顧客にとってのジョブは何か、「ジョブ理論」を読んで
以前からずっと読みたかった「ジョブ理論」という本を読んだ。
この本で書かれていることはとてもシンプルで
顧客がその物を買うのは、そのプロダクトが欲しいからではなくそのプロダクトを雇用する(hire)ことで解決できるジョブ(用事、仕事)があるからである
ということだ。
有名なマーケティングの言葉で
「人々は4分の1インチのドリルが欲しいのではない。4分の1の穴が欲しいのだ。」
というセアドア・レビット博士の言葉にも通じるところがある本となっている。
実際に自分自身も営業職として働いていて
このプロダクトありきに縛られた考え方をしてしまっていることが多い
というのを本書を読みながら考えていた。
本書を読んで印象的に残ったことを
自身の次の行動(ネクストアクション)につながるように綴りたい。
最近感じているのが本をただ読んだだけでは効果が薄いということだ。
本を読んで実際の自分の生活、あるいは仕事などでどう活かすのか、自分の行動をどう変えるのかということを小さなアクションでもいいから行うことが大切だと思った。
主に2つの点について振り返りたい。
①競合相手には、「無消費」も含まれる。
個人的に本著を読んでいて一番その視点はなかった! と唸った内容かもしれない。
つまり自社にとっての競合はすでに存在する競合他社だけではなく
現状では満足な解決策が存在しないがために何も雇用しないという「無消費」
も含まれる、ということだ。
本著ではエアビーアンドビー(Airb&b)の面白い例が書かれていた。
それはエアビーアンドビーの調査によると、借り手であるゲストの40%は、エアビーアンドビーがなければ旅行に出かけなかったか、あるいは家族の家に泊まったりするだろうと言うそうだ。
ここで書かれていたことは、人々が求めているジョブを考える際には、なんらかの商品やサービスをすでに使用している人からだけではなく、
何も商品やサービスを使用していない人からも同じくらい多くのことを学べるということだ。
自分に当てはめて考えると
今ちょうど仕事で、あるプロダクトの売上げがどうすればもっと上がるか という
課題に着手し始めた段階なのだが
僕はすでにそのプロダクトを使用している人たちの中でしか考えられていなかった。
つまり、自社製品ではなく他社製品を購入するのはなぜだろう、あるいは自社製品のこの魅力が伝わっていないのは何故だろうということを中心に考えており
そもそもその商品を使おうとはしない人々の心理を見落としていた。
何故人々はその商品を使わないのか。他にどんな代替手段を用いているのか。
あるいは購入は検討しているが何かネックになっていることがあるのか。
こういう視点から考えることで新しいアイデアなどが出てくるかもしれない、と感じた。
②どうやって顧客のジョブが何かを突き止めるのか
本書の命題である「顧客の片付けたいジョブ」。
それを知ることができればイノベーションを起こす、売上を伸ばすということは可能になるのだが残念ながら答えは存在しない と本著にも書かれていた笑
ただその答えを導くために気をつけるべきこと、有効な方法などについては本著に書かれていたので興味のある方はぜひこの本を読んでみてください。
このジョブを突き止めるために 僕が取れるネクスト・アクションは何だろうということを考えていた。
思いついたことを2つ挙げたい。
1つ目は、現場に何度も行き実際のお客さんや売り場を観察する、ということ。
本著でも書かれていたがデータはあくまで相関関係を教えてくれてはしても因果関係(なぜ顧客がそのプロダクトをhireしたのか、そこにどんなジョブがあるのか)を教えてはくれないということだ。
実際に僕の場合、オフィスでデータや数字を見ている時間の方が圧倒的に長く顧客との距離がかなり離れた場所で仕事をしている。
だから実際の顧客のことがわかっているかと言われればおそらく理解できていない。
定期的に自ら店舗に足を運ぶということは大切だろう。
昔、NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀 という番組に元カルビー のCEO 松本晃さんが出演されていた回があった。
そこで松本さんが何度もスーパーに足を運び、カルビー の製品(確かフルグラだった)がどう陳列されているのかを見に行っている場面があった。
「答えは現場にある。オフィスの中で仕事しててもわからんよ。」
松本さんがそう言い放っていたことを鮮明に覚えている。
今の自分には痛い言葉でこれからもう少し現場に行く頻度を増やそうと思う。
最後の2つめは 自分が消費者となって体験してみる
これもとても重要であることは間違いない。
本著で長きにわたって書かれていたことの本質は 顧客目線に立てるか
だと僕は感じた。であるのであれば自分自身が実際に顧客の立場に立ち商品を体験してみることは必要不可欠ではないか。
ということで今すぐ自腹切って商品を購入! と言いたいところではあるが
経済的な問題もある(笑)
とはいえ購入はせずとも他に消費者になれる方法はあるはずだ(借りる、試着等)
今回書いたこの2点を意識して、ネクストアクションにつなげていきたい。
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