短編小説を書き始める(1)

 2024年新年から、趣味で小説を書き始めた。最初にいくつか練習として、小説と呼ぶのもおこがましいようなものを、いくつかnoteに投稿した。そしてその後、2つのシリーズの小説の投稿を続けてきた。ひとつは「カフェ”木陰の散歩”にて」というもので、カフェの店主のケンジを中心にカフェで繰り広げられる会話を会話形式で書いたもので、19話まで書いた。もう一つは「施設からの風」というもので、介護施設で生活する大山健一さんという高齢男性の公開日記の形式で書いたもので、こちらは10話まで書いた。まあ、言ってみれば、小説といっても会話文、日記文の形式だったわけで、そろそろより小説らしい文体で書いてみたいと思い始めていた。
 一方、これらの投稿と平行して、人と人の脳をつなぐという、未来社会というかSFというか、そんな小説のアイデアが浮かんだので、試しにそのアイデアをチャットGPTに小説化してもらったりもしたが、あくまで参考程度にしかならなかった。(なお、そのあたりの経緯は、noteに投稿済み。)そしてその後、自分なりにさらに構想を練ってきた。
 とまあ、新年から2か月半ほど経ち、こんな状況であった。そして、今後はこの構想をもとに、あらたな短編小説を書いていきたいと思う。いちおう、1万字くらいのものが書けないかとは思っている。なお、こちらに専念するため、「カフェ”木陰の散歩”にて」と「施設からの風」の方は、この小説が行き詰って息抜き的に書くことがあるかもしれないが、いちおうしばらく休止としたい。
 タイトルは「混沌」、冒頭は以下のような感じ。もちろん、タイトルも本文も、今後修正する可能性はもちろんあるので、あくまで参考程度で。そして、こんな内容というか文章で皆さんに興味を持っていただけるのか全くわからないが、まずは自分が思うところをあと数回で書ききってみたい。

「混沌」

 スマホのアラームが鳴った。安井孝雄は飛び起き 、慌ててスマホの画面を見た。6時30分。「あっ、そうだ今日は休みだ」と独り言を言いながら、孝雄はそのままぼんやり画面を眺めていた。今どき通常の祝日であれば自動的にアラームは切り替わるのだが、今日は急きょ本社勤務者のみに休暇が与えられた日だった。それでついついアラームを設定しなおすのを忘れていた。「もう一度起きてしまったし、そのまま起きてしまうかぁ」とぶつぶつ独り言を言いながら、孝雄はベットから抜け出した。
 今日は2054年1月20日。ほんの少し前に新年を迎えたと思っていたのだが、もう数週間も経ってしまっている。時がたつのは早いものだと言うが、本当にその通りだ。ついこの間2050年が終わり、さあ21世紀もいよいよ後半に突入かと思ったような気がするのだが。それからあっという間に3年以上もたってしまった。そういえば2051年のニューイヤーは大々的なイベントがあったように思うが、そんなことももうとっくに忘れている。
 21世紀が始まった頃のことは知らないが、どうだったのだろうか。20世紀生まれの会社の古参にでも聞いてみれば、頼まなくてもいろいろ話してくれそうだが、相手にするのも面倒だ。いったい、その後の半世紀で何かが変わったのか。少なくともその前の半世紀から比べれば、確かに大きく変わったのだろう。それにより世界がより希望に満ちたものなったかどうかはわからないが。
 ITの世界で言えば、ここ数十年の進歩は目覚ましい。AIは人間を超えたと言われて久しいが、確かにそうなのだろう。しかし、所詮、機械は機械だ。今や人間そのものをITに繋げる方向に、ここ10年くらい急速に舵が切られるようになった。孝雄はそういう時代の最先端をいく企業に勤めている。
 現代はとにかく生み出される情報が膨大になってきた。それと同時にフェイク情報もそれ以上に増えていった。多くのフェイク情報がまん延し、様々な問題も引き起こしたものの、それを防ごうとする技術も開発された。それよりも、多くの人たちがそういう状況を認識できるようになり、リテラシーが向上してきたこともある。しかし、そのためには今まで以上の情報処理を余儀なくされるようになってきた。多くの人はAIを頼りにし、膨大な情報処理を任せてきたが、それよりも自分の脳の記憶容量を拡大して「自分で」処理したいというニーズがでてくるのは、ある意味必然であった。

 現在、続きを書いています。あまり間を開けないで次に投稿できたらとは思っていますが。。。


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