芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:3 /三菱一号館美術館
(承前)
単に「浮世絵」というと、多くの場合「浮世絵版画」を指す。そうでないものを指し示すならば、「肉筆」をつけないと話が通じにくい。
版画と肉筆画のどちらに力を入れるか、配分は絵師によりけりだが、少なくともわたしのなかでは、芳幾・芳年に肉筆画の印象はほとんどなかった。これまでに開かれてきた展示でも、肉筆作品は参考やおまけ程度だったのではと思う。
本展では、のっけから肉筆の大作がデデン!と2点も並び、その先には肉筆画だけを集めた章が設けられていた。最後にちょろっとでは