逆ソクラテス/先入観・レッテルをはることの危うさ
逆ソクラテス/伊坂幸太郎
大好きな作家さん。
内容
以下詳細の引用です。
敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。
私の思ったこと
大好きな伊坂作品。
私が伊坂作品が好きなのは、読みやすさと爽快さがあるところ、それでいてどこかどきりとするところがあるところ。
今回は初めて子供を主人公にした話。
私が読んで思ったことは
「何者も誰かを決める権利はない」
「想像力を働かせる」
そんなことであった。
「何者も誰かを決める権利はない」
この本には【決めつけてくる人】というのが出てくる。
~なやつだと平気でクラスのみんなの前で言ってくる先生。
いつも同じ服をきているから貧乏だとからかってくる同級生。
〇〇だから△△だ。
これが帯にも書いてあった「先入観」というやつだと思う。
例えば子供が何か挑戦しようとしたときに、
あなたは鈍くさいから、そこに登るのはだめ。
あなたは鈍くさいから、すぐ転ぶわね。
なんて繰り返し言っていたら言う方は心配していったのかもしれないけどいわれたほうは積み重なっていく。
失敗するたびあぁ僕ってお母さんの言う通り鈍くさいんだな。
ときっと思う日が来るだろう。
そんな呪縛を解く魔法の言葉がこの本には書かれている。それは
「僕はそうは思わない。」
この言葉、すごい!
事実は誰にでもいうことはできるけどそれが起こった時にどう思うかそれは自分以外の誰にも決められることじゃないていうこと。
自分の意思を表明する強い一言。
「想像力を働かる」
どの作品も好きだが特に非オプティマスにでてくる話は現代ならではと思うことがあり心に残った。
やる気がないように見える先生
それに対してわかりやすいもの・目で見えるもので判断しがちでかつ、
そういうのは良くないんだ厳しくして正さなきゃいけないんだ(自分もそうやって大きくなってきた)という大人がでてきて
それに先生はどうかえすかという話。
この話は現代ならではのいじめする側のリスクが書いてある。
SNSが発達してつながろうと思えばつながれる時代なわけでじゃあその中で自分が軽はずみに誰かにいじめをするということは・・。
自分のしてることがいつ誰に知られても恥ずかしくないと胸を張っていえるか。人によって態度を変えていないか。
そんなことを考えさせる内容でした。
だからやっぱり想像力なんだろうなぁと。
自分が見えてることじゃないことを想像したり
自分が何をするとどうなるかということを想像したり
忘れがちだけど忘れないでいたい。
また一つ大好きな本が増えて嬉しい。
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