2月に観た創作物
1.バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる
日本マイクロソフトの代表取締役社長を務めた経験のある成毛眞さんの本。
文章力について検索すると割とヒットする本で、何度か見たことがありサクッと読めそうだったので購入に至りました。
自分の文章を「バズる書き方」のお手本として挙げているのはすごい度胸だと思いつつ、確かに読みやすかったです。
割ときちんと書こうとすると際限なく推敲してしまう方なのですが、推敲の重要性が強調されていてなんとなく後押しされた気分になりました。
読みやすい文章の「見た目」とか、漢字や意味の「閉じ開き」、文章のリズム感、読み手との情景の共有などは自分も最近思っていたことだったので共感しました。
面倒くさいけど粘り強く推敲した文章って後から読み返すと、リズムよく読めるんですよね。がんばりたい。
2.傷物語
物語シリーズの原点にして、全ての<物語>のはじまりである本作品。
中高時代は西尾維新作品で育ったと言っても過言ではないですが、物語シリーズの中でも特に傷物語と恋物語は面白かった印象があり、観に行きました。
ちなみに当時公開された3部作の方も観ましたが、8年も前だし色々忘れているだろうと思って決行しました。
以下観た感想。
物語の中の細かい部分は結構忘れていましたが、大筋は覚えていました。
特に原作読んだ時に衝撃を受けたギロチンカッターのくだりと、8年前劇場で衝撃を受けたキスショットと阿良々木くんの首が落ちまくる対決シーンはやっぱり今見ても印象的でした。
8年前は、映画の作画で描かれた羽川翼が良すぎてほぼそれしか覚えていないですが、今回は羽川さんとの濃密な絡みのシーンがカットされていて、その点では少々物足りませんでした。残念。
ただ、相変わらずテレビアニメ版よりもかなり好みの作画でした。
年を取ったのか、走り方とか言動のあざとさが若干鼻につくようになってしまったけれど。
その一方で、今回の鑑賞では、今まであまり印象に残らなかった部分に目が引かれるようになりました。
例えば、謎に映りまくる日の丸とか、妙にだだっ広い駅や廃ビルとかは、物語シリーズをアニメ化する上での演出としてどうやら良い味を出していたらしいと感じるようになりました。
ちなみに、物語で登場する駅は新宿三丁目駅がモデルだそうで、劇場版の公開を記念して大々的に広告が貼られているらしく、見に行ってみましたが掲載は終わってましたorz。
話を戻します。
キスショットと阿良々木くんの邂逅シーンである駅のシーンは初見時はそこまで印象に残っていたわけではないんですが、今回の映画では凄く印象に残りました。
構内の血を辿っていくシーンでは、SOSのモールス信号が鳴り響きながら、確実に嫌なものが先にあるのに止まれない感じが非常に伝わってきましたし、文字通り手足をもがれた怪異の王が、一旦は上から目線で対応してみるも、死に直面した途端に生きたいと泣き喚く様子が赤子の鳴き声で表現されていたところとかも映像ならではという感じで良かったですね。
あんなに無様に泣かれたら可哀そうになって命を捧げてしまうかもしれない。
羽川さんがこれ以降の物語でも色々報われなくて悲しいので、原作を読んだ当時はこの傷物語の時になぜもっと直接的な言葉でアタックしておかなかったんだ、そうすれば戦場ヶ原とかいうぽっと出の女に取られることもなかったのに…と思っていましたが、今回の映画を観ていると、なんというか羽川さんは阿良々木くんと一緒になるには、男らしすぎるし、人間として独立しすぎていて並の人間では相互関係が成立しにくそうだから、結局くっつくのはガハラさんで良かったのかなという気もしてしまいました。
男らしいと感じた場面としては、パンモロした本人なのに決まずい空気を自分から打開していくところとか、自分から相手の携帯に連絡先登録するところとか。全体的に押せ押せなんですよね。
映画の序盤の方で二人が川沿いを歩きながら会話するシーンがありましたが、こういう縦に並んで歩いているシーンでは、大体関係の主導権を握っている方が前を歩いていて、振り返ったところで会話を行う作品が多い気がするんですが、普通に羽川さんが前を歩いて振り返っていました。
うーん。男らしい。
そういう意味でちょっと抜けているところもあるガハラさんとかの方が阿良々木くんとの相性も良いのかなという気がしてしまいました。悲しい。
でもやっぱり好きな人と一緒になれて幸せな羽川さんも見たかったなぁ。
何はともあれ、また物語シリーズ追ってみようかなという気持ちにさせてもらいました。またこの作画の羽川さんを観たい。
3.読書は「アウトプット」が99%
最近本を読んでいるときに、ただ読んでいるだけだと1週間後には思考から抜け落ちて消えてしまいそうな気がして勿体ないなと思ったので読みました。
この本では、本を読んだ後に「話す」「書く」「(内容を)実践する」というアウトプットをすると自分への定着率が上がり、自分の思考や行動が変容していくという事が語られています。
以下に共感した部分や参考になった部分を挙げます。
様々なジャンルの本を読むことで、モノゴトの全体像が見えるようになり、俯瞰力が付く。既存のモノゴトに対する新しい結びつきを発想しやすくなる
本に書いてあることを自分なりに噛み砕いて人に説明したり、自分で実践してみてどう感じたかなどを考えると、本の内容+αが得られる
気分や目的に合わせて読む本を変えて良い(同時に何冊も読んで良い)
ネットの方が情報の速さとしては優れているが断片的であるため、本の方がジャンルに対する背景なども含めたまとまった知識を得やすい
自分なりの言葉で言い換えるだけでも立派なアウトプット
本は対話しながら読む(書いてあることが本当か、自分ならどう思うかを想像しながら読む)
小説などで自分が感動することで、人の心を動かすための土壌が出来る(自分が感動したことが無いと人を感動させることはできない)
触れるジャンルを広げることで斬新な発想に繋がるということは自分もやっていたことだったので強く共感しました。
最近は沢山読むために一冊一冊を早く消化しようと思って、文章が頭からすり抜けていってしまうように感じることが多かったですが、自分のペースで反芻しながら読んでいこうと思います。
4.パラサイト 半地下の家族
半年近く前に最初の15分だけ見てそれきりになっていた作品。
ふと気になって全部観ました。
いや~面白かった。評価されているだけのことはある。
でも少々Hなシーンもあったので家族で観なくて良かった。危ない。
絶対ネタバレなしで見た方が良いと思うので、詳しくは書けませんが、「計画」がくるって失敗した経験から、絶対に「計画」が崩れないようにするために「無計画」に走った結果、衝動的に行動してしまい最悪の結果になった、という感じの映画でした。
結局、計画が崩れることは前提としたうえで、それでも計画を立てた方が良いのか、無計画でも衝動的にさえならないようにすればいいのかは分かりませんが、どんなに想定外のことが起こっても動じないメンタルと最悪目的自体を諦められるくらいの身軽さは身に付けたいものです。
すぐオロオロしてしまうのに、むやみやたらに英語を使う奥さんが絶妙な宿主感を出してました。
5.アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図
世界史で勉強したけど忘れているし、そこまで詳しく知らなかったので、知っておきたいと思って買いました。
買ってから1990年代に初版が発売された割と古めの本だと気付きましたが、かなり分かりやすく書かれていて勉強になりました。
ただ、まだ混乱してたり理解しきれていない部分もあるので、またいいタイミングで読み返したい。
ナチスによる迫害の「被害者」だったイスラエルが、アメリカの支援の下、国としての存続をかけて軍事的に成長したことで、いつの間にかパレスチナやその他のアラブ世界の「加害者」にまで立場が変わってしまっていることは何とも言えない気持ちになりました。
また、イスラエルとアメリカや、アラブとパレスチナといった同陣営とされている国同士もお互いに利用しあっているという点も興味深かったです。
そして、国際情勢を動かしているのはイスラエルの核武装にしろ、米ソの兵器の差にしろ、パレスチナのインティファーダにしろ結局は「暴力」である気がして惨憺たる気持ちになり、日本もこれでいいのかなどと考えてもみますが、国民皆兵を受け入れるほどの気概があるかと言われると微妙なのでまだ自分の中の結論は出せなさそうです。
6.傑作はまだ
50歳のある程度売れているが孤独な作家のもとに、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子が訪ねてくる話。主人公は息子との出会いをきっかけに人との関わりを取り戻し、そこにささやかな幸せを見出せるようになっていきます。
かなりさっくり読めて、ほっこりするので、先月読んだアイネクライネナハトムジークに近い印象です。
自分一人で過ごしていると、他人によって面倒ごとに巻き込まれる心配などなく自分のためだけの気楽な時間を過ごせますが、そのような殻の中だけを動き回る生活には近所の人がたまたま料理が余ったからとおすそ分けをしてくれたり、顔見知りのコンビニ店員がサービスしてくれたり、知らなかった一面を知ったりといった「サプライズ」は存在しません。
他者との交流を取り戻すことで面倒ごとも増えますが、それ以上にささやかな幸せが得られるようになっていくという話でした。
なんというか部活で他者との交流はかなりあったものの、それ以外のプライベート面ではかなり孤独な大学生活を送っていた自分には結構刺さる話でした。
いつか自分の殻から出て共に時間を過ごしたいと思える繋がりが出来るだろうか。その気持ちに素直になれるだろうか。
7.夜は短し歩けよ乙女
大昔にノイタミナでやっていた四畳半神話大系が面白すぎて観終わりたくない気持ちから結局最終話だけ見ないまま現在に至っていますが、同じ森見登美彦原作の作品です。
四畳半神話体系の登場人物が本作でも多く登場します。
この独特のアニメーションや世界観がたまらない。
カオスだけどまとまっていておしゃれ。これが京都か。
声優さんやアジカンとのマッチも良い。
一夜のうちに起きたどんちゃん騒ぎを観終わると、まるで身体に巡っていた酔いから少し覚めたような心地良い感覚の残る映画でした。
若い人たちが甘酸っぱい時間を過ごしているのを横目で見ながら、体内時計がどんどん早くなっていくだけの人生は嫌だなぁ…
8.伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い
時代はチームプレーだというのに、いつまでも中二病を脱せず、未だ「圧倒的な個」への憧れを捨てられないので、手に取りました。
伝説の新人=20代で突き抜けた人
スタートの重要性
「当たり前」の基準を目標とする人のレベルまで高めることで、それが習慣化したときに絶大な威力を産む
スタートダッシュを上手く切ると、周りの人よりチャンスが巡ってきやすくなり、正のスパイラルに入ることができる
1万時間の法則。1日10時間を3年やると大体これに到達する。最初のうちはワークライフインテグレーションで没頭できると強い
没頭した結果、成長の実感や人からの感謝を受けるようになると仕事が楽しくなってくる
チャンスの掴み方
全ての仕事は相手の求める期待値がある
期待値の101%の結果を返すことで相手の印象に残り、好循環に載れる
当事者意識の重要性
上司と同じ目線に立ち、自分事として考え、行動に移す
当事者意識を身の回りのモノゴトすべてに持つことで、「どうすれば解決できるか」「どうすれば相手が喜ぶか」といった思考に頭を使う機会が増え、問題解決能力が養われる
目標設定の仕方
心からワクワクする目標
与えられた目標の200%を目指すことで自分の中の全ての力をフル稼働せざるを得ない状況に追い込める
大きな目標から逆算し、目標を細分化して達成すべき期日を決める。その後、目標達成のために必要な因子を探り、行動指針を決定する。
紙に書くことで言語化され、何度も目にすることで潜在意識に刷り込まれ、情報感度が高まる
やることが決まったら、あとはその小さなやることを積み重ねる。それが唯一の成功への道
新人の間の有限な時間の使い方
日々の活動を、重要度と緊急度の二軸でマッピングし、重要度の高い活動への優先順位を高める
「重要だが緊急性の低い活動」が後回しにならないように、時間をあらかじめブロッキングしておく
同じ情報をどう解釈するかで心持ちが変わってくる
失敗を学びと解釈できるかどうかで継続できるかが決まる
「なぜできないんだろう」→「どうしたらできるのか」
異なる視界を持った他者の視点をインプット
「抽象の梯子」「虫の目・鳥の目・魚の目」を用いて様々な角度から物事を見る
基本的に他者との協同によって成り立つビジネスにおいて質の良い人間関係が成功をもたらす。
良い人間関係を構築するカギは「好かれる人」になること。
「好かれる」には相手が何をしたら喜ぶかを考えて「与える」習慣をつけること。
他者と自分との繋がりを再確認し、「感謝」の気持ちを持つことで「与える」行動をとりやすくなる。
言いたいことを思った通りに相手に理解してもらうことは仕事において重要
相手に「伝わる」ことをゴールに設定し、そこから逆算して話す内容を考える
伝える相手は誰か(相手が興味を持つ切り口を考える)
何を伝えるか(相手にとって何が重要か)
どう伝えるか(数字で補強したり伝達手段を選んだり、できるだけシンプルなストーリー展開にしたり)
20代は出来る人のやり方を徹底的に学ぶ(真似する)
最低でも週一冊は本を読み、アウトプットすべし
一つ一つの事柄への粘り強さは結構ある方だと思いますが、時間の使い方はかなり下手な方だと思うので、時間をブロッキングして計画通りにタイムマネジメントするところからやってみようと思います。
9.キャラクター
何か公式サイトが見れなかったので予告を貼っておきます。
SEKAI NO OWARIのFukaseが殺人鬼役をやるらしいと聞いて公開当時気になっていたものの、結局見れず終いだったので観ました。
ストーリーは結構駆け足感があって、ドラマでやった方が登場人物の心情描写とか出生の話とかの深堀り出来て良かった気がしますが、全体的に特段ダレるところもなく楽しめました。
キャラクターと銘打っているだけあって、殺人鬼役のFukaseのインパクトはかなりあり、ハマリ役だったと思います。首の動かし方とか目の動きとかちょっと体がしなっている感じとかちょっと高い声とかが総合的に適度に気持ち悪い。
最終盤の漫画家と殺人鬼が重なり合うシーンは、漫画でのシーンと重なり方が逆になっていましたが、漫画家が殺人犯に変貌しかけていることの象徴的なシーンだと思います。
「俺があいつの中に入って、あいつが俺の中に入って…」といったセリフがありましたが、強烈すぎるキャラクターに触れてしまうと、無意識のうちに自分自身が変化してしまうのかもしれません。
危ないキャラの人とは付き合わない方が良いのか、跳ね返せるバリアとして、自分も強固なキャラを身に纏うべきなのか、検討します。
10.ミュージアム
キャラクター観た流れで観ました。
ストーリーが大分コンパクトに纏まっていて、綺麗なオチだったという感じでした。後味悪いまま終わるけど、それが良い。
チェンソーマン読んだのもあって、ハンバーガーのくだりは騙されました。
11.大河への道
中井貴一、松山ケンイチということで面白そうな感じがして観ました。
結論、面白くなくはなかったけどイマイチ盛り上がりどころが分からなかったですね。現代パートは面白かったけど、大河パートにあまりハマれませんでした。
筆を執るかどうかの基準は、鳥肌。という言葉は心に残りました。
以上、2月に観た創作物でした。
前半は結構本読めてましたが、後半全然読めませんでしたね。無理せず読むのを続けていきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?