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クラウドファンディングの本当の使い方

近年だいぶ浸透してきたクラウドファンディング(以下、CF)。CFとは何か、CFの種類などはググっていただくとして、起案者の経験と地域特化型CF「FAAVO」エリアオーナーをサポートしている身としてCFの魅力と本当の使い方をご紹介していきます。

CFの魅力

魅力は何といっても「資金調達」…ではありません。確かに資金調達が目的の一つではありますが、結果論として資金が集まるわけで、(資金調達が)失敗に終わるプロジェクトには、失敗するべく失敗しています。一方成功するプロジェクトは然るべく成功するものもあれば、不思議と成功するものもあります。起案者のストーリーや情熱に支援者が共感することでSNSで拡散され注目されることで思いもしないほどの成功(達成率)へとつながることがあります。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ということですね。

これからの時代「顧客中心」ではなく「人間(精神)中心」のマーケティング3.0の考え方が必須となります。CSやCISとよく言われてきましたが、CFはその先の時代とを体現していると感じています。社会や世の中の課題と整合性があり、人の精神部分に訴えかけられる活動や事業であることが前提で、しっかり持続可能なモデルであることが重要視されます。支援者は言葉にはしなくとも起案者のそういった部分を無意識にも捉え、支援するかどうか判断しています。営利・非営利問わず社会に必要とされる事業であるかどうか判断できることがCFの魅力と言っても過言ではありません。

それだけ世間の反応は正直

CFは銀行融資とは全く性質が異なります。資金調達が最たる目的で企業と銀行にメリットのある事業であれば銀行融資でOKです。CFをする最たる理由は資金調達に限りません。よく目標額に対し達成率300%とか1000%とかのプロジェクトを見たことはないでしょうか。そしてそういったプロジェクトに限って目標額が控えめだったりします。この時点で資金調達だけが目的ではないことが分かりますよね。本当に世の中に必要とされる事業なら結果として予想以上の資金調達が可能となります。逆に必要とされていない事業にはいくら目標額が低くても集まりません。それだけ世間の反応が分かりやすいということです。

分かりやすいということを活かす

反応が顕著であればテストマーケティングとして活用できます。一般的に事業や商品をローンチする時は、市場調査をして、事業や商品を作ってローンチしてから初めて反応が分かります。ローンチした後ということは既に資金やコストを掛けて事業なり商品なりを作っているということ。失敗したら大変なことです。CFなら事業や商品を前もって告知し世間の反応を事前に見ることができます。もちろん事業や商品を分かってもらうために事業の座組や取組み状況、試作品などは必要となります。ただ、本格的にスタートさせる前に世間の反応が見れるなら事業の判断もしやすくなるということです。営利・非営利問わず、必要とされない事業を一生懸命行っても自己満足にしかなりません。せっかくやるなら多くの方の共感を得て、社会に役立つ事業や商品を創りたいものです。

自分の一歩を踏み出す場所

なんとなくCFの性質がお分かりいただけましたか?分かりやすいのはモノとして商品ですが、CFで起案するプロジェクトは何も大きな事業に限った話ではありません。「失われつつある伝統工芸を残したい」「お世話になった方へ恩返ししたい」「○○で世界一を目指したい」そういった事業ではない個人の活動でもCFは非常に有効なプラットフォームです。何をやるにしても資金は必要です。もちろん資金が目的ではないけれど、マストツールであり、世の中には「自分にはできないけど支援という方法であなたのプロジェクトに参画したい」という方もいる。もし、挑戦したいことがあるならば一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。


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