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奇跡を信じて芝居をするな

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#伊藤裕一

奇跡を信じて芝居をするな

『奇跡を信じて芝居をするな』

これは、お座敷コブラの脚本・演出を担当する伊藤裕一氏の口癖でございます。

常々彼が言っているこの言葉。

そこに潜む真意。

そして彼が普段何を想い、芝居を作っているのか。

そんなことを彼から聞き出して、ここに記していこうと思います。

もしかしたら、一般のお客様にはまったく響かない内容になるかもしれません。

これから俳優を志そうという方には、ちょっとした指針

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はじめに

舞台は、ドラマなどに比べて「時間がある」と思われがちですが、実際は
そうではありません。
2週間で2時間半の舞台を作るなんていうこともザラですし、ついていけない俳優はただただ演出家に振り付けをされ、セリフの言い方も指定され、演技ではなく「模倣」で公演を終えます。
それでは、わざわざあなたがキャスティングされた意味もありませんし、誰でもできる演技をすることほど、恥ずかしいことはありません。

俳優に

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台本分析

台本分析では一般的に「まず何も考えずに読む」「次に台本の伝えたいことを読み解く」等々・・・回数を分けて、目的を変えて読むことが教えられています。
もちろん間違いではないのですが、わざわざ回数を分けて読むというのは非効率的で、尚且つ台本分析をただの「作業」に貶めてしまう可能性もあり非常に危険です。

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物語の「主軸」を捉える

作品世界はまさに電車の路線図のようなものです。
今「自分」と「共演者」「観客」が乗っている電車の通っている道筋、電車の速度を主軸だと思ってください。

作品のフォーカスの当たっている部分、今一番見せたい部分が主軸です。
それをしっかり把握できないと、演技は的外れなものになってしまいます。
後の項でも説明しますが、これは俳優が犯しやすい失敗のひとつでもあります。

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自分の役割を知る

役者は役割を演じるから「役者」だなんてよく言われます。これも格言めいている為、本質がぼんやりしてしまっている言葉のひとつだと思いますが、
「役割」とは何でしょう?あなたの思いつく作品の中での「役割」を挙げてみてください。

Q.『ドラゴンボール』という作品中でのクリリンの「役割」とはなんでしょうか?

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全体の目的を決める

作品全体を通しての自分の役の「目的」を決めます。

これを決定することで、役の心の動きや、動いた瞬間をより明確に把握でき、繊細に演じることができるようになります。
この表現を「モメント」と言う演出家もいますが、モメントのはっきりした定義はしっかりと定まっていません。
全体の目的は「レーダー」だとイメージすると分かりやすいかもしれません。

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シーンの目的を決める

台本は、連続したいくつものシーンから構成されます。
それぞれのシーンでは、「シーンの目的」を定めましょう。
「シーンの目的」は「全体の目的」をサポートするものでなければなりません。
つまり、全体の目的を踏襲したうえで、そのシーンをどういった目的で挑むかを決めなくてはなりません。
また、シーンの目的は「他人に影響する」ことを意識して決定しましょう。
相手の変化を促すことを自分のシーンの目的にします。

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台本分析のまとめ

これらのツールを使い、台本を分析し、それをもとに稽古に挑みます。
そして、稽古の中で、柔軟に自分の役を変化させていきましょう。
全体の目的やシーンの目的は稽古中に何度変化しても構いません。
最終的に一つのものにできればいいのです。
台本分析をせずに稽古に挑む俳優はとても多いです。

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役作り

役作りとは文字通り「役」を「作る」ことを言います。
ですが、実際「役」は台本の中に既に存在しています。
台本を基に、その役がどんな雰囲気で言葉を発するのか、どんな動きをするのか、想像するのは楽しいですが、勝手な想像で役を作るのは危険です。

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役作り#2

若手の登竜門でもあり、実力派俳優も出演する2.5次元。
原作があり、声優さんが既に声をあてているキャラクターを演じるという今までにない特殊な演技形態とる必要があるのが特徴です。

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的外れな役作り

物語上まったく必要のない詳細な部分の役のディテールを想像で作っている時間は全く持って無駄です。

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無駄なものは省き、自己満足はしない

このほかにもたくさんの無駄がありますが、「作品をよくするうえで必要のない作業」はわざわざやる必要はありません。
ふとした時のしぐさがどうの等という境地にまで至るには、しっかりとした訓練が必要ですし、所作が独特な場合は、所作指導が現場につく場合も少なくありません。
中途半端な知識のせいで、指導者の指導を上手く受け入れられない等の弊害も起こり得る(流派の違いなど)ので、しっかりと何が必要なのかを判断し

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