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公共事業の再委託はなぜ禁止されているのか

尼崎市の事件の後に書いてた下書きの供養をさせていただきたく。

超超端的に言ってしまうとこう言うこと

尼崎市のビプロジーみたいなことが起こるリスクを孕んでいるからってことになるんですが、それならTwitterにでも呟いてろって言われそうなのでもう少し説明します。

まず大前提として、通常個人情報を扱う様な外部委託を実施する場合に再委託は認めません。一切。(都内某所の市役所に勤務していた時のテンプレにも🆖となっていた)
ましてや、都の場合入札要件に孫請け許しませんって言う都の方針が定められてます。

その条件で、私が勤務していた自治体では電子入札システムを利用していたので、東京都の登録業者リストから業者を選定することになります。

というか、そもそもの問題点として。

公共事業の民間への発注・入札はいろいろと闇が深いです。
いやこれはいろんな人が議論しているのでこれもここで深堀してもしゃーない話なのですが、すべてが一般競争入札ではありませんし何ならオープンに業者を選定することって、工事は基本そうですが工事の場合そもそもノウハウが無ければ仕事をすることはできないので物理的に入札はできないという話です。
(と言いつつ、地元で昔橋を増設する工事を請け負っていた会社がトンずらして、橋の工事は途中で放り投げ出されるわ・次の業者選定するわ・お金は余計にかかるわでおっそろしいことしてたなといまさらながら思っています。)

ですが、物品調達(これ言葉の意味が変なのですが、役務と言われるいわゆるコールセンター業務みたいなのも物品調達と言われています。)は、基本的には指名競争入札で、やむを得ないと判断した場合随契とするのが一般的だと思います。
随契というのは最近では随分と一般的な言葉になったなあと思うのですが、随意契約と言って自治体や国からこの業者と契約します!っていう契約方法です。(通常官公庁が調達を実施する場合には、入札することが原則となっていますが。)
コロナ関係の業務は割と緊急性が高かったりスピード感が求められるので、随契で突っ走っていたケースも多いようです。
まあ、そこはひとまず置いといて。

再委託を許すと入札の意味がなくなる。

これに尽きると思います。
元々大手は先ほど言った入札の順位は高くなります。そりゃそうですよね。大型の案件をきっちりこなすのが大手ですから。

自治体側からしてみれば、大手を指名しておけば大丈夫!とか大手を基準に大手の子会社やグループ会社を指名しておけば安全だろうという考えが割と一般的だと思います。

なのに、再委託を許してしまえばどこの馬の骨かもわからないような体制の会社に業務が回ってくることになります。
それは住民の個人情報だったり、超繊細な情報だったりするわけです。
以前、アウトソーシング事業の会社で勤務していました(本業はコールセンターの会社)が、コロナになって一気に環境が変わったといっても過言ではありません。

指名競争入札や随契での契約が異常に増え、しかも一般競争入札でも最低価格すれすれで入札してくる業界からしたら聞いたこともないような会社や専門外の異業種の会社が落札することが大変多かった印象です。。
決して、小さい会社や経験の浅い企業のことを批判しているのではなく、入札に勝てる会社が甘い蜜を吸って(いわゆる中抜きと言われているやつ)、結果的に再委託された会社がパフォーマンス発揮できないのは当然だと思います。

人の関わる業務委託はいうほど簡単ではない。

アウトソーシング事業会社にいたからこそわかりますが、コールセンターやフィールドの運営(ワクチン接種会場の運営)は素人が簡単にできるものではありません。
何故なら、アウトソーシング事業(BPO)会社でも状況や社会情勢・その他の要因でオーダーメイドに運用していくことが求められるかなりハードな業務だからです。
どの業界でもそうですが、黒子さんの役割ってものすごく大切ですよね。
BPOっていうのは黒子さんを一括でまとめてぜーんぶやりますよっていうのが本来の仕事です。
昔は、通販会社の在庫の預かりまでやっていたという話を聞いたときには本当に驚きました。

実際に働いて得たこと・わかったこと

まず、人間は何のために働くのでしょうか。
恐らく全く同じ回答というのは出てこないというのが正しいのではないでしょうか。
なぜならば、生きるためであることは恐らくみんな一緒でしょうし、そこにやりがいを見出すのか、大切な人と一緒に暮らすためなのか、お金が好きだからなのか、それとも単なる義務感なのか。

100人規模の事務センターで直接雇用の契約社員とアルバイトスタッフを運用・管理していましたが、全員同じ方向を向いて仕事をするのは本当に難しいことです。
ましてや、そもそも業界的に正社員比率をあげるのは無理というのが一般的で(Accentureとかは特殊な例)、トラブルが合ったときに対応できるスタッフというのは限られています。現場においては。

私は大変恵まれていたので、幸いにも管理するメンバー陣営が本当によく働き、BtoBtoCのCに対して本気で向き合ってくれるメンバーだったので仕事は滞りなく進んでいた印象でした。が、チームビルディングや一体感・みんなで何かを達成しようというところがどうしても見えてこないという課題もありました。

オット長くなりました。

まあ、この話はまた今度にして。
チームを運営し・管理し・引っ張っていき・前に進めること、これはノウハウがなければ出来ないことです。
ノウハウで、高い金額を支払っているにも関わらずそのノウハウを持っている会社が安易に再委託することはなってはならないことだと私は思っています。

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