遂に陽性反応
「喉痛い。身体怠いしめっちゃ疲れる。」
そう彼女から言われた瞬間
「あ、終わった。」
と思った。
彼女の友人達と一緒に過ごした夜、彼女が変な咳をし始めた。
「喉痛いんか?」
「うん。」
1月に入ってローマはまた気温がグッと下がった事もあり、その関係で喉でもやられたのかくらいで軽く思っていた。
だが翌日彼女から
「〇〇、陽性だったって…終わったね」
「あ、そう。終わったなw」
本来であれば急いで薬局に行き、テストを受けるべきなんだろうがあの場にいた全員が分かりきった結果だろうという事でその日は家でゆっくりしていた。
人生の全て悟りきった老人が「生きていればそれいい」という具合に逆に全員が開き直っていたのがシュールであった。
翌日、朝一番で薬局に行きテストをした。
彼女、友人達はもちろん
「Eccola.(はい、陽性。)」
さっきまで開き直っていたのが一瞬で閉まり直っていた。
僕の番。
「どうせ俺もやんw」
とは言いつつもどこか自分だけ助かるんではないかと内心思っていた。
数十分後検査結果が出たらしく受付まで取りに行くと
「ネガティブの結果用紙必要?」
「うん。… え?はい?ネガティブ?」
「そうだよ、で用紙は要るの?」
「用紙は要るけど、俺ネガティブなん!?」
「そうだって言ってるだろ。」
という事で奇跡の陰性結果が出てしまいつい喜びそうになったのだが、ここで喜べば彼女達に◯されると思い、湧き上がる喜びをグッとこらえ
「陰性やったわ…」
と言うと睨まれた。
◯されると思った。
今後10日間彼女達は自主隔離、僕も数日後に再検査に行こうと思う。
今は彼女が必要な生活用品やご飯を作って家まで持って行ってあげるという作業を続けている。
荷物を届けると彼女の部屋の窓前に立って携帯電話で電話するという意味のわからないことをしているのだが彼女が元気ならそれでいい。
皆さんも手洗いうがいの徹底、アルコールの携帯や人が集まるようなところに行くことは出来る限り避けていただきたい。
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