Kおじさん

2024年新年から、趣味で小説を書き始めました。少しずつ書くのが上達してきたような気が…

Kおじさん

2024年新年から、趣味で小説を書き始めました。少しずつ書くのが上達してきたような気がします。あとたまに、小説に関わる話題も投稿します。よろしくお願いします。

最近の記事

小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(22)

 今日はカフェはお休みで、ケンジと奥さんは二人で早めの夕食をのんびり二人で取っています。先日ケンジは日帰りで、東京にぶらりと出かけていきました。その時のことが話題になっています。 ☆ ☆ ☆  料理もそろい、夕食の準備万端。ケンジはワインを開け、奥さんのグラスに注いだ。おもむろに奥さんが話始めた。 「ありがとう。ところでこの間ふらりとでかけて、いったいどこに行ってきたの?」 「いや、ちょっと乗りたい電車があったんだよ」 「電車って、そんな趣味、あなたにあったの?」 「電車

    • 小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(21)

       久しぶりに(20)を投稿したのですが、(21)を続けて投稿します。先日来、自伝小説を書きたいと言いつつも、なかなか投稿までは至らず、一方で皆さんに忘れられないためにも定期的に投稿はしていきたいし、というところです。  今日はめずらしく、ケンジと奥さんは二人で店にいます。お客さんも少ないので、二人で雑談を始めました。 ☆  ☆  ☆  今日はケンジと奥さんと、二人で店にいる。奥さんがちょっと心配そうにケンジに尋ねた。 「ところで、今日もあまりお客さん、多くないわね。最近、

      • 小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(20)

         小説「カフェ”木陰の散歩”にて」を久しぶりに書きます。ここであらためて振り返りますが、”木陰の散歩”というカフェの店主のケンジと来店するお客さんとの会話を小説形式にしたものです。最初のころに登場したデイトレーダーのタカシさんが久しぶりに来店したという設定です。  数か月前にケンジはタカシさんとの話もふまえて円定期を解約してドル定期をはじめた((3)、(4)を参照方)のですが、最近はテレビでも「記録的円安」という話がでてくるようになりました。当然二人の話は円安の話題になりまし

        • 小説「施設からの風」(11)

           (10)の投稿から2か月ほど経ち、久しぶりになりますが、大山さん(架空の人物、(1)を参照)の日記の公開です。 ☆ ☆ ☆ 2024年5月5日  日記はちょこちょこつけてはいるのだが、○○君に公開までお願いするようなものは書けておらず、だいぶご無沙汰している。もっとも、最近は血圧が落ち着いているなど、そんなメモ程度の内容の日記を公開しても仕方がないのではあるが。それでも今日の日記は、彼にメールして、久しぶりに公開を依頼しようと思う。  さて、今日は子供の日だ。今年は

        小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(22)

          自伝小説を書いてみたい(3)

           自伝小説を書くとなると、当然ながら生まれた時から書き始めるのだろう。私は昭和三十年代に、大阪市で生まれている。もちろんそれは両親から聞いていたし、戸籍情報から番地までわかっている。しかし、その後の行政区分の変化により、いわゆる古い住所しかわからないので、今や正確な場所を特定するのは必ずしも簡単ではない。そして時代は大きく変わって、今や生まれた時に赤ちゃんの写真はスマホで簡単に撮れるだろうし、そしてその写真に「位置情報」も記録されるだろうから、国が管理する情報以上に正確な出生

          自伝小説を書いてみたい(3)

          自伝小説を書いてみたい(2)

           自伝小説を書いてみたいとは言ってみたものの、今一つ考えがまとまらない。そんな中で、前回紹介した山田詠美さんの「私のことだま漂流記」は少しずつ読み進めている。その小説の中で、そしてその小説に絡んだインタビュー記事でも、参考になることが書かれていたので、自分の頭を整理する意味でもそれについて少し書いてみる。  要は、自分の記憶や経験が小説の言葉になっていく過程では、時間を置くことも大切だ、というものだ。つまり、時間が立つと捉え方がかわり、より俯瞰的な視点となる。だから、個人的な

          自伝小説を書いてみたい(2)

          自伝小説を書いてみたい(1)

           ”note”をきっかけにいちおう小説らしきものを書き始めて、3か月以上たった。よくわからないままスタートして、それでもなんとか、まだ書き続けている。そして、これまで、なんとなく頭にあったものを一気に文章化したようなところもあって、自分としては短期間のうちにずいぶん投稿できたと思っているのだが、さすがにネタ切れになってきたところでもある。  さて、これからどういう方向に進んでいこうか、つらつら考えていたところ、自伝を書いてみるのはどうだろうかと思いはじめた。そこで、本当の自

          自伝小説を書いてみたい(1)

          小説「私の中の父」

           前回書いた小説「脳をつないだ二人」は、noteとしてはかなり長い投稿になってしまいましたが、今回は一転して短いものになりました。内容は全く違いますが、前回同様に脳を題材にした小説です。気軽に読んでもらえればうれしいです。 ☆ ☆ ☆   「私の中の父」  私は今、十年前のことを思い出している。母の三回忌のために、私はお寺の本堂に居て住職のお経を聞いているところだ。父が檀家で、このお寺の世話になっており、三回忌はここでやっているわけだが、じっと目を閉じ、お経を聞いている

          小説「私の中の父」

          小説「脳をつないだ二人」を投稿して

           小説「脳をつないだ二人」を投稿して1週間がたった。ちょっと残念なのだが、思ったほどアクセス数が伸びない。絶対的な数の話ではなく、自分がこれまで投稿した他のものとの比較だ。一番多いものの半分以下だ。一方で、いいねの数は自分の中では二番目に多い。  これをどう考えればいいのか、やはり短編小説のつもりとはいえ、noteの投稿としてはかなり長い。名の売れた作家のものなら期待を裏切らないだろうし、読む時間をかける価値というのは当然ある。一方、noteに無数に投稿されている中から、私

          小説「脳をつないだ二人」を投稿して

          SF短編小説「脳をつないだ二人」

           「短編小説を書き始める(1)~(4)」で途中経過をお知らせしていたSF短編小説がやっと完成したので、ここに全文を投稿します。 「脳をつないだ二人」  スマホのアラームが鳴った。安井孝雄は飛び起き 、慌ててスマホの画面を見た。6時30分。「あっ、そうだ今日は休みだ」と独り言を言いながら、孝雄はそのままぼんやり画面を眺めていた。今どき通常の祝日であれば自動的にアラームは切り替わるのだが、今日は急きょ本社勤務者のみに休暇が与えられた日だった。それでついついアラームを設定しなお

          SF短編小説「脳をつないだ二人」

          短編小説を書き始める(4)

           (1)~(3)で投稿してきたとおり、SF短編小説を書いている。これまで途中まで書いたものを投稿してきたが、なんとかほぼ完成までこぎつけた。近日中に、全文を投稿できると思う。  題名は、「脳をつないだ二人」に変更する。二人はもちろん、恋人同士だ。この方が題名を見て興味を持ってもらえる人が以前よりは増えそうだという期待がある。ちゃんと数えてはいないが、文庫本20ページくらいの長さになるだろうか。ノートの投稿では長すぎるかもしれないのだが、短編小説といえるくらいの長さで書こうと

          短編小説を書き始める(4)

          短編小説を書き始める(3)

           仮題「混沌」というSF短編小説、だいぶ書き進みました。これから最後どう結末をまとめるか、まだ確定はしていないです。そんな途中経過ですが、興味を持っていただければ幸いです。 「混沌」   スマホのアラームが鳴った。安井孝雄は飛び起き 、慌ててスマホの画面を見た。6時30分。「あっ、そうだ今日は休みだ」と独り言を言いながら、孝雄はそのままぼんやり画面を眺めていた。今どき通常の祝日であれば自動的にアラームは切り替わるのだが、今日は急きょ本社勤務者のみに休暇が与えられた日だった

          短編小説を書き始める(3)

          短編小説を書き始める(2)

           仮題「混沌」という短編小説、あえて言えばSFに分類されるようなものを書き始めている。(1)で、小説を書き始めた経緯とさわりの部分について投稿したが、今回、前段の部分まで書き終えたので投稿する。  前回もお断りしたが、タイトルも本文も今後修正する可能性があり、あくまで途中経過の参考程度ではある。それでも、皆さんに興味を持って読んでいただけたらありがたい。 「混沌」  スマホのアラームが鳴った。安井孝雄は飛び起き 、慌ててスマホの画面を見た。6時30分。「あっ、そうだ今日は

          短編小説を書き始める(2)

          短編小説を書き始める(1)

           2024年新年から、趣味で小説を書き始めた。最初にいくつか練習として、小説と呼ぶのもおこがましいようなものを、いくつかnoteに投稿した。そしてその後、2つのシリーズの小説の投稿を続けてきた。ひとつは「カフェ”木陰の散歩”にて」というもので、カフェの店主のケンジを中心にカフェで繰り広げられる会話を会話形式で書いたもので、19話まで書いた。もう一つは「施設からの風」というもので、介護施設で生活する大山健一さんという高齢男性の公開日記の形式で書いたもので、こちらは10話まで書い

          短編小説を書き始める(1)

          小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(19)

           (17)(18)の自由恋愛の会話の続きです。(9)から始まったディストピア小説「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー著)を題材にした会話もだいぶ広がりましたが、今回をもっていったん終了になります。 ☆ ☆ ☆  ケンジはフユキさんのほうを見やり、そして会話を続けた。 「はい、繰り返しになりますが、結婚していて別れるつもりなどは無くても、自分の妻、夫以外の人を好きになって関係を持ちたいということはあるだろうし、それは不自然なことか、ということなんです」 「そうですねえ

          小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(19)

          小説「施設からの風」(10)

           大山さん(架空の人物、(1)を参照)の日記の公開です。引き続き認知症について書かれています。 ☆ ☆ ☆ 2024年3月3日  今日はひな祭り。ひな祭りといえばひな人形だろうか。自分の娘のひな祭りのことなど、もう何十年も前の話でかなり記憶が薄い。だいたいその当時ですら、娘が大きくなるにつれ、親も娘もだんだん関心を持たなくなってしまった。さて、今時のひな祭りのお祝いは、世間一般ではどうしているのだろうか。  もっとも、妻の母親、つまり義理の母が私たちの娘のためにひな人形

          小説「施設からの風」(10)