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映画 【三角窓の外側は夜】と私達家族の霊感と

昨日から始まった、「三角窓の外側は夜」を息子と観てきた。あまりネタバレにはならないように私の感想と思ったことを綴っておきたい。

岡田将生と志尊淳のW主演で番宣も朝からずっとやっているし、原作も知らないけれどイケメン2人なので楽しみにして観に行った。

ストーリーが霊が見える人と除霊する人の話だとはわかっていたけれど、ちょっとホラーに寄ってたのでびっくり!息子は中1なのに半泣きで私の腕に手を伸ばしてきて、ムリムリと呟いている。ちょっとイケメンに騙されて予想を裏切られたので私も気をしっかり持って観た。

実は私達家族は霊感一家だった。亡くなった主人は霊がよく見えて、よく聞こえて、話せる人だった。娘も小さい時からよく見えて、そのことをよく教えてくれた。おじいちゃんがお菓子をくれたよ、とかあのおばちゃん泣いてるよとか。

そして私は大人になってから才能が開花したので、毎日泣きそうになっていた時期があったが、今はかなり落ち着いてきている。霊感のスイッチをコントロールをできるようにはなった。

息子も小さい時からよく霊にからかわれたり、死んだ主人とも通じあうことができていたこともある。そんな私達だったから、霊感持ち、霊能者をどう描写しているのかとても興味があった。

原作の漫画を後で少し読んだけど、映画の方がちょっと真面目で考えさせられる内容に仕上がっていた。特別な才能を持つがあまり、幼少期から普通と違うと言われいじめられて、そのトラウマから抜けられない志尊淳演じる三角(ミカド)、事件のために記憶を失ってしまって自分が何者かはっきりとわからないという除霊ができる岡田将生演じる冷川(ひやかわ)の除霊のお手伝いで起こる話である。

志尊くんが霊を確認している場面なんかは、私と一緒だなあ、と思ったし、気分が悪くなる場面もあるあるやー、と共感を持ちながら観た。

しかし、除霊ができる岡田くんと2人が繋がって(協力して)霊を見て、霊の記憶や感情まで知ってしまうのは「ここまで霊のことが勝手にわかったら、自分の能力が嫌で仕方ないだろうなあ」と思った。突然にこんな能力が備わったら普通の人なら気が狂いそうになるだろう。幻影、幻聴なら薬物を疑われてしまうだろう。強力な霊感がない人はその平和を大切にしてほしい。

話が進むにつれて、私は思い出した。息子は小学校6年になった頃から学校を休みがちになっていた。その時に話してくれたのは「教室が黒い煙でいっぱいで入りたくない」ということ。

霊感がある人ならわかる表現だと思うけれど、黒い煙のようなものは霊だけでなく、人間からも出ているのだ。オーラとか言えばわかるかもしれないけれど、黒いオーラとは私は呼びたくない。あえてその人から出ている、出している物だから、理由がわかれば黒い煙はやがて消えていくのも知っている。

しかし、出してる本人が出していることを知り、悩んで改善しようとすることはまず無い。だから黒い煙はいつまでも消えてはいかないのだ。

息子に聞いてみれば、今の中学校も敷地に入るだけで気分が悪くなって吐き気がするらしい。学校自体も真っ黒に見えるそうだ。

そうだった、この子の霊感が日常を生きにくくして学校で学んだり友達と笑いあうことも遠ざけてしまっていたのだ。

そして息子は言った。「今僕は守られているけど、仕方なく学校に行っていたら、あの主人公の子みたいにずっといじめられていたかもしれん」

こんな話、誰が信じてくれるんだろうか。こんな作り話なかなか不登校の理由に出してこないことくらいはわかってほしい。

私は息子が中学に入ってから順調に学校に行けたことで、霊感のことをすっかり忘れていた。やっぱり霊感は消えずに息子の毎日を普通から遠ざけてくれていた。

もう来週から学校行け!と言うのはやめることにした。本人が黒い煙と戦えるようになるまで待つことにする。きっと家の中も私が吐いた黒い煙でいっぱいなはずだ。私は家中の黒い煙を減らし、自分が吐くのもやめると誓うよ。

映画のストーリーは霊と呪いがキーワードになっている。呪いは生きている人間でもできることだ。恨んだ霊が人間を呪って悪いことをするよりも人間同士が恨み、呪うことの方が世間では溢れているのだ。私は帰りに息子と呪うことがどういうことか話し合いながら、いじめられた子がいじめた子を恨み、呪う、なんてことがこの世から消えてほしいと思った。

映画の最後はまたもやもやする気持ちにさせられたけれど、ここ最近で私にとって一番良かった映画だった。息子の不登校で毎日私は疲弊して、世間が決めた普通になりたいと思っていた。でも息子の本当の姿に気がつかせてくれたこの映画に感謝する。息子の能力はこれからまた変化していくだろうけど、私は不登校に関してもうストレスを感じることはない。

ただただ、ありがとうの気持ちでいっぱいである。興味ある方は是非映画を観て深いところまで理解してくれるとうれしい。


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