マガジンのカバー画像

日本近代絵画

239
運営しているクリエイター

#江戸絵画

美と用の煌めき 東本願寺旧蔵とゆかりの品々 /大谷大学博物館

 洛中の人びとから、親しみをこめて「おひがしさん」と呼ばれる東本願寺。その旧蔵品とゆかり…

15

大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~:2 /大倉集古館

(承前)  1階の展示は「新春を寿ぎ」に徹した内容となっており、2階の展示室で「春を待つ」…

25

激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:3 /サントリー美術館

(承前)  この展示には、美術史の狭間に取り残された幕末・明治の魅力的な作家たちを掘り起…

12

春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室 /府中市美術館

 今年の「春の江戸絵画まつり」は、例年にない新趣向。  江戸の画家たちが用いた技法や道具…

応挙と蘆雪(+古九谷様式):2 /東京黎明アートルーム

(承前)  地階の展示室を入ると、右側に長沢蘆雪、左側に円山応挙の作品が並んでいた。  …

日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―:1 /山種美術館

 「日本の風景」という広い括りでテーマ設定がなされた本展。  広げた網が大きいぶん、さま…

芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:3 /三菱一号館美術館

(承前)  単に「浮世絵」というと、多くの場合「浮世絵版画」を指す。そうでないものを指し示すならば、「肉筆」をつけないと話が通じにくい。  版画と肉筆画のどちらに力を入れるか、配分は絵師によりけりだが、少なくともわたしのなかでは、芳幾・芳年に肉筆画の印象はほとんどなかった。これまでに開かれてきた展示でも、肉筆作品は参考やおまけ程度だったのではと思う。  本展では、のっけから肉筆の大作がデデン!と2点も並び、その先には肉筆画だけを集めた章が設けられていた。最後にちょろっとでは

芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:2 /三菱一号館美術館

(承前)  芳幾・芳年が14図ずつ共作した《英名二十八衆句》は、歌舞伎に登場する著名な殺人…

芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:1 /三菱一号館美術館

 幕末期の浮世絵の巨星・歌川国芳。  「奇想の画家」の一角にも挙げられた国芳の絵は現代に…

若冲と一村 時を越えてつながる:3 /岡田美術館

(承前)  本展では若冲・一村の着色画のほか、彼らの水墨作品や、周辺作家・作例についても…

若冲と一村 時を越えてつながる:2 /岡田美術館

(承前)  田中一村は、伊藤若冲より200年ほど後の時代を生きた新しい人だが、残っている作…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:8

(承前)  応挙らの襖絵が客殿に戻されたのは、神戸新聞によると「原物を配した客殿の仏教空…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:5

(承前)  北西端の「芭蕉の間」。  人格者で子宝に恵まれた中国・唐時代の武将・郭子儀(…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:2

(承前)  「応挙寺」こと大乗寺の特別公開は、2月11日の「新美の巨人たち」(テレビ東京)で特集された。  記事タイトルの「蟹と応挙のまち」というのは、じつはこの番組の冒頭でも使われていた表現。ひそかに温めていたのに……と嘆くほど突飛なコピーでもないが、「先を越された!」とは思ったものだ。  これに加えて、香美町には「温泉」もある。  「蟹と温泉」――このふたつを観光資源とする町は、それこそ山陰から北陸にかけて、日本海側の広い範囲にいくつも分布している。  だが、そこに