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素の私が一番の味方

関西/四年制大学文系/コミック志望

就活中は、誰とも連絡を取らなかった。自分の意思が誰かに惑わされるのが嫌だったから。講談社を受けていることは、2次面接で貰った交通費の封筒を渡すまで、親にも話していなかった。自分の夢を知られるのが嫌だったから。私の就活は常に孤独で、毎週末一人で大阪・日本橋のカフェに行き、街ゆくオタクを見ながらパソコンに向かっていた。

『Yes!プリキュア5』の水無月かれんに憧れて生徒会に入り、<物語>シリーズの戦場ヶ原ひたぎに憧れてクールな心を育て、VTuberのローレン・イロアスが好きで自分もゲーミングPCを買う。フィクションへの好きが行動に結びつく私の、9年間変わらない漫画編集者への憧れ。この気持ちを胸に、9年分の準備と覚悟で就活に挑んだはずだった。

しかし実際始まると、出版就活の壁は想定の何倍も分厚い。もうオタクとして働けるならどこでもと思い、ゲーム会社のインターンや本気になれない会社も受けた。

ただ何度振り返ってもこれは断言できる。講談社の面接が一番楽しかった! 他企業の面接で経験した、今私何て言ってるの? という感覚が一切無く、ちゃんと会話ができたから。
2次面接からは私にとって初の対面面接だったが、やはり会話できている感覚があった。そのくらい講談社の面接は、それぞれに向き合い、個人を見ようとしてくれる。

「10年後どうなりたいの?」という問いに「オタクとして生き、働きたい!」と正直すぎる回答でも、「生徒会とかの真面目な君とオタクな君、どっちが本当の君なの?」に対し「どっちも本当の私です!」と真っ直ぐに答えても、許してもらえた。
講談社だけが、偽りの自分でなく、ひたすら素の自分で挑ませてくれた。

終始孤独に進んだ就活で、見えない周りのレベルが高く見え、自分じゃあ無理と思うことがたくさんあった。でもだからといって、自分を飾るのではなく、漫画編集者になりたいと思った素の自分をぶつけてよかった。

初志貫徹。素の自分が一番の味方。

「この道の先ならきっと大丈夫」ちょうど10周年の映画が公開され、その歌詞・セリフに何回も勇気づけられた大好きな『アイカツ!』
最終面接から結果発表の間に、母が食べさせてくれたモンブラン。かつてない美味しさだったけれど、落ちてるかもというストレスによる腹痛があり、初めて自分は心の不調が体調に影響するんだと気付かされた。
就活中もほどほどに楽しんでいたゲーム

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