電気うなぎ

他業界から転職して蓄電池業界で働きだして5年目の会社員です。 蓄電池や電気は初心者の私…

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他業界から転職して蓄電池業界で働きだして5年目の会社員です。 蓄電池や電気は初心者の私にはとっつき難い点が多々ありました。 私と同様に電気・電池を未経験から始める方に、少しでもお役に立てれば幸いです。

最近の記事

蓄電池の劣化診断について(記事7)

鉛蓄電池は年数とともに劣化が進み、寿命をむかえます。 また、寿命期前でも製造過程の不備や使用環境、外的要因などでも故障する可能性があります。 ですから、定期的に点検を実施して蓄電池の現在の健全性および劣化具合を確認、把握する必要があります。 そうでないと、いざ停電となった時に蓄電池から負荷へと放電できない可能性があるからです。 〇開放型鉛蓄電池の劣化診断電解液である希硫酸水溶液の比重を測定します。 また、充電時の単セル(蓄電池1 個)の電圧を測定します。 鉛蓄電池はリザー

    • 産業用蓄電池の容量選定(記事6)

      産業用鉛蓄電池の仕組みが分かったところで、次は蓄電池の容量選定の話になります。 負荷に対してどんな種類の、どの容量の蓄電池を選定すればいいか、の話になります。 ※容量というのは、どれだけ電気を貯めこめて、これだけの時間バックアップできる大きさ(容量)の蓄電池か、という意味です。 蓄電池という容器の量と考えていいと思います。 というのも、各蓄電池製造メーカーからはさまざま種類の、しかもさまざまな容量の蓄電池が販売されているからです。 例えば、100 Ah(10 時間率)、5

      • 産業用蓄電池について(蓄電池の種類・充放電反応の詳細)(記事5)

        蓄電池というのは、電気を貯めておくことができます。 そして好きな時に電気を取り出せます。 それだけではなく、時間をかければ小さい電流でも充電が可能です。 そして取り出せる電流は、充電していた電流よりも大きくもできます。 ある程度の大放電が可能ということです。 蓄電池はエンジン始動用のように、瞬間的に大電流を流す使い方もできます。 また少ない電流を長時間流し続ける使い方もできます。 蓄電池に求められるのは、ため込んだ電力を如何に損失なく放出できるか、です。 また放出できるまで

        • 産業用蓄電池について(充電・放電反応、標準電極電位)(記事4)

          蓄電池についていろいろと書いていくにあたり、まずはその構造や機能の説明をしていきたいと思います。 産業用では歴史も長く有名な鉛蓄電池について、です。 蓄電池についてお客様からは、分かりにくいというお言葉をよく頂きます。 ですからなるべく細部まで、簡単な言葉で書くようにします。 〇蓄電池の種類 私たちの身の回りには、さまざまな名称の蓄電池が存在しています。 アルカリ電池やリチウムイオン電池はよく目にするでしょう。全個体電池や燃料電池なんていう表示も、たまに目にすることでしょ

        蓄電池の劣化診断について(記事7)

          蓄電池設備の用途について(記事3)

          ここからは、商用ビルや病院など大型施設に備え付けられている電気室について書いていきます。 その設備の一部に、蓄電池設備が使用されていますので、そこも書いていきます。 〇受変電設備について 大型設備も家庭と同様で、変電所から送られてきた電気を電柱を介して受け取っています。 そして電気室の受電設備へと送られていきます。 受電設備から変電設備へと、と長々と書いても分かりにくいと思いますので、電気室の単線結線図を載せておきます。 電気室には盤(キュービクル)と呼ばれる金属の箱がたく

          蓄電池設備の用途について(記事3)

          蓄電池設備の用途についての前段  (記事2)

          ここからは、私が現在従事している産業用蓄電池についていろいろと書いていきます。 まず、蓄電池がこの社会の中でどんなふうに使用されているのかを書いていきます。 〇地絡及び短絡の対策 私たちの生活の中で電気はとても大切です。 身の回りには電気で動くものが無数にあります。 これらを動かすためには必ず電気を供給するための電源が必要になります。 電気は、発電所で作られます。ですから発電所は電気を使う人達すべてにとっての電源となります。 電気の流れを一般家庭を例にして考えてみましょう。

          蓄電池設備の用途についての前段  (記事2)

          電気について(記事1)

          私はペンネーム『電気うなぎ』です。 私は5年前から、産業用蓄電池を取り扱う会社に勤務しています。 電気未経験での入社でしたので、最初は電気のことは何もわからず、まして蓄電池のこともほとんどわからない状態でした。 製造メーカーの資料を読んだりしましたが、すんなりと理解できませんでした。 当然の話ですが、製造メーカーはある程度知識がある人用に資料を作成しています。 そうでないと、基本的なことを一から書かなければならず、膨大な資料になってしまうからです。 ですから、素人から見る

          電気について(記事1)