マガジンのカバー画像

西洋美術

69
運営しているクリエイター

#西洋美術

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く提…

28

デイヴィッド・ホックニー展:3 /東京都現代美術館

(承前)  現美のホックニー展。最大の見せ場は、ラストにやってきた。  コロナ禍のロック…

41

デイヴィッド・ホックニー展:2 /東京都現代美術館

(承前)  龍安寺石庭のフォト・コラージュの裏の壁には、横長構図の絵画作品がいくつか展示…

29

テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:2 /国立新美術館

(承前)  本展の心にくいところは、近年、日本での回顧展が好評・盛況を博した複数の作家を…

41

テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:1 /国立新美術館

 イギリスの国立美術館・テートの所蔵品による、「光」をキーワードとした世界巡回展の東京展…

21

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:3 /アーティゾン美術館

(承前)  ある作家の作品を、館蔵品に加えてさらに数点借用して充実をはかっている例が、本…

27

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:2 /アーティゾン美術館

(承前)  絵は、鏡に似ているなと思うことがある。  以前に観たことがある絵の前にもう一度立てば、あのときの自分がたちまち、額縁の内側に映るからだ。  ご無沙汰の間隔が長いほど、昔を知る旧友に会った気分で、うれしくなる。頻度が多ければ「よっ、また会ったな」と、気軽に声をかけたくなる。  本展には、宮城県美術館が所蔵するヴァシリー・カンディンスキー 《「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)》(1914年)が出ていた。  仙台生まれ・仙台育ちのわたし

マティス展:2 /東京都美術館

(承前)  マティス展の出品作から、独断と偏見により数点をご紹介。  リーフレットに掲載…

27

マティス展:1 /東京都美術館

 20年ぶり……  待ちに待ったアンリ・マティスの大回顧展が、上野のお山へついにやってきた…

41

ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:2 /パナソニック汐留美術館

(承前)  ルオーの活動期は、2つの世界大戦にまたがっている。  戦争による苦しみ、葛藤、…

11

ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:1 /パナソニック汐留美術館

 この館のライフワークともいえる、ジョルジュ・ルオーの展覧会である。  副題となっている…

14

クレーや紫紅や非水 所蔵作品展 MOMATコレクション:3 /東京国立近代美術館

(承前)  5室は、パウル・クレーの部屋。ニューカマーの《黄色の中の思考》を含む、収蔵す…

芸術家たちの南仏:3 /川村記念美術館

(承前)  思わぬ、よき出合いもあった。  広島のふくやま美術館から、ソニア・ドローネー…

芸術家たちの南仏:2 /川村記念美術館

(承前)  本展で注目すべきポイントと思われたのが、出品作のすべてを日本国内の所蔵品でまかなっていること。殊に、地方の公立館からの借用が目立つ。  私立館では大川美術館(群馬)や池田20世紀美術館(静岡)などもあり、所蔵先は全国各地にばらけている。  ピカソに関しては彫刻の森美術館(箱根)、Kanzan gallery(東京)からまとまった数の立体造形を借りており、また川村記念美術館の館蔵品もそれなりに含まれているが、基本的には特定のコレクションに依存しない、総力戦のよう