2023年9月6日に大阪府が国家戦略特区制度を利用した「調剤の一部外部委託」に取り組むことが発表されました。 https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=48799 規制改革推進会議に取り上げられ、近年賛否問わず色々な意見が出ている規制改革ですが、今回はどのような「外部委託とは」「どのような影響があるのか」などを考えてみたいと思います。 外部委託に関する規制緩和は既定路線「調剤の一部外部委託
調剤報酬改定を控えた年は、何かと薬局業界が騒がしくなります。残念ながらそれは今回の令和6年度改定でも発生してしまいました。すでに業界の多く方が知っている「敷地内薬局の整備を巡り入札妨害。逮捕者も発生」です。今回は問題を振り返ると共に、これからの注目点をいくつかまとめてみます。 敷地内薬局誘致で入札妨害事件が発生。薬局の社長を含む3名が逮捕まずは何が起きたのかを整理します。 【報道はこちら】 https://www.htb.co.jp/news/archives_22312
調剤業務を見直し対人業務と対物業務を整理 令和6年度調剤報酬改定に向けた議論がいよいよ始まります。「患者のための薬局ビジョン」の達成に向けて最後の改定となりますが、「対物から対人」業務への移行をテーマに議論が進んでいくことはいう間でもありません。今回は過去に行われた令和4年度改定を振り返り、改定に向けた方向性を再確認したいと思います。 「調剤料」を「対物」と「対人」業務に分けて評価 大きな変化として「調剤料」の見直しが行われました。薬機法の新設に向けた厚生科学審議会では
2022年度診療報酬改定でいよいよ「リフィル処方箋」が解禁になりそうです。欧米ですでに取り組まれているリフィル処方箋という仕組みを聞いたことはある方は非常に多いと思いますが、「繰り返し使える処方箋」程度にしか理解していない方がほとんどではないでしょうか。 日本版「リフィル処方箋」がどのような仕組みになるのかは、これからの発表待ちですが、私がイギリス視察等を通して学んできた制度について、そして課題についてまとめてみたいと思います。 分割調剤とリフィル制度とは日本には従来分割処
2022年度診療報酬改定に向けた年内の議論が概ね終了しました。調剤は「その3」まで行われ、その他「在宅医療」「後発医薬品」等について議題に上がりました。最終的な項目については、大臣折衝による改定率決定によって具体的になってきますが、現時点でわかる状況をまとめてみます。 「プラス」or「マイナス」改定率の行方 12月22日に大臣折衝が予定されているということですが、診療側は「プラス以外ありえない」と要求し、支払側は「マイナスを強く要求する」と間反対な要望となっています。しか
薬学部6年制への以降により新卒薬剤師が誕生しない「空白の2年」がありました。コロナ禍を経て、現在は薬剤師が充足しているという地域も多く聞きましたが、2010年代後半一番多かったご相談内容が、「薬剤師採用」の採用についてです。コロナ禍でオンラインによるコミュニケーションが急速に進み、現在は違うスキームでの採用戦略を各社取っていますが、変わらない部分もあると思っています。当社では2016年から2020年にかけ、15社ほどの新卒採用をお手伝いしてきました。色々なご縁もあり、結果とし
医療費抑制に向けた施策として考えられている「フォーミュラリ―」。医療機関におけるフォーミュラリ―導入が診療報酬上の評価につながるような働きかけもありますが、ちょっとその議論に対して懐疑的な私です。今回はその疑問についてまとめてみたいと思います。知識が足りない部分もあるかと思いますが、そこはご容赦頂ければと思います。 ※いまの議論に対して疑問があるだけで、フォーミュラリーという仕組み等については賛同しています。立場変われば色々な見方は出来る者かと思っています。 フォーミュラ
前回は企業再建協同組合から依頼を受けた「キャッシュショート」している企業の企業再建案件のお話をさせて頂きました。残念ながら色々とあり、結果としては「失敗」に終わってしまったのですが、お金絡みで次は上手く改善できた事例についてお話が出来ればと思います。 ※タイトル画像はイギリスに行ったときに受け取ったお金であり私が書いたものではありません。 キャッシュフローを把握している経営者は意外と多くはないこんなことを書くと怒られてしまいますが、キャッシュフローをきちんと把握している中
コンサルティングとは「かっこいい」というイメージを抱いている方も多い反面、非常に怪しい職種という印象の方も多いと思います。どいういう仕事なのかというと小売業のように「○○を売る」、教育業のように「○○を教える」など明確なものが有りません。実際、「コンサル」という言葉は非常に便利な言葉で良くも悪くも、なんにでも使えます。実はこの用語、自分の中でもあまり好きではないです。勝手な自己満足ですが、私たちの仕事は「自らの持っている知識を駆使し、どのように支援先(パートナー)が目標達成で
今回は薬局の売上を上げることについて考えてみたいと思います。約60,000軒と言われる薬局市場。大手調剤チェーンやドラッグストアが着実に市場拡大をしています。企業の継続には売り上げが必要で、そのためには努力も必要です。門前処方箋の拡大は主に医療機関のマーケティングなので、そこに期待をすることは経営努力とは言えません。SNS上にある経営者美談の裏にある実態を確認することは難しく、鵜呑みにできる者でもありません。いま薬局業界がどうなっているのかを考えることも市場を知るためにとても
新型コロナウイルス感染症の感染者が全国に広がる中、そろそろ他人事ではなく身近な話になってきました。今回は私が関わる「薬局」で陽性者が出た際の記録を簡単ではありますが、まとめてみます。 なお、対応については保健所も含め都道府県、市区町村差がかなりあると感じています。今回の事例はあくまでも数ある中の一つであることをご容赦ください。 九州地方にある薬局の事例九州にあるチェーン薬局から受けた報告です。いくつか私のところにも報告が上がってきているのですが、直近の話を紹介します。 薬
2021年8月1日薬機法改正により全ての薬局にガバナンスの構築が求められます。同時に始まる「認定薬局制度」ばかりが注目され、話題に上がらないガバナンスですが、「義務化」されるというポイントを理解し、取り組んでおくことが重要です。経営者だけではなく店舗の責任者である管理薬剤師も理解しておきたい項目です。 ガバナンスの構築とは 「コンプライアンス」は法令遵守と訳されますが、テレビ業界などで最近耳にする言葉です。皆さんもなんとなくは意味を理解していると思います。薬局は医薬品医療
前回に引き続き、また数字で薬局(在宅市場)を見てみました。ちょっと気になることがあったので、市場分析がてら、まとめてみました。そんなことしてるなら仕事しなさいという話ですが、データってウソつかないので好きなのですよね。今回は在宅医療の市場分析です。すなわち高齢化率と介護認定者数がどれだけいるのかということです。 都道府県別 高齢化率ランキングまずは一般的な高齢化率のランキングです。ベスト・ワーストという表現は適切ではありませんが、そこはご容赦ください。これをマーケティング的
地域支援体制加算の要件が新しくなった4月、そして新型コロナウイルス感染症対応による影響が続くなか、薬局業界がどのように変化をしているか、ちょっと数字で見てみたいと思います。なお、数字については各厚生局から集計をしていますが、多少の前後があることをご容赦ください。 新型コロナウイルス感染症対応による影響とは通常であれば2021年度は調剤報酬改定の無い年ですので、あまり変化のない年ですが、今回は新型コロナウイルス感染症対応による影響もあり調剤基本料2以下の集中率が問われる調剤基
国家戦略として医療におけるICT化が進められています。ちょっとトラブっているところですがオンライン資格確認がこの春からスタートしました。新型コロナウイルス感染症により「0410特例措置」が発動し、オンライン診療・服薬指導の普及が進んでいます。次のステップは処方箋の電化です。今回は「電子処方箋」についてまとめてみたいと思います。 処方箋の電子化??2022年夏ごろを目途に電子処方箋の本格的な運用を始めるとビジョンが示されていますが、電子処方箋については2016年まで年をさかぼ
今回はちょっと気になるけど、めんどくさい話。薬剤師の在宅医療への取組が徐々に普及してきました。「お届け」から+αの薬学的なサポートを日々模索し取り組んでいることかと思います。今回はそんな薬剤師さんたちの会話に出てくる一つの違和感について取り上げてみます。 「診察」「診療」の違い非常にめんどくさい話をしてしまい、申し訳ないなーと思いながらも、知っておいてほしいので書くことを決めました。最近のトレンドとして医師の診察に薬剤師が同行をすることがあります。いわゆる「往診同行」ですね