを飛び出した。そして必死に走る途中、段差に引っかかり転んだ。幸いなことに私は無事だったが、不運なことに携帯は無事ではなかった。電源が入らない携帯をカバンに仕舞い、山手線に乗り込んだ。身動き一つ取れない満員電車の中、携帯もいじれず緊張と焦りだけがいたずらに倍増してきて、やむなく路線図を凝視した。路線図を瞼に焼け付かんばかりに見つめていると、徐々に心が落ち着いてきた。というより、諦めがついた。焦っても電車が速くなる訳ではない。そう思って路線図から目を離し周りを見回すと、漫画を読んでいる人が結構目立った。皆寝起きで眠そうな顔だけど度々口元がニヤついていて楽しそうだった。やっぱり出版社で働きたい。そう思える時間だった。そんな考え事をしてるといつの間にか乗換駅に着き、慌てて有楽町線に乗り換えた。護国寺駅を出て懸命に走り、面接時間ちょうどに会場に着いた。紆余曲折あったけど、今日は準備したものを全部出し切ろう、そう決心し面接室に入った。しかし、志望動機からして言葉に詰まってしまった。頭の中はおびただしい言葉で溢れていたが、どれも違うように思えた。その時、ふと電車で見た人々の笑みを思い出した。この笑みを広げたい。朝に感じた胸の高鳴りを信じて、朝の光景の話で口火を切った。結果、内定をいただくことができた。人生はどう転ぶかわからない。時には本当に転んだりもする。しかし、転んでも周りを見渡せば何かしらの発見がある。転んでもただでは起きないどころか、転んで大儲けをするかもしれない。そう思うと、転ぶことも楽しめる。移り変わりの激しい現代、転んでもただでは起きない人にこそチャンスは巡ってくるのかもしれない。

液晶ペンタブレットのWacom MobileStudio Pro 13。就職活動で落ち込む時でも、好きな作品のファンアートを描いていると気持ちが高まって、やっぱり出版社で働きたいと思えてきた。
寮の枕が合わなすぎて困っていた時に、これを機に自分で選んで買ってみようと思って買ったマイ枕1号。おかげで毎日熟睡できて次の日も頑張ることができる。

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