自伝小説を書いてみたい(3)
自伝小説を書くとなると、当然ながら生まれた時から書き始めるのだろう。私は昭和三十年代に、大阪市で生まれている。もちろんそれは両親から聞いていたし、戸籍情報から番地までわかっている。しかし、その後の行政区分の変化により、いわゆる古い住所しかわからないので、今や正確な場所を特定するのは必ずしも簡単ではない。そして時代は大きく変わって、今や生まれた時に赤ちゃんの写真はスマホで簡単に撮れるだろうし、そしてその写真に「位置情報」も記録されるだろうから、国が管理する情報以上に正確な出生